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《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

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  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

    24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

  • 矢月秀作「桜虎の道」(*小説)

    司法書士事務所で見習いとして働く桜田哲。“特殊な経歴”を持つ彼のもとに奇妙な依頼が舞い込む。それは不動産王・木下義人が作成した《秘密証書遺言》の預かり証を、身内ではなく桜田に預かって欲しいというものだった!

  • 白石直人「世界を見渡すためのブックガイド」

    新進気鋭の物理学者・白石直人さんが、いまの時代をどんな眼差しで見つめているのか。その琴線に触れた書籍を通して、現代社会の「力学」を読み解きます。

  • 岩井圭也「われは熊楠」(*小説)

    奇人・才人、南方熊楠を語る言葉はたくさんある。しかし果たして、彼が生涯を賭して追い求めたものとは一体何だったのか⁉ 新鋭・岩井圭也が渾身の力で挑む、博物学者・南方熊楠のすべて。

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【㊗発売即重版!】ピアニスト・藤田真央さん初著作『指先から旅をする』

 ピアニスト・藤田真央さんによるエッセイ&語り下ろし連載「指先から旅をする」がこのたび本になりました。 弱冠24歳にして「世界のMAO」に 2019年、20歳で世界3大ピアノコンクールのひとつ、チャイコフスキー国際コンクールで第2位入賞。以降、世界のマエストロからラブコールを受け、数々の名門オーケストラとの共演を実現させてきた藤田さん。 現在はベルリンに拠点を移し、ヴェルビエ音楽祭、ルツェルン音楽祭といった欧州最高峰の舞台で観客を熱狂させています。 エッセイ&語り下ろし

    • ピアニスト・藤田真央エッセイ #54〈20歳で作曲したカデンツァを――バイエルン放送交響楽団・後篇〉

      『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  今年は嬉しいことに、ドイツの様々な地域での公演を控えている。ドイツと一言で言ってもいずれの都市も表情が異なり、それぞれに個性を持っていて面白い。  ここミュンヘンは空気が澄んでいてなんとも気持ちが良い。バイエルン州出身のマネージャー曰く、街を抜けたところにある牧場の香りが、時折風に乗って都心まで伝わってくるそうだ。私が住むベルリンと比較しても、多くの歴史的建造物がそのままの

      • 「泣かせるのが上手」「何度も読み返したくなる」書店員さんの声を紹介します!

        発売二週間経たぬうちに三刷りが決まった『#ナースの卯月に視えるもの』。全国の書店員さんから感動の声が届いています! ▼読者の皆様からの感想も続々と!

        • ピアニスト・藤田真央エッセイ #53〈ビシュコフが伝えた極意――バイエルン放送交響楽団〉

          『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  その劇薬を初めて手にしたのは5年前のことだった。持っているだけでカッコよく見える――そんな安直な理由がきっかけだった。小箱は愛煙家たちが集う大人の世界へのパスポートでもあり、亡き恩師・野島稔先生とお近づきになるための道しるべにもなってくれた。  野島先生のことを思い出せばいつも、煙を燻らせている姿が脳裏に浮かぶ。私は最初はピース、次は先生が愛用していたマルボロ・ゴールド、その

          • 矢月秀作「桜虎の道」#007(最終回)

            第6章1  春人は中目黒に来ていた。車で十分ほど南に行った場所でタクシーを停める。降りて、格子門の前に立つ。  玄関を見つめ、何度か逡巡したものの、インターホンを押した。  ——はい。  女性の声が聞こえてくる。 「春人です」  名を告げた。  春人が訪れたのは、義人のところではなく、池田の家だった。  孝蔵に言われ、一度は叔父の言うとおり、義人に電話をしようと思った。だが、どうしても父には連絡ができなかった。  プライドもある。畏怖もある。様々な感情が胸の内に渦巻き、混乱

            • 陽の当たる世界から弾き出された青年のひたむきな姿が胸を打つ——逢崎遊『正しき地図の裏側より』インタビュー

               定時制高校に通いながら無職の父の代わりに働く耕一郎。ある晩、彼のもとに一本の電話が入る。相手は警察で、泥酔した父が交番で保護されたという。雪の降る夜道を最悪な気持ちで交番に向かう。この日、耕一郎がバイトで貯めた8万円がなくなっていたのだ。交番からの帰り道に問い質すと、父はあっさりと自分が使ったことを認めた。そのうえ、絶対に許すことのできない衝撃的なことまで口にした。怒りが爆発した耕一郎は力任せに父を蹴り倒し、拳を振るい続け——。  第36回小説すばる新人賞受賞作『正しき地

