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《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作…

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《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

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  • WEB別冊文藝春秋

    《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

    24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

  • 岩井圭也「われは熊楠」(*小説)

    奇人・才人、南方熊楠を語る言葉はたくさんある。しかし果たして、彼が生涯を賭して追い求めたものとは一体何だったのか⁉ 新鋭・岩井圭也が渾身の力で挑む、博物学者・南方熊楠のすべて。

  • 令和元年の人生ゲーム

    第一志望だった慶應に合格し、晴れて上京。 新生活への希望に胸を膨らませる僕を迎えたのは、 「元」高校生社長と、暗い目をした不気味な男だった――

  • 宮島未奈「婚活マエストロ」(*小説)

    マンションの大家に誘われて、婚活パーティに参加することになった猪名川健人。そこに現れたのは、妙に律儀な社長と、司会として生真面目にマイクを握る “婚活マエストロ” 鏡原奈緒子だった。

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記事一覧

ピアニスト・藤田真央エッセイ #51〈ストイックなリハーサルの先に――ハーゲン・カルテット〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  チェコフィルとの全4つのコンサートを盛況に終えたのも束の間、次…

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岩井圭也「われは熊楠」:第六章〈紫花〉——終幕、そして

第六章 紫花 中屋敷町の邸宅の上には、今にも降り出しそうな分厚い雲がかかっていた。  湿気た空気が漂う庭には、楠や安藤蜜柑の木が植えられ、地面には一面枯葉が敷き…

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #50〈ビシュコフとの最強タッグ――チェコ・フィル日韓ツアー〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。 「夢は口に出せば叶う」  ありがちなフレーズではあるが、私もこの…

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【新入生応援! 無料公開中】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』~意識の高い慶應ビジコンサークル篇~

〈タワマン文学〉の旗手・麻布競馬場待望の第2作『令和元年の人生ゲーム』。発売直後から「他人ごととは思えない!」と悲鳴のような反響が続々と…… 4月、やる気に満ち…

祝・本屋大賞! 宮島未奈最新作「婚活マエストロ」第三話

▼第一話&第二話を期間限定で無料公開中です 第三話 鏡原さんからのLINE通話で叩き起こされた俺は、とりあえず顔を洗ってひげを剃った。用件は何も言われていないが…

寺地はるな・新連載スタート!「リボンちゃん」#001

第1話 商店街のスピーカーから流れてくる調子っぱずれなクリスマスソングにかぶせるように「焼き立てパンはいかがですか」という若い女の店員の甲高い声がひびきわたった…

寺地はるな〈はじまりのことば〉

 じつを言うと、2016年ごろからずっと小説のアイデアが尽きている。2016年というと、はじめての単行本が出た翌年だ。いくらなんでも尽きるのがはやすぎる。  書…

夕木春央「有栖川有栖嫌いの謎」――有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします

一 東京からは一日がかりだった。朝九時に品川駅で担当編集の水戸部氏と待ち合わせて、新幹線で岡山に向かうと、そこからは在来線とバスを乗り継ぐ。バスの本数が少ないか…

300

白井智之「ブラックミラー」――有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします!

※『マジックミラー』(有栖川有栖・著)の真相に関わる記述があります。未読の方は必ず先にお読みください。 1 友人からメッセージが届くと気が重くなる。何か迷惑をか…

300

堂々完結! 今村翔吾「海を破る者」#026(最終回)

荒波に呑み込まれんとする蒙古兵たちを前に、六郎が下した決断とは――。感動の叙事詩、堂々の完結! 「追い首は手柄にならぬ。ましてや抜け駆けならば猶更。ならばいっそ…

自意識を素直に認めよう――日テレディレクター・安島隆の愛読書

 何の気なしにグッズのスタジャンを羽織って外出するほどには、余韻がぷんぷん残っている。約2ヶ月前の2024年2月18日に開催された「オードリーのオールナイトニッポ…

