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《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

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    《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

  • 今村翔吾「海を破る者」

    日本を揺るがした文明の衝突がかつてあった――その時人々は何を目撃したのか? 人間に絶望した二人の男たちの魂の彷徨を、新直木賞作家が壮大なスケールで描く歴史巨篇

  • 稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

    南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載

  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

    24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

  • 令和元年の人生ゲーム

    第一志望だった慶應に合格し、晴れて上京。 新生活への希望に胸を膨らませる僕を迎えたのは、 「元」高校生社長と、暗い目をした不気味な男だった――

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寺地はるな・新連載スタート!「リボンちゃん」#001

第1話 商店街のスピーカーから流れてくる調子っぱずれなクリスマスソングにかぶせるように「焼き立てパンはいかがですか」という若い女の店員の甲高い声がひびきわたった。青果店の店主もパン屋に負けじと大声で「しいたけつめ放題だよ!」と客を呼びこむ。  あちらこちらにクリスマスツリーが乱立しており、アーケードの天井からは季節はずれの桜の造花がたれさがっている。色とりどりの看板やのぼり、壁にはポスター。かわいい女の子がにっこり微笑んでいるそのポスターには覚せい剤は絶対にダメである旨が書か

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寺地はるな〈はじまりのことば〉

 じつを言うと、2016年ごろからずっと小説のアイデアが尽きている。2016年というと、はじめての単行本が出た翌年だ。いくらなんでも尽きるのがはやすぎる。  書きたいことなんかもうなんにもないよ! と思いながらもどうにか絞り出してきたのだが、去年あたりからめっきり体力が落ち、集中力も十五秒ぐらいしか続かなくなり……といったあんばいで、いよいよもうむりなんじゃないかと思いはじめた。  別冊文藝春秋の連載前の打ち合わせで「女性用下着の話を書きませんか(大意)」と言われた時も、反射

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夕木春央「有栖川有栖嫌いの謎」――有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします

一 東京からは一日がかりだった。朝九時に品川駅で担当編集の水戸部氏と待ち合わせて、新幹線で岡山に向かうと、そこからは在来線とバスを乗り継ぐ。バスの本数が少ないから、停留所で二時間余りの暇つぶしが必要だった。  夕暮れ前にバスを降りると、川の向こうに宿泊予定の温泉ホテルが見えた。遠目にもコンクリートのひび割れが明らかな、いかにも古い五階建てだった。見渡す限り、他に背の高い建物はない。 「なんだ、これ地図見なくても余裕ですね。では、あそこまで歩きなので」 「ああ、はい」  水戸部

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白井智之「ブラックミラー」――有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします!

※『マジックミラー』(有栖川有栖・著)の真相に関わる記述があります。未読の方は必ず先にお読みください。 1 友人からメッセージが届くと気が重くなる。何か迷惑をかけただろうか。気を悪くするようなことを言っただろうか。僕は気を揉みながら十分くらいかけてメッセージを開く。するとたいてい、「最近どう?」とか「元気?」とかスカスカの麩菓子みたいな言葉が並んでいる。僕は胸を撫で下ろすが、返信を練るうち、今度はだんだん腹が立ってくる。なぜこんな駄菓子野郎に自分の近況や健康状態を開示しなけ

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今村翔吾「海を破る者」

日本を揺るがした文明の衝突がかつてあった――その時人々は何を目撃したのか? 人間に絶望した二人の男たちの魂の彷徨を、新直木賞作家が壮大なスケールで描く歴史巨篇

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  • 27本

堂々完結! 今村翔吾「海を破る者」#026(最終回)

荒波に呑み込まれんとする蒙古兵たちを前に、六郎が下した決断とは――。感動の叙事詩、堂々の完結! 「追い首は手柄にならぬ。ましてや抜け駆けならば猶更。ならばいっそのこと救い上げ、それでも向かって来た時に討ったほうがよい」  敗走する敵を討つのは誉とされず、手柄にならぬこともほとんど。それが抜け駆けならば、罰せられることさえあるのは確かだ。  しかし、短い付き合いであるが解る。手柄に拘る自らの流儀は崩さない。そのように見せ掛けてはいるが、それが決して本心ではないことを。季長は沈

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今村翔吾「海を破る者」#025

六郎たち日ノ本軍は、圧倒的な兵力を誇る蒙古軍と睨み合いに。 ――その時、船をも呑み込む暴風雨が吹き荒れた。  日ノ本軍の奇襲は成功に終わった。どの船からも火矢を徹底的に浴びせ、多くの蒙古船を焼き払った。正確な数こそ不明であるが、その数は三十を優に超すであろう。半焼のものも含めれば百にも迫るほどである。  日ノ本軍は当初から敵船団の前で舵を切り、一撃を与えるのが目的であった。当然だが船というものは舳先より、側面を敵に向けたほうが、より多くが一斉に攻撃することが出来る。そうして

