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《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

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    《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

    24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

  • 矢月秀作「桜虎の道」(*小説)

    司法書士事務所で見習いとして働く桜田哲。“特殊な経歴”を持つ彼のもとに奇妙な依頼が舞い込む。それは不動産王・木下義人が作成した《秘密証書遺言》の預かり証を、身内ではなく桜田に預かって欲しいというものだった!

  • 白石直人「世界を見渡すためのブックガイド」

    新進気鋭の物理学者・白石直人さんが、いまの時代をどんな眼差しで見つめているのか。その琴線に触れた書籍を通して、現代社会の「力学」を読み解きます。

  • 岩井圭也「われは熊楠」(*小説)

    奇人・才人、南方熊楠を語る言葉はたくさんある。しかし果たして、彼が生涯を賭して追い求めたものとは一体何だったのか⁉ 新鋭・岩井圭也が渾身の力で挑む、博物学者・南方熊楠のすべて。

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #54〈20歳で作曲したカデンツァを――バイエルン放送交響楽団・後篇〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  今年は嬉しいことに、ドイツの様々な地域での公演を控えている。ドイツと一言で言ってもいずれの都市も表情が異なり、それぞれに個性を持っていて面白い。  ここミュンヘンは空気が澄んでいてなんとも気持ちが良い。バイエルン州出身のマネージャー曰く、街を抜けたところにある牧場の香りが、時折風に乗って都心まで伝わってくるそうだ。私が住むベルリンと比較しても、多くの歴史的建造物がそのままの

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「泣かせるのが上手」「何度も読み返したくなる」書店員さんの声を紹介します!

発売二週間経たぬうちに三刷りが決まった『#ナースの卯月に視えるもの』。全国の書店員さんから感動の声が届いています! ▼読者の皆様からの感想も続々と!

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #53〈ビシュコフが伝えた極意――バイエルン放送交響楽団〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  その劇薬を初めて手にしたのは5年前のことだった。持っているだけでカッコよく見える――そんな安直な理由がきっかけだった。小箱は愛煙家たちが集う大人の世界へのパスポートでもあり、亡き恩師・野島稔先生とお近づきになるための道しるべにもなってくれた。  野島先生のことを思い出せばいつも、煙を燻らせている姿が脳裏に浮かぶ。私は最初はピース、次は先生が愛用していたマルボロ・ゴールド、その

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矢月秀作「桜虎の道」#007(最終回)

第6章1  春人は中目黒に来ていた。車で十分ほど南に行った場所でタクシーを停める。降りて、格子門の前に立つ。  玄関を見つめ、何度か逡巡したものの、インターホンを押した。  ——はい。  女性の声が聞こえてくる。 「春人です」  名を告げた。  春人が訪れたのは、義人のところではなく、池田の家だった。  孝蔵に言われ、一度は叔父の言うとおり、義人に電話をしようと思った。だが、どうしても父には連絡ができなかった。  プライドもある。畏怖もある。様々な感情が胸の内に渦巻き、混乱

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ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #54〈20歳で作曲したカデンツァを――バイエルン放送交響楽団・後篇〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  今年は嬉しいことに、ドイツの様々な地域での公演を控えている。ドイツと一言で言ってもいずれの都市も表情が異なり、それぞれに個性を持っていて面白い。  ここミュンヘンは空気が澄んでいてなんとも気持ちが良い。バイエルン州出身のマネージャー曰く、街を抜けたところにある牧場の香りが、時折風に乗って都心まで伝わってくるそうだ。私が住むベルリンと比較しても、多くの歴史的建造物がそのままの

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #53〈ビシュコフが伝えた極意――バイエルン放送交響楽団〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  その劇薬を初めて手にしたのは5年前のことだった。持っているだけでカッコよく見える――そんな安直な理由がきっかけだった。小箱は愛煙家たちが集う大人の世界へのパスポートでもあり、亡き恩師・野島稔先生とお近づきになるための道しるべにもなってくれた。  野島先生のことを思い出せばいつも、煙を燻らせている姿が脳裏に浮かぶ。私は最初はピース、次は先生が愛用していたマルボロ・ゴールド、その

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ブックレビュー:権威主義とポピュリズム~後篇・各国情勢~|白石直人

アメリカ 2016年のアメリカ大統領選では、大方の予想を覆してトランプが当選した。暴言や差別的発言を繰り返すトランプがなぜ熱狂的に支持されたのか。トランプ支持者を考察した本は少なくないが、その中で金成隆一・著『ルポ トランプ王国──もう一つのアメリカを行く』(岩波新書)は、著者自身の見解は最小限にして、トランプ支持者の考えの記述に徹しており、立場を問わず有益なルポルタージュに仕上がっている[1]。  ラストベルト地帯を中心としたトランプ支持者から口々に上がるのは、雇用や社会

