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  • WEB別冊文藝春秋【無料記事】

    WEB別冊文藝春秋の無料で読める記事をまとめました。

  • 高田大介『エディシオン・クリティーク』(*小説)

    失われたテクストの復元に勤しむ文献学者・嵯峨野修理。紙切れ一枚も彼の手にかかれば謎の宝箱に早変わり。『図書館の魔女』著者が奏でる知的探索ミステリー、開幕!

  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」(*語り下ろし)

    毎月語り下ろしでお届け!

  • 透明ランナーのアート&シネマレビュー

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  • 固定された記事

藤田真央×恩田陸「ピアノで、言葉で、世界を奏でる」スペシャル対談〈前篇〉

▼藤田さん連載「指先から旅をする」はこちら ★天衣無縫のモーツァルト恩田 お久しぶりです。お目にかかるのは『蜜蜂と遠雷』のコンツェルト収録(2018年8月13日)以来ですから、もう4年になりますか。 藤田 そうですね。あの時は初台の東京オペラシティで、バルトークの《ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119》を演奏しました。金子三勇士さんと河村尚子さんと私でそれぞれコンツェルトを1曲ずつ、3曲を1日で録りきるというタイトなスケジュールでしたので、もう無我夢中で……せっかく恩田さん

    • 五十嵐律人、最新作! 『魔女の原罪』カバー&冒頭初公開☆

       デビュー作『法廷遊戯』の映画化も決定し(永瀬廉さん主演で2023年11月に公開予定!)、ますます話題の五十嵐律人さんの最新長篇『魔女の原罪』を4月24日に発売します!!  現役弁護士作家としてリーガルミステリーに定評のある五十嵐さんが贈る ‟特殊設定リーガルミステリー” にして、完全書き下ろしの新作『魔女の原罪』(文藝春秋刊)。  法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体…     一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび

      • 藤田真央×恩田陸「ピアノで、言葉で、世界を奏でる」スペシャル対談〈後篇〉

        ▼藤田真央×恩田陸スペシャル対談〈前篇〉▼ ▼藤田さん連載「指先から旅をする」▼ ★新しい地平を開拓するのは、いつだって怖い恩田 東京オペラシティで行われたリサイタルのアンコールも印象に残っています。ご自分で作曲された《パガニーニの主題による変奏曲》、ジャジーなアレンジでしたよね?   あれを聴いて、藤田さんはジャズも向いていらっしゃるんだろうなと思いました。 藤田 そうだ、恩田さんは学生時代にビッグバンドに入られていたんですよね。私はジャズは門外漢なのですが、最近は音

        • 「VOCA展2023」――“平面”を拡張していく40歳以下のアーティストの展覧会|透明ランナー

           さあVOCA展ですよVOCA展! 3月といえば桜とVOCA展です!  VOCA展は「平面美術」の領域で国際的に通用する若い作家を支援する目的で1994年に始まり、2023年で30周年を迎える歴史ある展覧会です。全国の学芸員や研究者などの推薦委員約30~40人が、「40歳以下」の若手作家をそれぞれ推薦するという形で開催されます。こういう展覧会はなかなか珍しいです。  選出条件はふたつだけ、「平面」であること、「40歳以下」であること。「平面」の範疇であれば絵画でなくてもか

          • 二宮敦人「サマーレスキュー ポリゴンを駆け抜けろ!」#012(最終回)

            千香はついに百戦錬磨の過激プレイヤーとの直接対決へ。 捕らえられた幼馴染を救うため、 そして大好きなゲーム「ランドクラフト」の世界を守るため―― 最強兵器「ラグ・マシン」に乗り込んで、いざ反撃開始! 第七章 もう、後には引けない。  ブロックを伝って何とか操縦席に戻った千香は、窓の向こうに広がる特撮映画のような光景に息をのんだ。  すでに、地表は遥か下にある。  米粒のようなサイズ感でラグ・マシンの足元に群がっているのは、振り落としたゾンビたちだ。行く手に連なる山の向こうに

            • 「合田佐和子」展――美術の“正史”に挑んだ稀代の表現者の「眼」|透明ランナー

               こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。  私はずっとこの展覧会を楽しみにしていました。今回紹介するのは「合田佐和子展 帰る途(みち)もつもりもない」(三鷹市美術ギャラリー)。合田佐和子(ごうだ さわこ、1940-2016)の没後初にして過去最大規模となる個展です。  本展は合田の初期から晩年までの作品が網羅的に紹介される、非常に充実した展覧会です。彼女は1965年の個展デビュー後、初期はシュルレアリスティックな立体オブジェを制作していました。  197

