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《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

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  • #ミステリー小説が好き

    #ミステリー小説が好き

  • 鈴木忠平「ビハインド・ゲーム」(*小説)

    負けることに慣れきったプロ野球チームと不祥事に揺れる親会社。出口の見えない暗闇を進む二つの組織を変えたのは、アメリカから来た一人の日本人だった。フィクションとノンフィクションのあわいに屹立する、ある再生の物語

  • 太田愛「ヨハネたちの冠」(*小説)

    首都近郊の〈スーパー教育特区〉に住む、個性的なアウトサイダーの3人の子供たち。柔らかな心を持つ彼らが出逢ったとき、物語は動き始める。この町には何が隠されているのか……圧巻の社会派クライムサスペンス、遂に開幕!

  • 一穂ミチ「アフター・ユー」(*小説)

    ある日突然姿を消した恋人。彼女は自分の意志で消えたのか、それとも……。最悪の事態に怯えながら、残された青吾は手掛かりを求めて動き出す。愛を問う、大人のための恋愛小説

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #66〈人生を揺るがす鑑賞体験ーートリスタンとイゾルデ〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  ついに開演のベルが鳴り、客席のドアが閉まると、オーケストラがチューニングを始めた。客席の照明が完全に消え、灯が微かに灯るのは幕の下りたステージだけ。やがてチューニングが終わるとそこは完全に無音状態だった。いつ、どのタイミングでビシュコフがピットにやってきたかも判らないので、開演前の拍手もない。静寂がどのくらいの時間続いただろうか。徐々に五感が研ぎ澄まされていく。  不意に地

イナダシュンスケ|チャーハンの退屈

第30回 チャーハンの退屈  あえて悔恨から始めます。僕はチャーハンという食べ物に対して、かつてあまりにも冷淡かつ非道でした。  世の中には、推定1000万人を超えるチャーハン好きが存在するのではないかと思います。今だから言えますが、僕はその全員から一斉に憎まれかねないことを、ずっと心の中で思っていました。 「中華料理屋でチャーハンを頼むやつの気が知れねえ」  これがその秘めたる思いです。おっと、ここだけ切り取って拡散するのはやめてください。そんなことをされたら、今の

ピアニスト・藤田真央エッセイ #65〈世界一取りづらいチケットーーバイロイト音楽祭鑑賞〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  世界には数多の音楽祭がある。特に夏のシーズンは大小様々なフェスティバルが各地を彩る。私もピアニストとして沢山の音楽祭に出演し、それぞれの特色を味わってきた。しかし、私がどんなに切望しようとも絶対に出演できない音楽祭が存在する——バイロイト音楽祭だ。  バイロイト音楽祭は、ドイツの小都市・バイロイトで毎年7月から約1ヶ月間開催される。驚くべきことに、このフェスティバルで演奏さ

宮島未奈『婚活マエストロ』刊行に寄せて

『婚活マエストロ』第一話の原稿を担当編集者に送ったのは去年の10月31日のことでした。それから一年で単行本になろうとは、まったく想像していませんでした。 「はじまりのことば」でも書いたとおり、『婚活マエストロ』は担当編集者のオーダーからはじまった話です。 「宮島さんの書く婚活の話が読みたいです!」  と言われたとき、わたしは「○○さんとかに書いてもらったほうがいいんじゃないですか」と別の作家さんの名前を挙げたぐらいで、婚活に対する興味も関心もありませんでした。それが今や……

#ミステリー小説が好き

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  • 243本

文藝春秋からのお届け物を開いたら、少年ジャンプを思い出した話

下記の記事で書いたとおり、文藝春秋さまから「特別賞」をいただきました。 私の記事を「別冊文藝春秋」に掲載していただけることになったのです。 そして! ついにその「見本誌」が届きました。 突然ですが、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』ってご存知ですか? 小学校の頃、アニメがやっていたので夢中になっていました。 特に、【剣心】対【四乃森蒼紫】の戦いが好きです。

文藝春秋さんから『特別賞』をイタダキマシタ

note×「WEB別冊文藝春秋」のコラボレーション企画「#ミステリー小説が好き」において『特別賞』をいただきました! 受賞した記事はこちら👇👇 『芥川賞』や『直木賞』で有名な文藝春秋の編集部の方に、このような賞をいただき、マウスを持つ手が震えるほど喜びました。 1.なぜ、『特別賞』なのか? 私はベストレビュアー(今回の企画における受賞のこと)ではなく、特別賞でした。 なぜか? お題が『ミステリー小説が好き』なのに、選んだ本が小説ではないからです。

辮髪のシャーロック・ホームズ-ベトナム語通訳-のアレやこれ

「ギリシャ語通訳」を読んだことがないので あとで読みます

辮髪のシャーロック・ホームズ-新王府の醜聞-のアレやこれ

黄色い顔のねじれた男は ねじれがそっちかよ!ってなりましたね (え、私だけですか!?) 新王府の醜聞は シャーロックのオシャレが気になって それから調べ始めました

鈴木忠平「ビハインド・ゲーム」(*小説)

負けることに慣れきったプロ野球チームと不祥事に揺れる親会社。出口の見えない暗闇を進む二つの組織を変えたのは、アメリカから来た一人の日本人だった。フィクションとノンフィクションのあわいに屹立する、ある再生の物語

