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  • WEB別冊文藝春秋【無料記事】

    110本

    WEB別冊文藝春秋の無料で読める記事をまとめました。

  • 稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

    37本

    南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載

  • 今井真実「ひとりでまんぷく」(*食エッセイ)

    14本

    料理家・今井真実さんが、ひとりで味わう至福の時間を綴るグルメエッセイです。

  • 太田愛「ヨハネたちの冠」(*小説)

    3本

    首都近郊の〈スーパー教育特区〉に住む、個性的なアウトサイダーの3人の子供たち。柔らかな心を持つ彼らが出逢ったとき、物語は動き始める。この町には何が隠されているのか……圧巻の社会派クライムサスペンス、遂に開幕!

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繊細な文章が光る感動作!ラランド・ニシダ『ただ君に幸あらんことを』インタビュー

 デビュー作『不器用で』から約1年半。ラランド・ニシダさんによる待望の第2作『ただ君に幸あらんことを』が刊行された。前作では、人間への深い洞察と優しい眼差し、著者ならではの繊細な文章が評判を呼んだが、今作は更なる高みへと到達している。 「前作は原稿用紙50枚くらいの短篇を5作収録しましたが、今回は120枚前後の中篇を2篇書きました。どんなに忙しくても必ず毎日書くと決めていたので、芸人の仕事をして、夜帰ってから書くことが多かったですね。睡眠時間を7時間は確保したいので、例えば

幡野広志|人生にとって何が一番大切なものなのか。涙を誘う物語が教えてくれた。平岡陽明『マイ・グレート・ファーザー』に寄せて

 過去と未来、一度だけ行けるとしたらどちらを選ぶだろうか。ぼくは過去を選ぶ。  もしも未来へ行ったとしても、浦島太郎のようになって右も左もわからないだろうから。自分が過去から来たと伝えれば変人扱いされ、警察の世話になる未来しか見えない。  仮に未来から現代に戻ることが確約され、短い時間で未来の歴史を記憶して、現代に戻り未来人になれる人はいい。でも、ぼくの行動力と知能では無理だ。運良く警察の世話にならずとも、未来の娯楽に興じて終わるだけだろう。  過去に行けば、自分は未来人にな

「岡山最強の拝み屋夫婦」|はやせやすひろ×クダマツヒロシ

「――今日はお忙しい中お時間いただきありがとうございました。おかげで良い記事が書けそうです。実は私、『都市ボーイズ』さんのファンなんです」  2023年1月。その日僕は都内である取材を受けていた。『都市ボーイズ』とは、僕「はやせやすひろ」が、2015年から相方の岸本さんと活動しているユニット名だ。自身のYouTubeチャンネルでオカルト全般の話題や、寄せられた怪異体験談などを取り上げ、日々紹介している。また僕自身が『呪物』と呼ばれる物を蒐集していることもあり、最近はYouT

¥300

【全文無料公開】イナダシュンスケ|旅館の朝食講座 lesson1

第34回 旅館の朝食講座 lesson1  私の名前はジョン・タベルスキー。英会話教師として米国より日本に移り住んでから、早20年が経とうとしています。その間、我が国からの旅行者は概ね増え続け、日本を心から愛する私としても嬉しい限りです。  日本旅行の目的は、今やフジヤマでもゲイシャでもニンジャでもありません。ジンジャブッカクでもありません。誰もがおいしい食べ物を求めて日本にやってきます。ラーメンとスシはその代表格と言っても良いでしょう。ヤキトリやテンプラ、WAGYUも人

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幡野広志|人生にとって何が一番大切なものなのか。涙を誘う物語が教えてくれた。平岡陽明『マイ・グレート・ファーザー』に寄せて

 過去と未来、一度だけ行けるとしたらどちらを選ぶだろうか。ぼくは過去を選ぶ。  もしも未来へ行ったとしても、浦島太郎のようになって右も左もわからないだろうから。自分が過去から来たと伝えれば変人扱いされ、警察の世話になる未来しか見えない。  仮に未来から現代に戻ることが確約され、短い時間で未来の歴史を記憶して、現代に戻り未来人になれる人はいい。でも、ぼくの行動力と知能では無理だ。運良く警察の世話にならずとも、未来の娯楽に興じて終わるだけだろう。  過去に行けば、自分は未来人にな

【アーカイブ動画公開!】祝・華文ミステリ15周年、歴代の傑作&新刊一挙ご紹介スペシャル

2024年2月末に行われた配信イベントの アーカイブを公開しました ※  歴代「華文ミステリ」の最高傑作はどの作品か? そして2024年に翻訳刊行される新作の魅力とは?  島田荘司さんが命名した「華文ミステリ(中国語で書かれたミステリ小説)」の嚆矢は、アジア各地の傑作本格ミステリを紹介した「島田荘司選 アジア本格リーグ」(講談社)の『錯誤配置』藍霄(台湾)と『蝶の夢 乱神館記』水天一色(中国)の2作品で、ともに2009年に刊行されました。  それから15年、台湾からは

