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  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

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  • 稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

    南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載

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ピアニスト・藤田真央エッセイ#25〈完璧な響きの中で――ベルリン・フィルハーモニー・デビュー〉

 ミラノの後はベルリンに帰り、4月1日のコンサートに向けて、ラフマニノフの《ピアノ協奏曲 第3番》の練習に集中した。《第3番》は演奏する機会が非常に多いが、何度弾こうとも緊張する。毎回楽譜を丁寧に読みこまないと、ラフマニノフが細かく記したフレージングや強弱を忘れて、自分の好きなように気持ちよく弾きがちなので、自分自身を戒めながら練習に取り組んだ。  リハーサルは公演前日の午前中で、GP(ゲネプロ:最終リハーサル)も同じ日の午後だという。本番の舞台上で初めてオーケストラの団員

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ピアニスト・藤田真央エッセイ#24〈満員のコンセルトヘボウから、一転――ミラノのペペロンチーノが教えてくれたこと〉

 3月上旬のアムステルダム・コンセルトヘボウでの演奏会後はコロナに感染してしまい、自宅療養を余儀なくされた。2週間静養できたおかげですっかり快復し、さて次のコンサートはというと、今度はモーツァルトのピアノソナタ・リサイタル、場所は再びアムステルダム・コンセルトヘボウだった。  アムステルダムは昼と夜で完全に印象が変わる興味深い街だ。日中はカラフルな建物が目に鮮やかで可愛らしいが、夜はピンクや紫色のぎらぎらしたネオンが輝く。  前回の公演で訪れた際にも、ソワレ後の帰り道で激昂

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苛烈な人生に翻弄される一人の男… 矢月秀作、新連載スタート!「桜虎の道」#001

背中を丸め、とぼとぼ歩く冴えない男――桜田哲。 司法書士事務所で見習いとして働くこの男には、 誰にも言えないウラの顔があった。 プロローグ「今日もこの時間か……」  桜田は、街灯の明かりの下で腕時計に目を落とし、ため息をついた。  桜田哲が勤務する尾見司法書士事務所を出たのは、午前一時を回った頃だった。  任されていた不動産登記がなかなか仕上がらず、仕方なく残業していた。  ようやく一案件は書き終えたものの、まだ抱えている作成途中の書類は山積みだ。  まだまだ残業が続くのか

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大前粟生「チワワ・シンドローム」#002

マッチングアプリで出会った三枝新太との 次の一歩を踏み出すべく、花火大会デートを取り付けた琴美。 当日、会場で新太を待つ琴美が見たものは…… 7 八月一九日、新卒採用の内定者が三十名決定した。高校生の時に自分たちで作り上げたサッカー部を県大会優勝に導いたという男子学生や、地域の図書館に子どもだけでなく大人までターゲットにした毎月の読み聞かせイベントの企画を持ち込み、時には著名なゲストを呼んで三年間運営したという女子学生など、今年の内定者は目を引く人が多かった。その中には、観

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ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

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ピアニスト・藤田真央エッセイ#25〈完璧な響きの中で――ベルリン・フィルハーモニー・デビュー〉

 ミラノの後はベルリンに帰り、4月1日のコンサートに向けて、ラフマニノフの《ピアノ協奏曲 第3番》の練習に集中した。《第3番》は演奏する機会が非常に多いが、何度弾こうとも緊張する。毎回楽譜を丁寧に読みこまないと、ラフマニノフが細かく記したフレージングや強弱を忘れて、自分の好きなように気持ちよく弾きがちなので、自分自身を戒めながら練習に取り組んだ。  リハーサルは公演前日の午前中で、GP(ゲネプロ:最終リハーサル)も同じ日の午後だという。本番の舞台上で初めてオーケストラの団員

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ピアニスト・藤田真央エッセイ#24〈満員のコンセルトヘボウから、一転――ミラノのペペロンチーノが教えてくれたこと〉

 3月上旬のアムステルダム・コンセルトヘボウでの演奏会後はコロナに感染してしまい、自宅療養を余儀なくされた。2週間静養できたおかげですっかり快復し、さて次のコンサートはというと、今度はモーツァルトのピアノソナタ・リサイタル、場所は再びアムステルダム・コンセルトヘボウだった。  アムステルダムは昼と夜で完全に印象が変わる興味深い街だ。日中はカラフルな建物が目に鮮やかで可愛らしいが、夜はピンクや紫色のぎらぎらしたネオンが輝く。  前回の公演で訪れた際にも、ソワレ後の帰り道で激昂

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ピアニスト・藤田真央エッセイ#23〈憧れの赤絨毯――コンセルトヘボウ・デビュー〉

