WEB別冊文藝春秋
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幡野広志|人生にとって何が一番大切なものなのか。涙を誘う物語が教えてくれた。平岡陽明『マイ・グレート・ファーザー』に寄せて
過去と未来、一度だけ行けるとしたらどちらを選ぶだろうか。ぼくは過去を選ぶ。 もしも未来へ行ったとしても、浦島太郎のようになって右も左もわからないだろうから。自分が過去から来たと伝えれば変人扱いされ、警察の世話になる未来しか見えない。 仮に未来から現代に戻ることが確約され、短い時間で未来の歴史を記憶して、現代に戻り未来人になれる人はいい。でも、ぼくの行動力と知能では無理だ。運良く警察の世話にならずとも、未来の娯楽に興じて終わるだけだろう。 過去に行けば、自分は未来人にな

幡野広志|人生にとって何が一番大切なものなのか。涙を誘う物語が教えてくれた。平岡陽明『マイ・グレート・ファーザー』に寄せて
過去と未来、一度だけ行けるとしたらどちらを選ぶだろうか。ぼくは過去を選ぶ。 もしも未来へ行ったとしても、浦島太郎のようになって右も左もわからないだろうから。自分が過去から来たと伝えれば変人扱いされ、警察の世話になる未来しか見えない。 仮に未来から現代に戻ることが確約され、短い時間で未来の歴史を記憶して、現代に戻り未来人になれる人はいい。でも、ぼくの行動力と知能では無理だ。運良く警察の世話にならずとも、未来の娯楽に興じて終わるだけだろう。 過去に行けば、自分は未来人にな

「思わず一気読み」「心からおすすめしたい」など激推しの声多数! 大前粟生さん『チワワ・シンドローム』のレビューをご紹介します
大前粟生さんの最新刊『チワワ・シンドローム』が2024年1月26日に発売になりました。早くも届いた読者の方々からの〝激推し〟の声の数々、ご紹介いたします! 私自身、『弱さ』を抱えたままで生きていたいと思うことがあります。 『弱さ』を抱えていれば誰かが庇護してくれて、それに安堵して何も考えなくて済むから。 だから強さより弱さの方が最大の防御だと考える時もあるけれど、本作を読んでからは果たしてそうなのだろうかと一石を投じたくなりました。 「チワワテロ」によって炙り出される、「

自分がどんどんワトソンと一体化して――スランプに抗い、最後に解き明かした謎とは? 森見登美彦ロングインタビュー
作家の書き出し Vol.29 〈取材・構成:瀧井朝世〉 ◆あのシャーロック・ホームズがスランプに――『シャーロック・ホームズの凱旋』、書籍化をお待ちしておりました。これはあの名探偵ホームズが、「ヴィクトリア朝京都」にいるというお話です。文芸誌『小説BOC』に連載していたものですよね。 森見 2016年に連載がスタートしたので、刊行まで7年かかったことになりますね。最初に「ヴィクトリア朝京都」という言葉を思いつき、面白くできそうだと。そこから、ヴィクトリア朝ならシャーロック
稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)
南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載
太田愛「ヨハネたちの冠」(*小説)
首都近郊の〈スーパー教育特区〉に住む、個性的なアウトサイダーの3人の子供たち。柔らかな心を持つ彼らが出逢ったとき、物語は動き始める。この町には何が隠されているのか……圧巻の社会派クライムサスペンス、遂に開幕!