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  • #わたしの熱帯

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  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

    24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

  • #ミステリー小説が好き

    #ミステリー小説が好き

  • 伊岡瞬「追跡」(*小説)

    火災現場で発見された“父親とその息子夫婦”の遺体。しかしその後、この三人は赤の他人であることが判明する――。彼らが家族を装った目的とは? 世界の不穏な真実を暴くノンストップサスペンス

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #69〈ロンドンを熱狂の渦に――BBCプロムス・デビュー!〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  日本食を愛する私にとって、ロンドンは欧州で最愛の場所と言っても過言ではない。一風堂、丸亀製麺、CoCo壱番屋などなど、道を歩けば右に左にたくさんの日本食レストランが目に入る。これはベルリンではあり得ない光景だ。この日の私は半ば吸い込まれるように一店のラーメン屋さんに入ってしまい、気づいたら替え玉まで頼んでいた。恍惚、夢見心地……ああ、ロンドンに来て良かった! 日本特有の”DA

ピアニスト・藤田真央エッセイ #68〈熱い夏はつづく――ルツェルン音楽祭〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。     ヴェルビエ音楽祭、そしてバイロイト音楽祭の連載に続き、またしても8月に行われた二つの音楽祭——ルツェルン音楽祭、BBCプロムス——の模様を綴りたい。この夏はそれだけ内容の濃い日々を送っていたのだ。  8月中旬のこの時期は、例年抱えているレパートリーが多い。今年も23/24年シーズンのリサイタル・プログラムが佳境を迎える一方で、9月から始まる24/25年シーズンの新し

ピアニスト・藤田真央エッセイ #67〈祝・優勝!――ベイスターズと私〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。   2024年11月3日。私は今、猛烈に感動しています。この感動をどうしても未来に残したいと思い、エッセイの冒頭に寄せさせて頂く次第です。音楽からは遠ざかってしまう話題ですが、どうぞお付き合いください。  皆さまご存じの通り、私の生活の大部分はピアノの練習と音楽の勉強に費やされているのですが、そのわずかな隙間時間に欠かさず続けていることがあります。それは愛する横浜DeNAベイ

書店員さんの声、第三弾!|『ナースの卯月に視えるもの2 絆をつなぐ』

#わたしの熱帯

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  • 31本

第二章 カウンターの男

 グリーンの扉を開くと、そこは細長い階段だった。扉は店の入口と思っていただけに拍子抜けする。壁は扉と同じグリーン。階段は木目調で急なために左側には手すりが付けられている。  階段をおよそ一階分のぼりきると再度扉が現れた。この扉を開いたらまた階段が……というような舞台を前に観た気がするが実際に扉を開けば「いらっしゃいませ」と怪しげなほほ笑みを浮かべたマスターとL字のカウンターの片隅に座る一人の男性客が私たちを迎えた。  マズい所へ来てしまったのではなかろうか。  今さらなが

沈黙しない読書会の夜

ポテンシャルだけはあるのだ…あるのだぁ!! そう苦し紛れに叫びたい日々を過ごしとります、みかばんさんです…皆様お疲ればっこん。 世間の皆様はGWでお休みの方が大半でしょうか… 少し前から我々地球の民はウイルスの脅威から身を守るべく窮屈な生活を余儀無くされた訳ですが、今年のGWはだいぶ緩和され行楽地に出掛ける人が目立っておりますな。 我が家も母と弟が出掛けております…秩父に芝桜を見に行ったり横須賀に菖蒲を見に行ったり… 自分は大型連休も盆暮も関係無く仕事ですのでね、出

イベントレポート「登美彦氏、『千一夜物語』に分け入る」

2019年2月11日に開催された対談イベント 「登美彦氏、『千一夜物語』に分け入る」 国立民族学博物館にて、西尾哲夫先生に導かれてアラビアンナイトの世界に迷い混みました。 悪筆メモと記憶を頼りに記述したものをTwitterに連投したのですが、当時は隠していたものを加筆・修正を加えて記述しています。『熱帯』未読のかたはネタバレ満載なので読まないでください。個人の読書体験は人権の次に尊重されるものです。 ㊟ 簡略化した部分が多く、また実際の語調とは異なります。 質問「なぜ

妄察 わたしの熱帯

沈黙しない読書会を終えて  2022年4月18日。時を超えて「沈黙しない読書会」がオンラインで開催されました。  私は「贅沢な読書会」でむにゃむにゃとしか語れなかったリターンマッチとして、「沈黙しない読書会」に手記を応募しました。他のみなさんには及ばずとも、私なりの「手記 わたしの熱帯」を完成させることができました。  書き終えた当初は、我が手記に一片の悔いなしと、以降筆を執る気はありませんでした。2018年に私の心を覆っていた靄は、手記にて語ったことで晴らされたのです。

ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

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  • 70本

ピアニスト・藤田真央エッセイ #69〈ロンドンを熱狂の渦に――BBCプロムス・デビュー!〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  日本食を愛する私にとって、ロンドンは欧州で最愛の場所と言っても過言ではない。一風堂、丸亀製麺、CoCo壱番屋などなど、道を歩けば右に左にたくさんの日本食レストランが目に入る。これはベルリンではあり得ない光景だ。この日の私は半ば吸い込まれるように一店のラーメン屋さんに入ってしまい、気づいたら替え玉まで頼んでいた。恍惚、夢見心地……ああ、ロンドンに来て良かった! 日本特有の”DA

ピアニスト・藤田真央エッセイ #68〈熱い夏はつづく――ルツェルン音楽祭〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。     ヴェルビエ音楽祭、そしてバイロイト音楽祭の連載に続き、またしても8月に行われた二つの音楽祭——ルツェルン音楽祭、BBCプロムス——の模様を綴りたい。この夏はそれだけ内容の濃い日々を送っていたのだ。  8月中旬のこの時期は、例年抱えているレパートリーが多い。今年も23/24年シーズンのリサイタル・プログラムが佳境を迎える一方で、9月から始まる24/25年シーズンの新し