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イナダシュンスケ|哀愁のサニーレタス

第23回 哀愁のサニーレタス  サニーレタスはよく、何かの下に敷かれて登場します。コロッケ、から揚げ、春巻きなどの揚げ物が多いですが、お弁当だとハンバーグの下に敷…

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #49〈演奏中に喧嘩が始まり――中国ツアー・後篇〉

『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  9月27日、3公演目は上海で行われた。この日は、ツアー中で唯一Y…

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #48〈いちばん楽しんでほしかったひとは――初の中国ツアー〉

限定発売の締切間近です! 『指先から旅をする〈愛蔵版〉』 完全受注生産のスペシャルエディション版です。 函入りのリッチな装丁&豪華3大特典付きでお届けします。 さ…

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今井真実 第8回 瞑想は煮込み料理で――とろとろポトフのおいしい秘密

 鍋のふたを開けると、濁りのない澄んだスープが出来ていた。かれこれ2時間ほど、ことことと煮込まれている。とろとろの牛スネ肉に菜箸を刺すと、なんのとっかかりもなく…

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3/29(金) 佐藤ミケーラ倭子×麻布競馬場YouTubeライブ開催!

Z世代から大人気のマルチタレント・佐藤ミケーラ倭子さんと、「タワマン文学」が話題の麻布競馬場さんの初対談が実現しました! 佐藤ミケーラ倭子×麻布競馬場 YouTube…

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #51〈ストイックなリハーサルの先に――ハーゲン・カルテット〉

ピアニスト・藤田真央エッセイ #51〈ストイックなリハーサルの先に――ハーゲン・カルテット〉

『指先から旅をする』が書籍化しました!
世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。

 チェコフィルとの全4つのコンサートを盛況に終えたのも束の間、次の日からまた新しいリハーサルが始まった。伝説の弦楽四重奏団、ハーゲン・カルテットとのリハーサルだ。この弦楽四重奏団は1981年に結成された。結成当初のメンバーは全員が兄弟(ルーカス・ハーゲン、アンゲリカ・ハーゲン、ヴェロニカ・ハーゲン、

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岩井圭也「われは熊楠」:第六章〈紫花〉——終幕、そして

岩井圭也「われは熊楠」:第六章〈紫花〉——終幕、そして

第六章 紫花 中屋敷町の邸宅の上には、今にも降り出しそうな分厚い雲がかかっていた。
 湿気た空気が漂う庭には、楠や安藤蜜柑の木が植えられ、地面には一面枯葉が敷き詰められている。栴檀が藤色の花を咲かせていた。一九四一(昭和十六)年六月のことだった。
 戸を開け放した八畳の離れに、男女の人影があった。女のほうは、横たえたテングタケを肉眼で観察しながら、紙の上に絵筆を走らせている。その傍らで、老いた男は

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #50〈ビシュコフとの最強タッグ――チェコ・フィル日韓ツアー〉

ピアニスト・藤田真央エッセイ #50〈ビシュコフとの最強タッグ――チェコ・フィル日韓ツアー〉

『指先から旅をする』が書籍化しました!
世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。

「夢は口に出せば叶う」
 ありがちなフレーズではあるが、私もこの言葉には大いに頷きたい。もっとも「横浜DeNAベイスターズの監督になりたい」や「チャーハン専門店を出したい」といったような無理難題、欲深な願いは叶うはずないが、ここ数年、「あの指揮者・あのオーケストラといつか共演したい」という憧憬は徐々

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【新入生応援! 無料公開中】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』~意識の高い慶應ビジコンサークル篇~

【新入生応援! 無料公開中】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』~意識の高い慶應ビジコンサークル篇~

〈タワマン文学〉の旗手・麻布競馬場待望の第2作『令和元年の人生ゲーム』。発売直後から「他人ごととは思えない!」と悲鳴のような反響が続々と……

4月、やる気に満ちた新入生の皆さまの応援企画として、第1話〈意識の高い慶應ビジコンサークル篇〉を期間限定で全文無料公開いたします!
これを読めば5月病も怖くない……はずです。

