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稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

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南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載
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記事一覧

イナダシュンスケ|ラーメン不満足化待望論

第26回 ラーメン不満足化待望論 いきなり大きな話から始めますが、人はいったい何を求めて小…

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イナダシュンスケ|とんかつ武士道〈後篇〉

▼まずは〈前篇〉をお読みください。 全文無料公開中! 第25回 とんかつ武士道〈後篇〉  さ…

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【無料公開】イナダシュンスケ|とんかつ武士道〈前篇〉

第25回 とんかつ武士道〈前篇〉  とんかつ、と言えばロースかつです。「いや、ヒレかつのこ…

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イナダシュンスケ|同情の手羽先弁当

第24回 同情の手羽先弁当  高校生の頃、たまたま隣の席になったFくんとちょっと仲良くなり…

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イナダシュンスケ|哀愁のサニーレタス

第23回 哀愁のサニーレタス  サニーレタスはよく、何かの下に敷かれて登場します。コロッケ…

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イナダシュンスケ|羊肉期の終り

第22回 羊肉期の終り 「羊肉はお好きですか?」  この質問にイエスと答える人の中には、ま…

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イナダシュンスケ|とんこつ遺伝子

第21回 とんこつ遺伝子 僕が高校生時代までを過ごした鹿児島は、昔から知る人ぞ知るラーメン王国です。ただし鹿児島ラーメンには、博多ラーメンのようなある程度統一的なスタイルはありません。言うなれば各店がてんでバラバラに、勝手に独特なラーメンを作っている、という感じでしょうか。  もっとも、てんでバラバラではありつつ、そこにはどこかうっすらとした共通点も感じます。おそらくですが、それは主に豚骨や豚肉によってもたらされるフレーバーだと思います。ただ僕の料理人としての経験も踏まえて

イナダシュンスケ|牛丼官兵衛

第20回 牛丼官兵衛 僕が初めて𠮷野家の牛丼に出会ったのは、大学生になり一人暮らしを始めて…

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イナダシュンスケ|トラウマバーベキュー

第19回 トラウマバーベキュー 昔の話です。僕は大学を卒業して、とある会社に就職しました。…

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イナダシュンスケ|千切りキャベツの成長譚

第18回 千切りキャベツの成長譚 僕が小学生の頃「放送教育」というものがありました。これはN…

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イナダシュンスケ|続・牧歌的うどん店 かき氷・おばあちゃん・パンクス

第17回 続・牧歌的うどん店 かき氷・おばあちゃん・パンクス 時給1000円に釣られて、とある神…

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イナダシュンスケ|牧歌的うどん店

第16回 牧歌的うどん店「牧歌的」という言葉があります。自然の中で牧人が歌う歌のような、飾…

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イナダシュンスケ|ハンバーグ人生劇場③ 〜望郷編〜

第15回 ハンバーグ人生劇場③ 〜望郷編〜 現代の日本において、ハンバーグにはいくつかの系統…

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イナダシュンスケ|ハンバーグ人生劇場② 〜風雲編〜

第15回 ハンバーグ人生劇場② 〜風雲編〜 学生時代に発明した「ひき肉をフライパンに押し付けて焼いただけの、ハンバーグともステーキともつかない名も無き料理」は、「よそで言うたらアカン料理」として、その後の長きにわたり、ひっそりと世を忍ぶが如く作られ続けました。それが登場するのは主に、深夜近くにまで及ぶ仕事を終えて帰宅した後。それは晩酌のツマミないしは夜食として、家族の目からも逃れるが如く、こっそり作られていたのです。  これをハンバーグと呼ぶのは恥ずかしい。ステーキと呼ぶのは