              • ブックレビュー:権威主義とポピュリズム~後篇・各国情勢~|白石直人

                アメリカ 2016年のアメリカ大統領選では、大方の予想を覆してトランプが当選した。暴言や差別的発言を繰り返すトランプがなぜ熱狂的に支持されたのか。トランプ支持者を考察した本は少なくないが、その中で金成隆一・著『ルポ トランプ王国──もう一つのアメリカを行く』(岩波新書)は、著者自身の見解は最小限にして、トランプ支持者の考えの記述に徹しており、立場を問わず有益なルポルタージュに仕上がっている[1]。  ラストベルト地帯を中心としたトランプ支持者から口々に上がるのは、雇用や社会

                • ブックレビュー:権威主義とポピュリズム ~前篇・理論的考察~|白石直人

                   現在の世界では、各地で権威主義化やポピュリズムの波が起きており、民主主義は脆弱な状況にある。今年は世界各国で選挙が行われる選挙イヤーでもある[1]。そこでこの記事では、ポピュリズムや権威主義について、より深く理解するための本を紹介していきたい。 権威主義 権威主義体制を知る最初の一冊には、エリカ・フランツ・著『権威主義──独裁政治の歴史と変貌』(上谷直克、今井宏平、中井遼訳、白水社)が格好の入門書である。「なぜ一部の豊かな国は権威主義なのか?」「権威主義的なリーダーは権力

                  • 【㊗重版】『ナースの卯月に視えるもの』感想紹介

                    ・もつにこみ様 食べ物や季節の描写、まさに秋谷さんが力を入れて書いてくださった部分をこうして噛みしめていただけて、嬉しいです。素敵なご感想、ありがとうございます。 ・マー君様 どんな年代の方でも、楽しんでいただける作品です。「何度も本を置き、深呼吸」、丁寧に読んでいただいて本当にありがとうございます。 ・クルクル☆カッピー様 分かる……分かりすぎます……。あの場面、涙腺崩壊しますよね。この感動を分かち合えることが嬉しすぎます。ありがとうございます! ・SHIGE姐

                    • note代表・加藤貞顕さん大絶賛! 『ナースの卯月に視えるもの』書評が到着!

                       最初に本作を読んだのは、note主催の投稿コンテスト「創作大賞」の審査の過程だった。「すごい作品が投稿されているんです」というスタッフの声を聞き、読んでみたところ、ナースの仕事の現場が眼の前に見えるような筆致と、感動的な内容に驚かされた。その後、「別冊文藝春秋賞」の受賞が決まり、大幅な加筆を経てできたのが、この『ナースの卯月に視えるもの』だ。  本作の舞台は、大きな総合病院のなかにある長期療養型病棟だ。患者の4割は病院で最期の時を迎える、そんな場所だ。主人公の卯月は、そこ

                      • 「試されるのは、家族です」熾烈で過酷な〝小学校受験〟の世界――外山薫『君の背中に見た夢は』インタビュー

                         デビュー作『息が詰まるようなこの場所で』で、東京のタワーマンションに住む人々の焦燥や葛藤を描いた外山薫さん。第二作となる最新刊『君の背中に見た夢は』で挑んだのは、いわゆる〝お受験〟——小学校受験だ。 「かつて小学校受験というと、専業主婦の世界の話という印象が強かったように思います。共働き家庭は、中学校受験が主流でした。私の家庭も共働きで子どもがいますが、小学校受験という言葉こそ知っているものの、別世界というか、自分には関係のない話だと思ってきました。しかし、数年前から、周

                        • 岩井圭也が「どうしても南方熊楠を書きたかった!」その理由――和歌山で撮影した40枚超の写真とともにお届け

                           小説家にとっては、すべての作品が勝負作である。苦心して執筆した作品は作者の分身同然であり、我が子のような存在だ。大切でない作品など一つとして存在しない。それを承知のうえでなお、私は断言する。  2024年5月15日に刊行した長編小説『われは熊楠』は、私にとって特別な作品である。  小説は、ときに書き手の意志を超えて展開することがある。『われは熊楠』を書いている間、何度もそれを思い知った。  本作は、一八六七(慶応三)年生まれの南方熊楠という研究者を主人公に据えた小説だ。主

                          • 大木亜希子「マイ・ディア・キッチン」第4話 料理監修:今井真実

                            第四話「そろそろ、レストランの営業を再開しようと思うんだ」  朝の空気を取り込むためリビングの窓を開けていると、木製の椅子に腰をかけた天堂さんがそう告げた。澄んだ風が部屋中に流れ込み、彼がクシャミをひとつする。 「寒いですよね。すみません」  慌てて開けたばかりの窓を閉じると、彼はコーヒーをひとくち啜り、「大丈夫。花粉の仕業かも。もうすっかりと春だねぇ」と言って立ち上がり、窓の外に目をやった。視線をたどると、向かいの家の庭に梅が咲いている。水彩画のような淡いピンク色が美しく、