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  • 2本

鈴木忠平・新連載スタート!「ビハインド・ゲーム」#001

プロローグ 開場の日は朝から雲ひとつなかった。生えそろったばかりの天然芝と真っさらなアンツーカーが北の大地の柔らかな陽の光を浴びている。球場のコンコースでひとり、その静謐な光景を飽くことなく眺め続けている男は球団のフロントマンである。濃紺のスーツにチームのシンボルカラーであるスカイブルーのネクタイを締めた彼の胸の裡にはひとつの感慨が宿っている。その感慨がいつまでも彼をその場に立たせていたのだった。  やがてそんな想いを知るよしもないファンたちが、フロントマンの脇を抜け、我先に

鈴木忠平『ビハインド・ゲーム』 はじまりのことば

 なぜ、この人物を書こうと思ったのですか?  新刊を書くと、インタビュアーの人からこう質問していただく。その度、的確な表現の見つからない私は「翳があるから」だとか、「逆風を浴びているから」だとか口にしながら、なにか言い足りてないな……と感じてきた。先だってはついに、「言葉で表現できない人だからです」などと答えてしまった。書き手としてアリなのか? 帰り道に落ち込んだが、本当にそうとしか言えなかったのだから仕方がない。  言葉ではうまく説明できないが、感覚としては分かっている。例

太田愛「ヨハネたちの冠」(*小説)

首都近郊の〈スーパー教育特区〉に住む、個性的なアウトサイダーの3人の子供たち。柔らかな心を持つ彼らが出逢ったとき、物語は動き始める。この町には何が隠されているのか……圧巻の社会派クライムサスペンス、遂に開幕!

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  • 2本

太田愛『ヨハネたちの冠』 はじまりのことば

 編集者のKさんとAさんに初めてお目にかかったのは『彼らは世界にはなればなれに立っている』を上梓した四年前の秋だった。それ以前の三つの長編、『犯罪者』『幻夏』『天上の亜』が現代社会を舞台にしたいわゆるクライムサスペンスであったのに対して、『彼らは世界に~』はまったく趣が異なり、いつの時代ともわからない〈塔の地・始まりの町〉で繰り広げられる物語だ。期待されている世界観でないことはわかっていた。案の定、上梓直後の読者の評は真っ二つに分かれた。  よりによってその『彼らは世界に~』

太田愛・新連載スタート!『ヨハネたちの冠』 #001

第一章 夏至の夜に始まった六月二十一日 午後八時四十分 「最速で行ってきてよ!」  姉の青明が、リビングからのけぞるように廊下へ顔だけ出して叫んだ。両手はムーニーのお尻拭きで理久の尻を拭いているのだ。階段下の物入れの戸が大きく開け放たれているのは、買い置きの紙おむつが切れているのを発見した際の衝撃をものがたっている。 「わかってるよ!」  紺野透矢は運動靴をつっかけて玄関を出ると、一家に一台きりのママチャリにまたがり、紙おむつを買うために立ち漕ぎでドラッグストアへと急いだ。

一穂ミチ「アフター・ユー」(*小説)

ある日突然姿を消した恋人。彼女は自分の意志で消えたのか、それとも……。最悪の事態に怯えながら、残された青吾は手掛かりを求めて動き出す。愛を問う、大人のための恋愛小説

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  • 7本

一穂ミチ「アフター・ユー」#006

『もしもし』  多実の声だった。すこし掠れているが、間違いない。青吾は、自分でも意外なほど平静だった。 『あ、スガワラさんですか? 調査報告書ありがとうございます。きょう受け取りました。すみません、無理言って郵送していただきまして……』 「多実」  ざ、さ、と砂を踏みしめるようなノイズが混じる。呼びかけに対する応えはなかった。 『はい、だいぶよくなりました。残りのお金はあした振り込みますので、よろしくお願いいたします』  通話が切られ、テレカが吐き出される。「42」に減った度

一穂ミチ「アフター・ユー」#005

 涙の筋で、頰の一部分だけ突っ張る感じがした。先に口を開いたのは沙都子だった。 「とりあえず、上がってください。お茶でも淹れます」 「はい」  子どものように答え、洗面所で手を洗うついでに顔も洗った。鏡を見ると涙は止まっていたが、充血した眼球がまだ全体的に潤んでいる。頭全体が妙に腫れぼったい感じで鈍く痛み、明瞭な思考ができそうにない。ダイニングでは、沙都子が何事もなかったような顔で湯を沸かしていた。 「ハーブティでいいですか?」 「はい」  何を考えているのかわからなくて怖い

一穂ミチ「アフター・ユー」#004

 夢か、それとも、俺の頭がどないかなってしもたんやろか。夢やとしたら、どっからや。 『青さん?』  受話器の向こうからは、確かに多実の声がする。ありえない。 『どうしたの? 何かあった?』 「多実」  そろりと口にした。通話相手が多実であると認めてしまった瞬間に、夢から覚めるとか、電話ボックスが消え失せて受話器を握ったままのポーズで青吾だけが間抜けに取り残されてしまうとか、何かが起こるのではないかと思いながら。 『うん?』  いつもと、今は戻れなくなった「いつも」と変わらない

一穂ミチ「アフター・ユー」#003

 羽田空港の待ち合わせ場所で沙都子を見つけた瞬間、何より先に「一緒に歩きたくない」と思った。 「太陽の塔」という金色のモニュメントの下にいた彼女のいでたちは、白いつば広の帽子、大きなサングラスにふくらはぎと足首の中間くらいまでの丈の白いワンピース、華奢なストラップのサンダルも白。キャリーバッグを家来のように従え、クリーム色のカーディガンを肩に羽織った姿はどこぞの女優がバカンスにでも出かけるところかと思うほどさまになっていて、だからこそこっちはいたたまれない。エーゲ海とかに行く