              • ピアニスト・藤田真央 エッセイ〈幻となったピアノ・デュオ〉

                ▼藤田さん連載「指先から旅をする」はこちら   2023年1月25日のカーネギーホールでの公演後、私は東京へとんぼ返りして、日本各地で演奏会を行った。ハイライトはやはり、全5回にわたる〈モーツァルト:ピアノ・ソナタ全曲演奏会〉の最終章を完遂できたことだろう。  このツィクルスは21年3月から始動した。当時は感染症対策の為に客席は1席ずつ間隔を空け、会場には定員の半数しかお客様を集められないという、非常に厳重な態勢で行われた。  第1回のプログラムは、全てドの音を基調とし

                • 東京、京都、大阪……アートフェアを巡り日本のアート市場を考える|透明ランナー

                   3月! 春ですね! 春といえばそう、アートフェアです!  アートフェアとは、複数のアーティストやギャラリーが一堂に会して作品の売買を行うアートの見本市です。アーティストやギャラリーにとっては自身をアピールする場、コレクターにとっては市場の動向を探る場となりますが、一般客にとっても気軽にアートを購入できる場として楽しむことができます。  2023年3月10日(金)~3月12日(日)、日本最大級のアートフェア「アートフェア東京」が東京国際フォーラムで開催されました。年に一度

                  • 『パーマネント・ブルー』を読んで――EXILE TETSUYAさんからのメッセージ✉

                     みなさんこんにちは、鉄平です。  と、自己紹介してもきっとケンチに怒られない、  EXILE TETSUYAです(笑)。  20代そこそこでケンチと出逢い、今日まで一緒に踊ってきた中で、同じ出来事を同じタイミング、同じ角度で見て、良いことも嫌なことも同じ感じ方をしてきたのだと、この『パーマネント・ブルー』を読んで、改めて答え合わせができたような気がして、とても嬉しい気持ちになりました!!  しかしその反面では、とても複雑な気持ちにもなりました。  なぜなら、僕たちのフワ

                    • 初登場! 高丘哲次「殷世界転生」、読みきりでお届けします⚡

                      現代日本に突然現れた古代中国都市――。 零細私大のしがない研究者・栗山は、急遽政府機関に呼び出されて…… *** 一「感じる。感じるぞ、山の怒りを!」  空き家をリノベーションして作られた根岸谷町内会館に、堀江正吉八十九歳の怒声が響いた。  パイプ椅子にぽつりと座っていた柴原トミ子が、びくりと身体を震わせる。 「ああびっくりした。驚かせないでくださいよ」  半年前に心筋梗塞で緊急搬送されており、まったく洒落にならない。玄関先で肩を震わせている正吉をじろりと睨んだ。彼が着た

                      • イナダシュンスケ|「美食家」は死語になる

                        第11回 「美食家」は死語になる  先日、少し面白い言葉の使い方を耳にしました。とある女性から聞いた、ご夫婦の話です。  彼女はある時、ダンナ氏にこんなことを話しました。自分は食材ごとの好き嫌いは全くと言っていいほど無いけど、コンビニとかスーパーで売ってるお惣菜やお弁当の味はあまり好きではない。そしてその時々の気分で明確に食べたいものとそうでないものがある、と。  それを聞いたダンナ氏はこんなふうに返しました。  「君は偏食だね」  この会話はそれで終わるのですが、その後、彼

                        • 天祢涼の読みきり短篇!「一七歳の目撃」――仲田シリーズ最新作

                          引ったくりを目撃した高校生。 犯人の正体を刑事にも黙っていたのにはある理由が―― 神奈川県警・仲田蛍刑事の活躍を描いた「仲田シリーズ」の最新短篇、お届けします! 1 教室の手前で足をとめるとスマホのインカメラを起動させ、ディスプレイに自分の顔を映した。目の下にできたクマは、薄くてほとんど目立たない。クラスメートには、いつもの僕に見えるはずだ。一つ頷いてから教室に入る。 「昨日の夜もひったくりがあったらしいじゃん」「部活で遅くなる日はこわいわー」「この二ヵ月で五件目だね」  

                          • 日本未公開映画を観る11の方法――アカデミー賞授賞式を100倍楽しむために|透明ランナー

                             いよいよ日本時間2023年3月13日(月)、第95回アカデミー賞授賞式が開催されます。全世界の映画ファンが楽しみにしている年に一度の祭典、いやが上にもボルテージが高まってきているところです。  最初はアカデミー賞の受賞予想記事でも書こうかな……と思っていたのですが、私の予想を見ても仕方ないですし、当たったところで何かあるわけでもありません。というわけでもっと読者の皆様に役立つ記事を書こうと思います。  日本の映画ファンが毎年この時期に必ず思うこと、それは……「授賞式まで