「思わず一気読み」「心からおすすめしたい」など激推しの声多数! 大前粟生さん『チワワ・シンドローム』のレビューをご紹介します

 大前粟生さんの最新刊『チワワ・シンドローム』が2024年1月26日に発売になりました。早くも届いた読者の方々からの〝激推し〟の声の数々、ご紹介いたします! 私自身、『弱さ』を抱えたままで生きていたいと思うことがあります。 『弱さ』を抱えていれば誰かが庇護してくれて、それに安堵して何も考えなくて済むから。 だから強さより弱さの方が最大の防御だと考える時もあるけれど、本作を読んでからは果たしてそうなのだろうかと一石を投じたくなりました。 「チワワテロ」によって炙り出される、「

自分がどんどんワトソンと一体化して――スランプに抗い、最後に解き明かした謎とは? 森見登美彦ロングインタビュー

作家の書き出し Vol.29 〈取材・構成:瀧井朝世〉 ◆あのシャーロック・ホームズがスランプに――『シャーロック・ホームズの凱旋』、書籍化をお待ちしておりました。これはあの名探偵ホームズが、「ヴィクトリア朝京都」にいるというお話です。文芸誌『小説BOC』に連載していたものですよね。 森見 2016年に連載がスタートしたので、刊行まで7年かかったことになりますね。最初に「ヴィクトリア朝京都」という言葉を思いつき、面白くできそうだと。そこから、ヴィクトリア朝ならシャーロック

稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載

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【全文無料公開】イナダシュンスケ|旅館の朝食講座 lesson1

第34回 旅館の朝食講座 lesson1  私の名前はジョン・タベルスキー。英会話教師として米国より日本に移り住んでから、早20年が経とうとしています。その間、我が国からの旅行者は概ね増え続け、日本を心から愛する私としても嬉しい限りです。  日本旅行の目的は、今やフジヤマでもゲイシャでもニンジャでもありません。ジンジャブッカクでもありません。誰もがおいしい食べ物を求めて日本にやってきます。ラーメンとスシはその代表格と言っても良いでしょう。ヤキトリやテンプラ、WAGYUも人

イナダシュンスケ|小生、再び蕎麦を語る

第33回 小生、再び蕎麦を語る  以前この連載で「小生、蕎麦を語る」というタイトルの文章を書きました。その最後は、こんな一文で締められています。  あたかもその預言に導かれるかのように、僕は今回、蕎麦について再び何事かを語りたくなりました。ちなみにこの「小生」は、二つの意味の重ね合わせになっています。いわゆるダブルミーニングってやつです。  ひとつは読んで字の如し、単なる一人称です。「僕」や「わたし」よりも少々時代がかった大仰な人称ですね。元々は自分を低く見せる謙譲語だ

イナダシュンスケ|からいもの思い出

第32回 からいもの思い出  鹿児島市内に住んでいた小学2年生の頃、クラスに奄美大島からMくんという転入生がやってきました。ガッチリとした短躯に浅黒い肌、黒目がちな丸い目の少年でした。彼の家は、僕が当時家族と住んでいたのと同じアパートにありました。そのアパートは一棟が丸ごと父親が勤めていた銀行の社宅で、僕の父親とMくんのお父さんは、会社の同僚でもあったということになります。  実はMくんと特別に仲良くなった記憶はあまり無いのですが、近所のよしみとでもいった感じで、時々一緒

イナダシュンスケ|叱咤激励タコライス

第31回 叱咤激励タコライス  タコライスはお好きですか? 僕はあれはものすごくおいしい食べ物だと思っています。  おいしいにもいろいろあります。多くの人がおいしいと思っていて嫌いな人はあまりいない「キャッチーなおいしさ」や、ちょっと伝わりづらいけどしみじみおいしい「渋いおいしさ」、そして好き嫌いがはっきり分かれる「マニアックなおいしさ」、などなど。それで言うと、タコライスのおいしさは、概ね最初の「キャッチーなおいしさ」にあたるのではないでしょうか。例えば給食で出てきたら

今井真実「ひとりでまんぷく」(*食エッセイ)

料理家・今井真実さんが、ひとりで味わう至福の時間を綴るグルメエッセイです。

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第17回 今井真実|とろりと甘い梅酒は、産地それぞれの楽しみ