ピアニスト・藤田真央エッセイ #67〈祝・優勝!――ベイスターズと私〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。   2024年11月3日。私は今、猛烈に感動しています。この感動をどうしても未来に残したいと思い、エッセイの冒頭に寄せさせて頂く次第です。音楽からは遠ざかってしまう話題ですが、どうぞお付き合いください。  皆さまご存じの通り、私の生活の大部分はピアノの練習と音楽の勉強に費やされているのですが、そのわずかな隙間時間に欠かさず続けていることがあります。それは愛する横浜DeNAベイ

ピアニスト・藤田真央エッセイ #66〈人生を揺るがす鑑賞体験ーートリスタンとイゾルデ〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  ついに開演のベルが鳴り、客席のドアが閉まると、オーケストラがチューニングを始めた。客席の照明が完全に消え、灯が微かに灯るのは幕の下りたステージだけ。やがてチューニングが終わるとそこは完全に無音状態だった。いつ、どのタイミングでビシュコフがピットにやってきたかも判らないので、開演前の拍手もない。静寂がどのくらいの時間続いただろうか。徐々に五感が研ぎ澄まされていく。  不意に地

#ミステリー小説が好き

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  • 242本

文藝春秋からのお届け物を開いたら、少年ジャンプを思い出した話

下記の記事で書いたとおり、文藝春秋さまから「特別賞」をいただきました。 私の記事を「別冊文藝春秋」に掲載していただけることになったのです。 そして! ついにその「見本誌」が届きました。 突然ですが、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』ってご存知ですか? 小学校の頃、アニメがやっていたので夢中になっていました。 特に、【剣心】対【四乃森蒼紫】の戦いが好きです。

文藝春秋さんから『特別賞』をイタダキマシタ

note×「WEB別冊文藝春秋」のコラボレーション企画「#ミステリー小説が好き」において『特別賞』をいただきました! 受賞した記事はこちら👇👇 『芥川賞』や『直木賞』で有名な文藝春秋の編集部の方に、このような賞をいただき、マウスを持つ手が震えるほど喜びました。 1.なぜ、『特別賞』なのか? 私はベストレビュアー(今回の企画における受賞のこと)ではなく、特別賞でした。 なぜか? お題が『ミステリー小説が好き』なのに、選んだ本が小説ではないからです。

辮髪のシャーロック・ホームズ-ベトナム語通訳-のアレやこれ

「ギリシャ語通訳」を読んだことがないので あとで読みます

辮髪のシャーロック・ホームズ-新王府の醜聞-のアレやこれ

黄色い顔のねじれた男は ねじれがそっちかよ!ってなりましたね (え、私だけですか!?) 新王府の醜聞は シャーロックのオシャレが気になって それから調べ始めました

伊岡瞬「追跡」(*小説)

火災現場で発見された“父親とその息子夫婦”の遺体。しかしその後、この三人は赤の他人であることが判明する――。彼らが家族を装った目的とは? 世界の不穏な真実を暴くノンストップサスペンス

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  • 8本

伊岡瞬「追跡」#007(最終回)

24 火災二日目 アオイ(承前)『中央自動車道』小淵沢IC出口まで五百メートルの標識を過ぎた。いよいよだ。 〈いたらどうする〉  ハンドルを握るリョウが、片手で短く訊いた。  どうする、とは「〝やつら〟が出口で待ち伏せしていたら」という意味だ。〝やつら〟が数人の精鋭部隊なのか、一個大隊なのか、そこまでわからない。少なくとも、樋口と間抜けな刑事の三人組のほかに、もう一グループ加わったことはわかっている。  ほんの十五分ほど前に『組合』に、大金——難度の高い〝仕事〟一回分のギャラ

伊岡瞬「追跡」#006

15 火災二日目 アオイ 油断がなかったといえば噓になる。  あの『B倉庫』で初めて樋口と手合わせしたとき、アオイがあっさりと一本取った。  樋口が手加減しているようには見えなかった。あの男にも華やかな時はあったのかもしれないが、この仕事の〝現場〟に出るにはそろそろピークを過ぎているし、順当な実力の差だと理解した。だから、再び対峙することがあったとしても、そして向こうに多少の〝得物〟のアドバンテージがあったとしても、充分制圧できるだろうと踏んでいた。  その油断がこんな結果を

伊岡瞬「追跡」#005

13 火災二日目 樋口(承前)「その話は長くなるからやめましょう。知り合い、とだけ答えておきます」  二人の反応はない。顔もほとんど見えないので、機嫌がいいのか悪いのかもわからない。 「そんなことより、暗くなる前に腹ごしらえしませんか」  樋口は話題を変えた。ダッシュボードの時計は午後六時二分を表示している。返答を待たずに続ける。 「日没まであと一時間ほどですし、このあたりは山の陰になっているから、すでに日も翳り始めている。もっとも、刑事さんにとってはまだまだ宵の口かもしれま

伊岡瞬「追跡」#004

10 火災二日目 樋口(承前) アオイに指示されるがまま、樋口透吾の運転するレクサスは、中央自動車道を西へ進む。  ほどなく神奈川県に入り、それもすぐに通り過ぎ、山梨県に入った。 「どこまで進みます?」  ルームミラーで、アオイと『雛』こと因幡航少年のようすをちらりとうかがう。アオイは視線を伏せて何か操作している。スマートフォンで位置情報の確認をしているか、誰かと交信しているのかもしれない。  航はほとんど無表情のまま、窓の外に視線を投げている。多少不安げではあるが、もっと濃