伊岡瞬「追跡」#007(最終回)
24 火災二日目 アオイ(承前)『中央自動車道』小淵沢IC出口まで五百メートルの標識を過ぎた。いよいよだ。
〈いたらどうする〉
ハンドルを握るリョウが、片手で短く訊いた。
どうする、とは「〝やつら〟が出口で待ち伏せしていたら」という意味だ。〝やつら〟が数人の精鋭部隊なのか、一個大隊なのか、そこまでわからない。少なくとも、樋口と間抜けな刑事の三人組のほかに、もう一グループ加わったことはわかっている。
ほんの十五分ほど前に『組合』に、大金——難度の高い〝仕事〟一回分のギャラ