                            • 今日を生き抜くため、少女たちは犯罪に手を染めた――川上未映子が、クライム・サスペンスに挑んだ理由

                              ◆「カネ」「家」「犯罪」、そして「カーニヴァル」——新作の『黄色い家』、夢中になって読み、胸が熱くなりました。これは新聞に連載された長篇ですね。 川上 ありがとうございます。そう言って頂けて、ほっとしました。新聞連載を始めるにあたって、最初になんとなく、女の人たちが疑似家族みたいに暮らしているイメージが浮かんだんです。そのコミュニティがどうやって成り立ち、どう変容していくのかを書きたいと思いました。 ——第一章の「再会」は、二〇二〇年が舞台です。主人公の四十歳の伊藤花は、

                              • 『別れる決心』――パク・チャヌクに流れる“猥雑さ”の源流をたどる|透明ランナー

                                 パク・チャヌク(1963-)の6年ぶりの新作長編映画、『別れる決心』がついに公開されました。  私はパク・チャヌクの「猥雑さ」が大好きです。脚本も撮影も到底想像の及ばない超絶技巧を駆使し、綱渡りのようにギリギリのタイミングでつなぎ合わせながら、奇跡的に1本の映画として結実しています。『別れる決心』も、一見クライムサスペンス映画のようでありながら、ラブロマンス映画でもあり、アクション映画でもあり、コメディの要素も忘れず、いやそのどれでもなく……。ジャンルにくくることが不可能

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                              • 二宮敦人「サマーレスキュー ポリゴンを駆け抜けろ!」(小説)
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                                ピアニスト・藤田真央〈NYカーネギーホール・デビューの日〉 スペシャルエッセイ「Toi toi toi!」

                                ▼藤田さん語り下ろし連載「指先から旅をする」はこちら  Toi toi toi!  私たち演奏家は舞台袖からステージへ一歩踏み出す際、この言葉で鼓舞される。ステージマネージャーや調律師からのこの言葉を合図にステージへのドアが開き、拍手を浴びながら歩き出すのだ。この光景は、音楽家であったら誰もが憧れ一度はその舞台で演奏したいと熱望するであろうカーネギーホールでも同じだった。    Toi toi toi……この言葉の意味を正確には理解していないが、おそらく「楽しんで」「頑張っ

                                五十嵐律人、最新作! 『魔女の原罪』カバー&冒頭初公開☆

                                 デビュー作『法廷遊戯』の映画化も決定し(永瀬廉さん主演で2023年11月に公開予定!)、ますます話題の五十嵐律人さんの最新長篇『魔女の原罪』を4月24日に発売します!!  現役弁護士作家としてリーガルミステリーに定評のある五十嵐さんが贈る ‟特殊設定リーガルミステリー” にして、完全書き下ろしの新作『魔女の原罪』(文藝春秋刊)。  法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体…     一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび

                                藤田真央×恩田陸「ピアノで、言葉で、世界を奏でる」スペシャル対談〈後篇〉

                                ▼藤田真央×恩田陸スペシャル対談〈前篇〉▼ ▼藤田さん連載「指先から旅をする」▼ ★新しい地平を開拓するのは、いつだって怖い恩田 東京オペラシティで行われたリサイタルのアンコールも印象に残っています。ご自分で作曲された《パガニーニの主題による変奏曲》、ジャジーなアレンジでしたよね?   あれを聴いて、藤田さんはジャズも向いていらっしゃるんだろうなと思いました。 藤田 そうだ、恩田さんは学生時代にビッグバンドに入られていたんですよね。私はジャズは門外漢なのですが、最近は音

                                「VOCA展2023」――“平面”を拡張していく40歳以下のアーティストの展覧会|透明ランナー

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                                藤田真央×恩田陸「ピアノで、言葉で、世界を奏でる」スペシャル対談〈前篇〉

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                                「合田佐和子」展――美術の“正史”に挑んだ稀代の表現者の「眼」|透明ランナー

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                                ピアニスト・藤田真央 エッセイ〈幻となったピアノ・デュオ〉