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #52〈奇跡的なピアニシモ――ゲヴァントハウス管〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  オーケストラと奏でる協奏曲は、まさに一期一会だ。〈作品の性格×オーケストラの個性×指揮者・ピアニストの音楽性〉がかけ合わさり、生まれる演奏は種々様々、千差万別といった具合である。また、世界には沢山の楽団があり、縁があっても再オファーは数年先の約束、短いスパンで同じオーケストラと二度共演できる機会はそう多くはない。そんな中、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とは幸運なことに

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矢月秀作「桜虎の道」(*小説)

司法書士事務所で見習いとして働く桜田哲。“特殊な経歴”を持つ彼のもとに奇妙な依頼が舞い込む。それは不動産王・木下義人が作成した《秘密証書遺言》の預かり証を、身内ではなく桜田に預かって欲しいというものだった!

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  • 7本

矢月秀作「桜虎の道」#007(最終回)

第6章1  春人は中目黒に来ていた。車で十分ほど南に行った場所でタクシーを停める。降りて、格子門の前に立つ。  玄関を見つめ、何度か逡巡したものの、インターホンを押した。  ——はい。  女性の声が聞こえてくる。 「春人です」  名を告げた。  春人が訪れたのは、義人のところではなく、池田の家だった。  孝蔵に言われ、一度は叔父の言うとおり、義人に電話をしようと思った。だが、どうしても父には連絡ができなかった。  プライドもある。畏怖もある。様々な感情が胸の内に渦巻き、混乱

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矢月秀作「桜虎の道」#006

第5章1  桜田は一睡もしないまま、事務所に出勤した。自席につき、息を吐くと、そのまま机に突っ伏しそうになる。  そこに、有坂が出勤してきた。 「おはようございます!」  大きな声が桜田の耳に響く。  有坂はカツカツと靴を鳴らし、桜田に近づいてきた。 「おやおや、桜田さん! 元気ありませんねえ。大丈夫ですか?」  有坂が言う。  桜田は顔を向けた。相変わらず、有坂は笑顔だ。心配しているんだか、からかっているんだか、わからない。 「ええ、まあ……」  桜田は太腿に手をついて、

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矢月秀作「桜虎の道」#005

第4章1  村瀬はその日も、目ぼしいスナックやバーを覗いては、レインボーギャングと平尾についての情報を集めていた。  しかし、思ったより情報は集まらない。  ギャングについて饒舌に語る年配者には出会うものの、レインボーギャングの話になると、誰もが途端に口が重くなる。  平尾の名前を出すと、それまで語っていた人たちが飲みを切り上げ、逃げるように村瀬の前から立ち去ることもしばしばだった。  一方、村瀬がレインボーギャングのことを聞いて回るにつれ、周りに怪しい連中がちらほらと姿を

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矢月秀作「桜虎の道」#004

第3章1  池田孝蔵は西新宿の高層ビルを訪れていた。五十階のワンフロアを貸し切っているのは、警備会社〈アイアンクラッド〉だ。  社内に通された孝蔵は、奥の社長室に案内された。  一面ガラスの窓からは、新宿のビル群と街が一望できる。左手には執務机があり、中央の広いスペースにゆったりとした応接セットが置かれていた。  孝蔵は腰が沈むほどのソファーに深く座り、もたれ、脚を組んだ。  対面には、目鼻立ちのはっきりした細身で長身の男がいた。少しパーマをあてた髪をラフな感じで横に流し、

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白石直人「世界を見渡すためのブックガイド」

新進気鋭の物理学者・白石直人さんが、いまの時代をどんな眼差しで見つめているのか。その琴線に触れた書籍を通して、現代社会の「力学」を読み解きます。

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ブックレビュー:権威主義とポピュリズム ~前篇・理論的考察~|白石直人

 現在の世界では、各地で権威主義化やポピュリズムの波が起きており、民主主義は脆弱な状況にある。今年は世界各国で選挙が行われる選挙イヤーでもある[1]。そこでこの記事では、ポピュリズムや権威主義について、より深く理解するための本を紹介していきたい。 権威主義 権威主義体制を知る最初の一冊には、エリカ・フランツ・著『権威主義──独裁政治の歴史と変貌』(上谷直克、今井宏平、中井遼訳、白水社)が格好の入門書である。「なぜ一部の豊かな国は権威主義なのか?」「権威主義的なリーダーは権力