                            • 小田雅久仁 「夢魔と少女」〈中篇〉

                              九 その後も母屋の探索を続け、わずかではあるが新たな情報を得た。居間のサイドボードの上に並べられていた写真からわかったことだが、男はどうやら一人息子だったようだ。四枚の家族写真のうち、いちばん古いものは、男がまだ一歳か二歳のころで、自分の顔ほどもある大きなハンバーガーを手に満ち足りた頰笑みを浮かべている。どんな悪党でも無垢の煌めきを放つ瞬間はあったのだ、という事実を示す貴重な一枚なのかもしれない。  男は両親がかなり歳がいってからできた子供のようで、一人息子が生まれたとき、母

                              • 患者さんのQOLを決める〝家族の力〟|秋谷りんこ

                                「母は、昔から自分でなんでもできちゃう人なんですよ。膝の関節の病気がわかったときだって、こんなのへっちゃらだって言って、一人暮らしして。そのくらい強い人なんです。(中略)それなのに、突然しゃべれなくなって、動けなくなって、口から物も食べられないなんて……どうやって信じればいいんですか。母が寝たきりだなんて、どうやって受け入れればいいんですか」 『ナースの卯月に視えるもの』の一節です。  私は十年以上、看護師として病棟勤務をしていましたが、患者さんのケアと同じくらい大切な仕

                              • 固定された記事

                              【㊗発売即重版!】ピアニスト・藤田真央さん初著作『指先から旅をする』

                              マガジン

                              • WEB別冊文藝春秋
                                ¥800 / 月
                              • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」
                                55本
                              • 矢月秀作「桜虎の道」(*小説)
                                7本
                              • 白石直人「世界を見渡すためのブックガイド」
                                15本
                              • 岩井圭也「われは熊楠」(*小説)
                                3本
                              • 寺地はるな「リボンちゃん」(*小説)
                                2本

                              記事

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #54〈20歳で作曲したカデンツァを――バイエルン放送交響楽団・後篇〉

                                『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  今年は嬉しいことに、ドイツの様々な地域での公演を控えている。ドイツと一言で言ってもいずれの都市も表情が異なり、それぞれに個性を持っていて面白い。  ここミュンヘンは空気が澄んでいてなんとも気持ちが良い。バイエルン州出身のマネージャー曰く、街を抜けたところにある牧場の香りが、時折風に乗って都心まで伝わってくるそうだ。私が住むベルリンと比較しても、多くの歴史的建造物がそのままの

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #54〈20歳で作曲したカデンツァを――バイエルン放送交響楽団・後篇〉

                                「泣かせるのが上手」「何度も読み返したくなる」書店員さんの声を紹介します!

                                発売二週間経たぬうちに三刷りが決まった『#ナースの卯月に視えるもの』。全国の書店員さんから感動の声が届いています! ▼読者の皆様からの感想も続々と!

                                「泣かせるのが上手」「何度も読み返したくなる」書店員さんの声を紹介します!

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #53〈ビシュコフが伝えた極意――バイエルン放送交響楽団〉

                                『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  その劇薬を初めて手にしたのは5年前のことだった。持っているだけでカッコよく見える――そんな安直な理由がきっかけだった。小箱は愛煙家たちが集う大人の世界へのパスポートでもあり、亡き恩師・野島稔先生とお近づきになるための道しるべにもなってくれた。  野島先生のことを思い出せばいつも、煙を燻らせている姿が脳裏に浮かぶ。私は最初はピース、次は先生が愛用していたマルボロ・ゴールド、その

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #53〈ビシュコフが伝えた極意――バイエルン放送交響楽団〉

                                矢月秀作「桜虎の道」#007(最終回)

                                第6章1  春人は中目黒に来ていた。車で十分ほど南に行った場所でタクシーを停める。降りて、格子門の前に立つ。  玄関を見つめ、何度か逡巡したものの、インターホンを押した。  ——はい。  女性の声が聞こえてくる。 「春人です」  名を告げた。  春人が訪れたのは、義人のところではなく、池田の家だった。  孝蔵に言われ、一度は叔父の言うとおり、義人に電話をしようと思った。だが、どうしても父には連絡ができなかった。  プライドもある。畏怖もある。様々な感情が胸の内に渦巻き、混乱

                                矢月秀作「桜虎の道」#007(最終回)