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今村翔吾「海を破る者」#024

見渡す限りの蒙古軍が海を埋め尽くしている。 これが最後の戦――六郎たちは決死の覚悟を新たにした。  江南軍の船が迫って来た。季長は素早く矢を番えて弓を引き絞る。 「大将を射抜いてやるわ」  季長の弓は並のものより弦を強く張っており、射程が長い。矢は見事に頭に命中したものの、兜に弾かれて宙を舞い、海へと落ちていった。季長は大袈裟な舌打ちを見舞い、 「固い兜じゃ」  と、はき捨てた。  蒙古軍の兜は、日ノ本のものとは大きく異なる。人が被る兜は重さに限界があるため、鉄の厚さはさほ

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今村翔吾「海を破る者」#023

「我が軍が抜かれれば、日ノ本は終わりだ」 夥しい数の江南軍の来襲に、六郎は最前線で戦うと意を決した。  江南軍が来た。繁と令那が旅立ってから四日後のことである。じわり、じわりと海を黒く染め上げつつ近付いて来る。島と海の見分けが付かぬほど、夥しい軍船の数であった。一艘、一艘が発する音はさほど大きくないだろうに、これほどの数となればやはり違う。海鳴りを彷彿とさせる不気味な音が陸にまで届いていた。その数、博多に来襲した蒙古軍の倍以上はあるかと思われた。軍兵は十万を下らぬだろう。

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稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載

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  • 25本

イナダシュンスケ|哀愁のサニーレタス

第23回 哀愁のサニーレタス  サニーレタスはよく、何かの下に敷かれて登場します。コロッケ、から揚げ、春巻きなどの揚げ物が多いですが、お弁当だとハンバーグの下に敷かれたりもします。  サニーレタスのもしゃもしゃとした立体的な形状や赤褐色から緑のグラデーションは、確かに茶一色の料理をもググッと引き立ててくれます。そして主役に覆い隠されて見えない部分は、実は配膳の際に、料理の滑り止めとしても機能しています。まさに名脇役。特に居酒屋のテーブルでは、見目も麗しく、実に頼もしいバイ

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イナダシュンスケ|羊肉期の終り

第22回 羊肉期の終り 「羊肉はお好きですか?」  この質問にイエスと答える人の中には、まず、多くの北海道民が含まれているのではないかと思います。北海道は日本で最も日常的に羊肉が食べられている地域。人々は子供の頃から当たり前のようにジンギスカンで羊肉に触れ、自然とそれに慣れ親しみ、そして一生それを愛し続けます。言うなれば、幼馴染と自然に恋に落ち、そのまま一生を仲睦まじく添い遂げるようなもの。しかし道民以外の多くの人々にとって、羊肉との出会いとはそういうものではありません。

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イナダシュンスケ|とんこつ遺伝子

第21回 とんこつ遺伝子 僕が高校生時代までを過ごした鹿児島は、昔から知る人ぞ知るラーメン王国です。ただし鹿児島ラーメンには、博多ラーメンのようなある程度統一的なスタイルはありません。言うなれば各店がてんでバラバラに、勝手に独特なラーメンを作っている、という感じでしょうか。  もっとも、てんでバラバラではありつつ、そこにはどこかうっすらとした共通点も感じます。おそらくですが、それは主に豚骨や豚肉によってもたらされるフレーバーだと思います。ただ僕の料理人としての経験も踏まえて

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イナダシュンスケ|牛丼官兵衛

第20回 牛丼官兵衛 僕が初めて𠮷野家の牛丼に出会ったのは、大学生になり一人暮らしを始めてからでした。そしてその後の全生涯を通じて、大学生時代が最も頻繁に𠮷野家のお世話になった時期でもあります。お金は無いけどいつもやたらと腹が減っている、そんな貧乏学生にとって、牛丼はまさに福音。  その当時の僕の牛丼の食べ方は、今思えばずいぶん若々しいものでした。下品だったと言ってもいいかもしれません。往々にして、若々しさは未熟をも意味します。  目の前に牛丼が置かれると、僕はまず肉を奥

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ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