 先日、和歌山県田辺市に行ってきた。目的は紀伊田辺駅近くで行われる「梅酒フェス」。 なんとこのイベント、前売り券を1500円で購入すると、和歌山県産梅酒100種類を制限なく飲み比べできるらしい。梅酒が100種類……どんなバリエーションがあるのか想像ができない。  まさにいま私は、仕事で梅酒のレシピを作ろうとしている。ここ最近はめっきり自家製ばかりだったから、いろんなヒントが欲しいのだ。梅の加工のプロが漬けたさまざまな種類の梅酒にも興味津々で訪問した。  田辺市といえば「世界

第16回 今井真実|蔵元たちの熱い思いが飛び交う「醤油の日の集い」

 秋にはいつも楽しみにしている行事がある。それはしょうゆ業界の関係者が集まり、開催される「醤油の日の集い」である。  10月1日は「醤油の日」。昔の日本では、冬に備えるために、秋口に農作物の貯蔵や加工を行なっていた。さらにしょうゆ造りのための「もろみ」も、10月に仕込んでいたのだそう。醸造に関するさまざまな由来が秋に縁深く、そのことから10月1日が「醤油の日」と定められたという。その日を記念して行われているのが、「醤油の日の集い」である。ひょんなことからご縁がありご招待をい

第15回 今井真実|日比谷でちょっと早めのお昼ご飯。お腹も心も満たされるお粥と焼売

 「料理家」という仕事をしていると、ふだんはめったに家から出ることがない。打ち合わせのときも撮影のロケハンを兼ねて、編集者が自宅にやってくることが多いし、その後の撮影ももちろん我が家。撮影後のレシピをまとめるときも、原稿を書くときも、自宅で行う。基本的に、家でぼんやり過ごすのが一番リラックスできる私にとって、不満はない。むしろちょっと作業しては寝転んだりと、いわばもってこいの労働環境なのである。  そんな日常を送る私にとって、めずらしい日があった。  午前中に、オフィス街に

第11回 北海道で酔いしれた、絶品お寿司 ひとりでまんぷく 今井真実

 次の出張は北海道と聞いてから、暇さえあれば「寿司 ウニ 札幌」でネット検索をしていた。だって北海道といえば、ウニではないか! 豊富な魚介類があるのは承知の上だが、なんせ夏だし、普段は滅多に食べることのないウニを食べたいのだ。口いっぱいに頬張り、あのとろける甘みを、磯の香りを、なめらかな喉越しを味わいたい。その瞬間を、想像するだけで鼻息が荒くなってしまう。ホテルを予約することさえもすっかり忘れて、ここ最近の私の趣味はもはや「札幌のウニのおいしいお店を探すこと」になっていた。

太田愛「ヨハネたちの冠」(*小説)

首都近郊の〈スーパー教育特区〉に住む、個性的なアウトサイダーの3人の子供たち。柔らかな心を持つ彼らが出逢ったとき、物語は動き始める。この町には何が隠されているのか……圧巻の社会派クライムサスペンス、遂に開幕!

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太田愛『ヨハネたちの冠』 #002

第二章 自転車がつなぐ 青明は枕元の時計が鳴り出す前に目を覚まし、アラームのスイッチを切った。午前五時四十五分。隣に敷いた小さな布団では理久が健やかな寝息をたてている。当分のあいだ母さんには無理そうなので、夜は透矢と交替で理久をみることにしていた。  ゆうべは今日の計画のことを考えて寝つかれず、結局、午前二時近くまで理久の寝顔を眺めていた。今、カーテン越しの柔らかな光を受けた理久の寝顔を見つめながら、青明はとうとう夜が明けて今日が始まってしまったのだと強く思った。  そっと抱

太田愛『ヨハネたちの冠』 はじまりのことば

 編集者のKさんとAさんに初めてお目にかかったのは『彼らは世界にはなればなれに立っている』を上梓した四年前の秋だった。それ以前の三つの長編、『犯罪者』『幻夏』『天上の亜』が現代社会を舞台にしたいわゆるクライムサスペンスであったのに対して、『彼らは世界に~』はまったく趣が異なり、いつの時代ともわからない〈塔の地・始まりの町〉で繰り広げられる物語だ。期待されている世界観でないことはわかっていた。案の定、上梓直後の読者の評は真っ二つに分かれた。  よりによってその『彼らは世界に~』

太田愛・新連載スタート!『ヨハネたちの冠』 #001

第一章 夏至の夜に始まった六月二十一日 午後八時四十分 「最速で行ってきてよ!」  姉の青明が、リビングからのけぞるように廊下へ顔だけ出して叫んだ。両手はムーニーのお尻拭きで理久の尻を拭いているのだ。階段下の物入れの戸が大きく開け放たれているのは、買い置きの紙おむつが切れているのを発見した際の衝撃をものがたっている。 「わかってるよ!」  紺野透矢は運動靴をつっかけて玄関を出ると、一家に一台きりのママチャリにまたがり、紙おむつを買うために立ち漕ぎでドラッグストアへと急いだ。