▼#22 バンクーバーからアムステルダムへ  そして迎えたコンセルトヘボウ・デビューの時。  20時15分、私の部屋がノックされ、エレベーターで1階(日本でいう2階)に向かい、あの階段へと続く扉の前に立った。  シャイーに「素晴らしい音楽作りをしよう」と声をかけられ、それを合図に2人のステージマネージャーが寸分違わぬタイミングで両扉をバッと開いた。  視界に飛び込んできたのは、赤い絨毯の階段と、ぎっしり詰まった満員のお客様、美しいコンセルトヘボウの会場、そして真ん中には

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ピアニスト・藤田真央エッセイ#22〈バンクーバーからアムステルダムへ――コンセルトヘボウ・デビューに向けて〉

▼藤田さん連載「指先から旅をする」はこちら  2023年3月5日、私はカナダ・デビュー・リサイタルのため、バンクーバーの地を訪れた。バンクーバーは空港から街中まで車で20分、美しいビーチや壮大な雪山へも30分ほどという、コンパクトで素敵な街だ。  一つ欠点を挙げるのであれば、日本のようにクラシック音楽の為に設計されたホールがないことだろう。かつて秋山和慶先生が音楽監督を務めておられた(現在は桂冠指揮者)オーケストラ「バンクーバー交響楽団」の本拠地❝The Orpheum❞の

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稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載

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イナダシュンスケ|蘊蓄の悲哀

第12回 蘊蓄の悲哀 あらゆる飲食店は「一目置かれたい」と考えています。なぜなら同じ料理でも、一目置かれた状態で食べ始めるか、ただ漫然と食べ始めるかで、評価は全く違ってくるから。漫然と食べられると、最悪の場合、上から目線で妙なことをネットに書かれたりもします。少なくともそれだけは全力で避けねばならない。  一目置かれたいんだったら味そのもので勝負しろよ、というのは正論です。正論ですがそれは、酷というものでもあります。  かつては世の中にあまりおいしくないものがたくさんありま

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イナダシュンスケ|「美食家」は死語になる

第11回 「美食家」は死語になる  先日、少し面白い言葉の使い方を耳にしました。とある女性から聞いた、ご夫婦の話です。  彼女はある時、ダンナ氏にこんなことを話しました。自分は食材ごとの好き嫌いは全くと言っていいほど無いけど、コンビニとかスーパーで売ってるお惣菜やお弁当の味はあまり好きではない。そしてその時々の気分で明確に食べたいものとそうでないものがある、と。  それを聞いたダンナ氏はこんなふうに返しました。  「君は偏食だね」  この会話はそれで終わるのですが、その後、彼

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イナダシュンスケ|味の素ラプソディ

第10回 味の素ラプソディ  「味の素」の話をしようとしています。よく見ると実に秀逸なネーミングですね。この調味料が目指すところをズバリ言い切って、なおかつ抜群に親しみやすい。字面も洒落てる。ただ、味の素は固有の商品名なので、この種の調味料全般を指すのには不適切とされています。それで一時期は「化学調味料」あるいは略して「化調」という呼び名も普及しましたが、これは語感的にマイナスイメージが強いということで、「うま味調味料」と言い換えることが推奨されるようになりました。なんだかま

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イナダシュンスケ|味噌煮のロマン

第9回 味噌煮のロマン  かつて日本の農村の標準的な食事はどのようなものであったか、という話を聞いたことがあります。  ご飯は雑穀米、しかも米より雑穀の割合が多いのが当たり前でした。おかずは野菜のみ。漁村でもなければ魚は滅多に食べられませんし、肉はそもそも食べる習慣自体がありませんでした。  その野菜は基本的に家の畑で採れたものです。何種類かの野菜を並行して育てていても、採れるときには1種類の野菜だけが大量に採れます。その野菜をまとめて味噌で煮込んだものが日々のおかず。それを

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2023年注目の華文ミステリ大集合! ビブリオバトル完全レポート

 ゲストに作家の三津田信三先生と大倉崇裕先生、北京在住の翻訳家・阿井幸作先生をお招きして2023年2月15日に開催されたオンラインイベント「新春!華文ミステリビブリオバトル」。  華文ミステリ(中国語圏出身・在住の作家によるミステリ小説)の翻訳に力を入れる文藝春秋・ハーパーBOOKS・行舟文化の三社合同イベントとして、各社担当編集者が23年刊行予定のイチオシ新刊をプレゼンバトル形式で紹介、先生方に「最も読みたくなった一冊」を選んでいただきました!  盛況に終わったイベントの模

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料理家・今井真実さんのエッセイ連載がスタート! 第1回「心置きなくスパイスラーメン」