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  • 49本

ピアニスト・藤田真央エッセイ #49〈演奏中に喧嘩が始まり――中国ツアー・後篇〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  9月27日、3公演目は上海で行われた。この日は、ツアー中で唯一YAMAHAのピアノを使用した。以前、日本でお世話になっていたヤマハの調律師さんが上海に赴任していたのだ。彼女は素晴らしい才能とほとばしる情熱を持つ方で、上海公演では是非ヤマハのピアノを使ってくれないかと熱心に打診してくれた。  嬉しいことに、このように日本人調律師の方に海外で出会う機会が度々ある。特にヤマハの元

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #48〈いちばん楽しんでほしかったひとは――初の中国ツアー〉

限定発売の締切間近です! 『指先から旅をする〈愛蔵版〉』 完全受注生産のスペシャルエディション版です。 函入りのリッチな装丁&豪華3大特典付きでお届けします。 さらに、ご購入いただいた方から抽選で、 藤田さんのトークショー&サイン会にご招待いたします♬ 〈豪華特典〉 ①スペシャルDVD「ヴェルビエ音楽祭の休日」80分 ②世界中で撮影された写真100点を収めた写真集 ③モーツァルト・ソナタ全曲ツィクリスについての2万字エッセイ ▼通常版はこちら  指先から旅をする、とい

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #47〈異次元の演奏――ルツェルン音楽祭〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  翌9月2日。ゆっくり起床し、朝10時過ぎに会場入りするとすぐさまステージへ向かう。ここで私を待ち受けていたのは、有難いサプライズだった。なんと、KKLのスタッフが去年の公演時に使用したピアノの機種を覚えてくれていたのだ。私はきらきらと音の飛びやすい新しいピアノより、味のある古いピアノを好む。彼らは前回私がセレクトしたものと同じピアノを既に会場にセッティングし、笑顔で迎えてくれ

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #46〈憧れの大舞台が‶ホーム”に――ルツェルン音楽祭〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  まだヨーロッパでのキャリアの浅い私は、生まれて初めて訪れる土地で公演を行うことが多い。常に異邦人として旅する心細い日々の中、稀に「ただいま」と見知った場所を訪れると、オアシスの恵みを見つけたように感じる。  2023年9月2日、100年近い歴史を誇る、伝統あるルツェルン音楽祭で2度目の公演を行うこととなった。昨年は協奏曲のコンサートだったが、今年はリサイタルでの登場となる。

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令和元年の人生ゲーム

第一志望だった慶應に合格し、晴れて上京。 新生活への希望に胸を膨らませる僕を迎えたのは、 「元」高校生社長と、暗い目をした不気味な男だった――

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  • 3本

3/29(金) 佐藤ミケーラ倭子×麻布競馬場YouTubeライブ開催!

Z世代から大人気のマルチタレント・佐藤ミケーラ倭子さんと、「タワマン文学」が話題の麻布競馬場さんの初対談が実現しました! 佐藤ミケーラ倭子×麻布競馬場 YouTubeライブ配信 【再現】令和の東京で戦ってる男と女 2024年3月29日(金)19:30~ ▼YouTubeライブでどなたでも無料でご覧いただけます! 東京に疲弊しながらも、東京にしがみつく人々をシニカルに描いた小説が「タワマン文学」として支持を集めた麻布競馬場さん。 現代人のあるあるを一人で演じ切る【再

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【3/30(土)】麻布競馬場×メン獄トークショー「令和の会社員人生を駆け抜けろ!」@青山ブックセンター

 麻布競馬場さん×メン獄さんのトークショー&サイン会「令和の会社員人生を駆け抜けろ!」が、3月30日(土)に東京・青山ブックセンター本店で開催されます! ▼詳細・お申し込み(青山ブックセンター本店のHPに飛びます)  2021年10月にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に〈タワマン文学〉旋風を巻き起こした麻布競馬場さん。  1991年生まれの32歳、現在兼業作家として活動する麻布さんは、会社員生活の中で「ついこの間まで自分は“若手”だったはずなのに、下の世代と

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【期間限定・無料公開中】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』第2話

〈タワマン文学〉の旗手・麻布競馬場待望の第2作『令和元年の人生ゲーム』が2月21日についに刊行されました! 発売直後から「他人ごととは思えない!」とすでに悲鳴のような反響が続々と…… この興奮をぜひ皆さんと共有できればと、全4話の短篇のうちもっとも「ザワつき度」の高い第2話〈大手町のキラキラメガベンチャー・新入社員篇〉を期間限定で全文無料公開いたします! 『令和元年の人生ゲーム』 第2話 平成31年  2019年4月、私は早稲田大学政治経済学部を卒業して、大手町にある人

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