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ブックレビュー:科学とは何なのか~科学哲学の世界|白石直人

 科学哲学は、哲学の中でも特に「科学とは何か」といった問題や、生物学などの個々の科学にまつわる哲学的問題を取り扱う分野である。哲学の中でもやや特別な分野なので、今回の記事では科学哲学に絞って、本を見ていきたいと思う。 科学とは何か 科学哲学の最初の一冊としては、A.F.チャルマーズ・著『改訂新版 科学論の展開——科学と呼ばれているのは何なのか?』(高田紀代志、佐野正博訳、恒星社厚生閣)は広範なトピックスをバランスよく取り扱う入門書であり、お薦めしたい本である。初版はやや古い

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ブックレビュー:源氏物語と平安貴族の時代〈後篇〉|白石直人

▼前篇から読む 平安中期:摂関政治 藤原道長をその頂点とする摂関政治の時代を一望するならば、土田直鎮・著『日本の歴史5 王朝の貴族』(中公文庫)は、古いが非常に定評のある通史である。貴族同士の権力争い、特に藤原家内部での激しい攻防を経て、藤原道長がその栄華を極める過程が描き出されている。本書はしかしそれに加え、平安貴族の風習や文化などについても丁寧に説明を加えており、それによって平安時代の歴史をより深く理解することができる。  摂関政治では、自分の娘を天皇に嫁がせ、その息

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ブックレビュー:源氏物語と平安貴族の時代〈前篇〉|白石直人

 2024年1月からのNHK大河ドラマ「光る君へ」は、紫式部と藤原道長を描き出す。彼ら・彼女らが生きた平安時代は一体どのような時代だったのだろうか。この記事では、摂関政治全盛期の前後の時代まで含め、平安時代がどのような時代だったのかを教えてくれる本を紹介していきたい。なお、平安時代の歴史を読む際には天皇家や摂関家の複雑な姻戚関係が重要となるので、天皇家の系図や摂関家の系図を適宜参照していただきたい。 平安時代通史~権力闘争の視点から 平安時代全体を一望する本としては、保立道

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岩井圭也「われは熊楠」(*小説)

奇人・才人、南方熊楠を語る言葉はたくさんある。しかし果たして、彼が生涯を賭して追い求めたものとは一体何だったのか⁉ 新鋭・岩井圭也が渾身の力で挑む、博物学者・南方熊楠のすべて。

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岩井圭也が「どうしても南方熊楠を書きたかった!」その理由――和歌山で撮影した40枚超の写真とともにお届け

 小説家にとっては、すべての作品が勝負作である。苦心して執筆した作品は作者の分身同然であり、我が子のような存在だ。大切でない作品など一つとして存在しない。それを承知のうえでなお、私は断言する。  2024年5月15日に刊行した長編小説『われは熊楠』は、私にとって特別な作品である。  小説は、ときに書き手の意志を超えて展開することがある。『われは熊楠』を書いている間、何度もそれを思い知った。  本作は、一八六七(慶応三)年生まれの南方熊楠という研究者を主人公に据えた小説だ。主

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岩井圭也「われは熊楠」:第一章〈緑樹〉――紀州での目覚め

第一章 緑樹 和歌浦には爽やかな風が吹いていた。  梅雨の名残を一掃するような快晴であった。片男波の砂浜には漁網が広げられ、その横で壮年の漁師が煙管を使っている。和歌川河口に浮かぶ妹背山には夕刻の日差しが降りそそぎ、多宝塔を眩く照らしていた。  妹背山から二町ほどの距離に、不老橋という橋が架かっている。紀州徳川家が御旅所へ向かうための御成道として、三十数年前に建造されたものであった。弓なりに反った石橋で、勾欄には湯浅の名工の手によって見事な雲が彫られている。  その雲に、南方

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岩井圭也、南方熊楠に挑む! 博覧強記の才人が、生涯を賭して追い求めたものとは――〈はじまりのことば〉

「南方熊楠」の名を初めて聞いたのは、小学生の時だった。  私の両親は和歌山市の出身で、夏や冬の長期休暇にはよく和歌山へ足を運んだ。大阪に住んでいた私は、妹と一緒に母が運転する車の後部座席に座り、ラジオを聴きながら和歌山へ到着するまでの時間を過ごした。  母方のお墓参りに行った帰り道、なにげなく民家の表札を見ていると、妙に「南方」の札が多いことに気が付いた。 「なんでこんな多いん」  母に尋ねても、明確な答えは返ってこなかった。代わりに、南方姓の有名人について教えてくれた。 「

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