 第1回 心置きなくスパイスラーメン  数ヶ月に一度のヘアカット。行きつけの下北沢の美容院へ行く時は、平日の朝10時に予約すると決めている。小学生の子供の帰宅に充分間に合う時間だし、白髪を染めて髪を切ると、ちょうどお昼時に終わるからだ。 「最近美味しいお店ありました?」と美容師のYさんに聞いて、最新の情報を手に入れる。髪を綺麗にしてもらい、ランチをひとりで食べて帰るのが私の楽しみだった。  私は中学生の頃から「ひとりランチ」の食べ歩きをこよなく愛していた。美味しいものを

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世界的写真展が京都で開催中!――KYOTOGRAPHIE 注目展示7選│透明ランナー

 京都を訪れた回数を数えたら33回でしたが、そのうち13回がKYOTOGRAPHIEでした。今年もKYOTOGRAPHIEの季節がやってきました。  KYOTOGRAPHIEは例年4月から5月にかけて京都で行われる国際的な写真展です。2013年に始まり、今年で第11回を迎えます。写真を主に取り扱う国際芸術祭は、日本ではもちろん最大規模ですし、世界を見渡しても有数のものです。コロナ禍で存続の危機を迎えたこともありますが、一時的に開催時期を秋にずらしたり、クラウドファンディング

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登録者数67万人のYouTuber・コウイチが繰り出した、読者の日常を搔き乱す『計画書』とは?

「この本には、仕掛けがある」——ものものしいコピーがおどる、漆黒の帯と表紙。まさに「ブラック」な笑いで人気を博しているユーチューバーのコウイチ氏が、初の小説を上梓した。舞台は平凡極まりない町だが、少しずつ日常が破れ、予想もつかない事件が顔をのぞかせる。 「ぬくぬくとした安全地帯に自分だけいられると思うなよ、と。登場人物はもちろん、読者も揺さぶる本にしたかったんです」  ネタバレ厳禁の話題作を生み出した、作者の”計画”をうかがった。 「生まれは北海道の田舎です。娯楽が本当にな

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透明ランナーのアート&シネマレビュー

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  • 48本

「現代アーティストとしての坂本龍一」を振り返る――現代アートへの接近、そして越境|透明ランナー

 "教授"と呼ばれたアーティストが亡くなりました。  坂本龍一(さかもと りゅういち、1952-2023)は2000年代以降、音楽家や社会運動家としての活動の一方で、大型のサウンド・インスタレーションを次々と手掛け、美術展や国際芸術祭へ精力的に参加し、現代アート界に接近していきました。  2012年に東京都現代美術館で音楽と現代アートに関する展覧会をプロデュースし、2014年には札幌国際芸術祭の初代ゲストディレクター(総合芸術監督)を務めました。2021年、北京の美術館で

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下瀬美術館&広島市現代美術館――広島の新たな顔となるふたつのミュージアム|透明ランナー

 まずは写真を見てください!  2023年3月、広島にふたつの美術館がオープン/リニューアルオープンしました。  ひとつは2023年3月1日(水)に開館した下瀬美術館。広島市の建築資材メーカー・丸井産業の経営者のコレクションを展示する私立美術館です。美術館の設計を手掛けたのは、建築家の坂 茂(ばん しげる、1957-)。ひときわ目を引く色鮮やかな8つのキューブが水盤の上に並んでいます。  もうひとつは広島市現代美術館です。改修のため2020年12月から長期休館に入り、2

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「VOCA展2023」――“平面”を拡張していく40歳以下のアーティストの展覧会|透明ランナー

 さあVOCA展ですよVOCA展! 3月といえば桜とVOCA展です!  VOCA展は「平面美術」の領域で国際的に通用する若い作家を支援する目的で1994年に始まり、2023年で30周年を迎える歴史ある展覧会です。全国の学芸員や研究者などの推薦委員約30~40人が、「40歳以下」の若手作家をそれぞれ推薦するという形で開催されます。こういう展覧会はなかなか珍しいです。  選出条件はふたつだけ、「平面」であること、「40歳以下」であること。「平面」の範疇であれば絵画でなくてもか

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「合田佐和子」展――美術の“正史”に挑んだ稀代の表現者の「眼」|透明ランナー

 こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。  私はずっとこの展覧会を楽しみにしていました。今回紹介するのは「合田佐和子展 帰る途(みち)もつもりもない」(三鷹市美術ギャラリー)。合田佐和子(ごうだ さわこ、1940-2016)の没後初にして過去最大規模となる個展です。  本展は合田の初期から晩年までの作品が網羅的に紹介される、非常に充実した展覧会です。彼女は1965年の個展デビュー後、初期はシュルレアリスティックな立体オブジェを制作していました。  197

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