『令和元年の人生ゲーム』
第1話 平成31年

 2016年の春。徳島の公立高

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祝・本屋大賞! 宮島未奈最新作「婚活マエストロ」第三話

祝・本屋大賞! 宮島未奈最新作「婚活マエストロ」第三話

▼第一話&第二話を期間限定で無料公開中です

第三話 鏡原さんからのLINE通話で叩き起こされた俺は、とりあえず顔を洗ってひげを剃った。用件は何も言われていないが、婚活イベント関連だろう。二週間前にシニア婚活パーティーに行ったときは、取材のつもりだったのにスタッフをやることになってしまった。いずれにせよ、四十男がパーカーにジーパンは好ましくない。
 クローゼットを開いてみれば、十年ものの衣装ばかり

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寺地はるな・新連載スタート!「リボンちゃん」#001

寺地はるな・新連載スタート!「リボンちゃん」#001

第1話 商店街のスピーカーから流れてくる調子っぱずれなクリスマスソングにかぶせるように「焼き立てパンはいかがですか」という若い女の店員の甲高い声がひびきわたった。青果店の店主もパン屋に負けじと大声で「しいたけつめ放題だよ!」と客を呼びこむ。
 あちらこちらにクリスマスツリーが乱立しており、アーケードの天井からは季節はずれの桜の造花がたれさがっている。色とりどりの看板やのぼり、壁にはポスター。かわい

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寺地はるな〈はじまりのことば〉

寺地はるな〈はじまりのことば〉

 じつを言うと、2016年ごろからずっと小説のアイデアが尽きている。2016年というと、はじめての単行本が出た翌年だ。いくらなんでも尽きるのがはやすぎる。
 書きたいことなんかもうなんにもないよ! と思いながらもどうにか絞り出してきたのだが、去年あたりからめっきり体力が落ち、集中力も十五秒ぐらいしか続かなくなり……といったあんばいで、いよいよもうむりなんじゃないかと思いはじめた。
 別冊文藝春秋の

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夕木春央「有栖川有栖嫌いの謎」――有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします

夕木春央「有栖川有栖嫌いの謎」――有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします

一 東京からは一日がかりだった。朝九時に品川駅で担当編集の水戸部氏と待ち合わせて、新幹線で岡山に向かうと、そこからは在来線とバスを乗り継ぐ。バスの本数が少ないから、停留所で二時間余りの暇つぶしが必要だった。
 夕暮れ前にバスを降りると、川の向こうに宿泊予定の温泉ホテルが見えた。遠目にもコンクリートのひび割れが明らかな、いかにも古い五階建てだった。見渡す限り、他に背の高い建物はない。
「なんだ、これ

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白井智之「ブラックミラー」――有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします!

白井智之「ブラックミラー」――有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします!

※『マジックミラー』(有栖川有栖・著)の真相に関わる記述があります。未読の方は必ず先にお読みください。

1 友人からメッセージが届くと気が重くなる。何か迷惑をかけただろうか。気を悪くするようなことを言っただろうか。僕は気を揉みながら十分くらいかけてメッセージを開く。するとたいてい、「最近どう?」とか「元気?」とかスカスカの麩菓子みたいな言葉が並んでいる。僕は胸を撫で下ろすが、返信を練るうち、今度

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堂々完結! 今村翔吾「海を破る者」#026(最終回)

堂々完結! 今村翔吾「海を破る者」#026(最終回)

荒波に呑み込まれんとする蒙古兵たちを前に、六郎が下した決断とは――。感動の叙事詩、堂々の完結!