                                ▼藤田さん連載「指先から旅をする」はこちら   2023年1月25日のカーネギーホールでの公演後、私は東京へとんぼ返りして、日本各地で演奏会を行った。ハイライトはやはり、全5回にわたる〈モーツァルト:ピアノ・ソナタ全曲演奏会〉の最終章を完遂できたことだろう。  このツィクルスは21年3月から始動した。当時は感染症対策の為に客席は1席ずつ間隔を空け、会場には定員の半数しかお客様を集められないという、非常に厳重な態勢で行われた。  第1回のプログラムは、全てドの音を基調とし

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                                『パーマネント・ブルー』を読んで――EXILE TETSUYAさんからのメッセージ✉

                                 みなさんこんにちは、鉄平です。  と、自己紹介してもきっとケンチに怒られない、  EXILE TETSUYAです(笑)。  20代そこそこでケンチと出逢い、今日まで一緒に踊ってきた中で、同じ出来事を同じタイミング、同じ角度で見て、良いことも嫌なことも同じ感じ方をしてきたのだと、この『パーマネント・ブルー』を読んで、改めて答え合わせができたような気がして、とても嬉しい気持ちになりました!!  しかしその反面では、とても複雑な気持ちにもなりました。  なぜなら、僕たちのフワ

                                初登場! 高丘哲次「殷世界転生」、読みきりでお届けします⚡

                                現代日本に突然現れた古代中国都市――。 零細私大のしがない研究者・栗山は、急遽政府機関に呼び出されて…… *** 一「感じる。感じるぞ、山の怒りを!」  空き家をリノベーションして作られた根岸谷町内会館に、堀江正吉八十九歳の怒声が響いた。  パイプ椅子にぽつりと座っていた柴原トミ子が、びくりと身体を震わせる。 「ああびっくりした。驚かせないでくださいよ」  半年前に心筋梗塞で緊急搬送されており、まったく洒落にならない。玄関先で肩を震わせている正吉をじろりと睨んだ。彼が着た

                                イナダシュンスケ|「美食家」は死語になる

                                第11回 「美食家」は死語になる  先日、少し面白い言葉の使い方を耳にしました。とある女性から聞いた、ご夫婦の話です。  彼女はある時、ダンナ氏にこんなことを話しました。自分は食材ごとの好き嫌いは全くと言っていいほど無いけど、コンビニとかスーパーで売ってるお惣菜やお弁当の味はあまり好きではない。そしてその時々の気分で明確に食べたいものとそうでないものがある、と。  それを聞いたダンナ氏はこんなふうに返しました。  「君は偏食だね」  この会話はそれで終わるのですが、その後、彼

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                                引ったくりを目撃した高校生。 犯人の正体を刑事にも黙っていたのにはある理由が―― 神奈川県警・仲田蛍刑事の活躍を描いた「仲田シリーズ」の最新短篇、お届けします! 1 教室の手前で足をとめるとスマホのインカメラを起動させ、ディスプレイに自分の顔を映した。目の下にできたクマは、薄くてほとんど目立たない。クラスメートには、いつもの僕に見えるはずだ。一つ頷いてから教室に入る。 「昨日の夜もひったくりがあったらしいじゃん」「部活で遅くなる日はこわいわー」「この二ヵ月で五件目だね」  

                                日本未公開映画を観る11の方法――アカデミー賞授賞式を100倍楽しむために|透明ランナー

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                                今日を生き抜くため、少女たちは犯罪に手を染めた――川上未映子が、クライム・サスペンスに挑んだ理由

                                ◆「カネ」「家」「犯罪」、そして「カーニヴァル」——新作の『黄色い家』、夢中になって読み、胸が熱くなりました。これは新聞に連載された長篇ですね。 川上 ありがとうございます。そう言って頂けて、ほっとしました。新聞連載を始めるにあたって、最初になんとなく、女の人たちが疑似家族みたいに暮らしているイメージが浮かんだんです。そのコミュニティがどうやって成り立ち、どう変容していくのかを書きたいと思いました。 ——第一章の「再会」は、二〇二〇年が舞台です。主人公の四十歳の伊藤花は、

                                『別れる決心』――パク・チャヌクに流れる“猥雑さ”の源流をたどる|透明ランナー

                                 パク・チャヌク(1963-)の6年ぶりの新作長編映画、『別れる決心』がついに公開されました。  私はパク・チャヌクの「猥雑さ」が大好きです。脚本も撮影も到底想像の及ばない超絶技巧を駆使し、綱渡りのようにギリギリのタイミングでつなぎ合わせながら、奇跡的に1本の映画として結実しています。『別れる決心』も、一見クライムサスペンス映画のようでありながら、ラブロマンス映画でもあり、アクション映画でもあり、コメディの要素も忘れず、いやそのどれでもなく……。ジャンルにくくることが不可能