「追い首は手柄にならぬ。ましてや抜け駆けならば猶更。ならばいっそのこと救い上げ、それでも向かって来た時に討ったほうがよい」
 敗走する敵を討つのは誉とされず、手柄にならぬこともほとんど。それが抜け駆けならば、罰せられることさえあるのは確かだ。
 しかし、短い付き合いであるが解る。手柄に拘る自らの流儀は

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自意識を素直に認めよう――日テレディレクター・安島隆の愛読書

自意識を素直に認めよう――日テレディレクター・安島隆の愛読書

 何の気なしにグッズのスタジャンを羽織って外出するほどには、余韻がぷんぷん残っている。約2ヶ月前の2024年2月18日に開催された「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」。ドームの5万3千人に、ライブビューイング、配信で見てくれたお客さんまで合わせると計16万人。ラジオモンスターならではのモンスター級エンタメは、ニッポン放送の人気ラジオ番組がもとになったイベント。僕は現在テレビ局の局員で

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イナダシュンスケ|哀愁のサニーレタス

イナダシュンスケ|哀愁のサニーレタス

第23回
哀愁のサニーレタス

 サニーレタスはよく、何かの下に敷かれて登場します。コロッケ、から揚げ、春巻きなどの揚げ物が多いですが、お弁当だとハンバーグの下に敷かれたりもします。

 サニーレタスのもしゃもしゃとした立体的な形状や赤褐色から緑のグラデーションは、確かに茶一色の料理をもググッと引き立ててくれます。そして主役に覆い隠されて見えない部分は、実は配膳の際に、料理の滑り止めとしても機能し

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #49〈演奏中に喧嘩が始まり――中国ツアー・後篇〉

ピアニスト・藤田真央エッセイ #49〈演奏中に喧嘩が始まり――中国ツアー・後篇〉

『指先から旅をする』が書籍化しました!
世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。

 9月27日、3公演目は上海で行われた。この日は、ツアー中で唯一YAMAHAのピアノを使用した。以前、日本でお世話になっていたヤマハの調律師さんが上海に赴任していたのだ。彼女は素晴らしい才能とほとばしる情熱を持つ方で、上海公演では是非ヤマハのピアノを使ってくれないかと熱心に打診してくれた。

 嬉し

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ピアニスト・藤田真央エッセイ #48〈いちばん楽しんでほしかったひとは――初の中国ツアー〉

ピアニスト・藤田真央エッセイ #48〈いちばん楽しんでほしかったひとは――初の中国ツアー〉

限定発売の締切間近です!
『指先から旅をする〈愛蔵版〉』

完全受注生産のスペシャルエディション版です。
函入りのリッチな装丁&豪華3大特典付きでお届けします。
さらに、ご購入いただいた方から抽選で、
藤田さんのトークショー&サイン会にご招待いたします♬

〈豪華特典〉
①スペシャルDVD「ヴェルビエ音楽祭の休日」80分
②世界中で撮影された写真100点を収めた写真集
③モーツァルト・ソナタ全曲ツ

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今井真実 第8回 瞑想は煮込み料理で――とろとろポトフのおいしい秘密

今井真実 第8回 瞑想は煮込み料理で――とろとろポトフのおいしい秘密

 鍋のふたを開けると、濁りのない澄んだスープが出来ていた。かれこれ2時間ほど、ことことと煮込まれている。とろとろの牛スネ肉に菜箸を刺すと、なんのとっかかりもなくすっと入った。
 まずまず。これは成功と言っていいだろう。味見をするために小皿によそい、そっとすする。ああ。なんて豊かな味だろう! 思わず「いいねいいね」と声が出る。食材の命が丁寧に抽出され、透明なスープに溶け込んでいる。

 次に塊のまま

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3/29(金) 佐藤ミケーラ倭子×麻布競馬場YouTubeライブ開催!

3/29(金) 佐藤ミケーラ倭子×麻布競馬場YouTubeライブ開催!

Z世代から大人気のマルチタレント・佐藤ミケーラ倭子さんと、「タワマン文学」が話題の麻布競馬場さんの初対談が実現しました!

佐藤ミケーラ倭子×麻布競馬場 YouTubeライブ配信

【再現】令和の東京で戦ってる男と女

2024年3月29日(金)19:30~

▼YouTubeライブでどなたでも無料でご覧いただけます!

東京に疲弊しながらも、東京にしがみつく人々をシニカルに描いた小説が「タワマ

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