                                陽の当たる世界から弾き出された青年のひたむきな姿が胸を打つ——逢崎遊『正しき地図の裏側より』インタビュー

                                 定時制高校に通いながら無職の父の代わりに働く耕一郎。ある晩、彼のもとに一本の電話が入る。相手は警察で、泥酔した父が交番で保護されたという。雪の降る夜道を最悪な気持ちで交番に向かう。この日、耕一郎がバイトで貯めた8万円がなくなっていたのだ。交番からの帰り道に問い質すと、父はあっさりと自分が使ったことを認めた。そのうえ、絶対に許すことのできない衝撃的なことまで口にした。怒りが爆発した耕一郎は力任せに父を蹴り倒し、拳を振るい続け——。  第36回小説すばる新人賞受賞作『正しき地

                                陽の当たる世界から弾き出された青年のひたむきな姿が胸を打つ——逢崎遊『正しき地図の裏側より』インタビュー

                                ブックレビュー:権威主義とポピュリズム~後篇・各国情勢~|白石直人

                                アメリカ 2016年のアメリカ大統領選では、大方の予想を覆してトランプが当選した。暴言や差別的発言を繰り返すトランプがなぜ熱狂的に支持されたのか。トランプ支持者を考察した本は少なくないが、その中で金成隆一・著『ルポ トランプ王国──もう一つのアメリカを行く』(岩波新書)は、著者自身の見解は最小限にして、トランプ支持者の考えの記述に徹しており、立場を問わず有益なルポルタージュに仕上がっている[1]。  ラストベルト地帯を中心としたトランプ支持者から口々に上がるのは、雇用や社会

                                ブックレビュー:権威主義とポピュリズム~後篇・各国情勢~|白石直人

                                ブックレビュー:権威主義とポピュリズム ~前篇・理論的考察~|白石直人

                                 現在の世界では、各地で権威主義化やポピュリズムの波が起きており、民主主義は脆弱な状況にある。今年は世界各国で選挙が行われる選挙イヤーでもある[1]。そこでこの記事では、ポピュリズムや権威主義について、より深く理解するための本を紹介していきたい。 権威主義 権威主義体制を知る最初の一冊には、エリカ・フランツ・著『権威主義──独裁政治の歴史と変貌』(上谷直克、今井宏平、中井遼訳、白水社)が格好の入門書である。「なぜ一部の豊かな国は権威主義なのか?」「権威主義的なリーダーは権力

                                ブックレビュー:権威主義とポピュリズム ~前篇・理論的考察~|白石直人

                                【㊗重版】『ナースの卯月に視えるもの』感想紹介

                                ・もつにこみ様 食べ物や季節の描写、まさに秋谷さんが力を入れて書いてくださった部分をこうして噛みしめていただけて、嬉しいです。素敵なご感想、ありがとうございます。 ・マー君様 どんな年代の方でも、楽しんでいただける作品です。「何度も本を置き、深呼吸」、丁寧に読んでいただいて本当にありがとうございます。 ・クルクル☆カッピー様 分かる……分かりすぎます……。あの場面、涙腺崩壊しますよね。この感動を分かち合えることが嬉しすぎます。ありがとうございます! ・SHIGE姐

                                【㊗重版】『ナースの卯月に視えるもの』感想紹介

                                note代表・加藤貞顕さん大絶賛! 『ナースの卯月に視えるもの』書評が到着!

                                 最初に本作を読んだのは、note主催の投稿コンテスト「創作大賞」の審査の過程だった。「すごい作品が投稿されているんです」というスタッフの声を聞き、読んでみたところ、ナースの仕事の現場が眼の前に見えるような筆致と、感動的な内容に驚かされた。その後、「別冊文藝春秋賞」の受賞が決まり、大幅な加筆を経てできたのが、この『ナースの卯月に視えるもの』だ。  本作の舞台は、大きな総合病院のなかにある長期療養型病棟だ。患者の4割は病院で最期の時を迎える、そんな場所だ。主人公の卯月は、そこ

                                note代表・加藤貞顕さん大絶賛! 『ナースの卯月に視えるもの』書評が到着!

                                「試されるのは、家族です」熾烈で過酷な〝小学校受験〟の世界――外山薫『君の背中に見た夢は』インタビュー

                                 デビュー作『息が詰まるようなこの場所で』で、東京のタワーマンションに住む人々の焦燥や葛藤を描いた外山薫さん。第二作となる最新刊『君の背中に見た夢は』で挑んだのは、いわゆる〝お受験〟——小学校受験だ。 「かつて小学校受験というと、専業主婦の世界の話という印象が強かったように思います。共働き家庭は、中学校受験が主流でした。私の家庭も共働きで子どもがいますが、小学校受験という言葉こそ知っているものの、別世界というか、自分には関係のない話だと思ってきました。しかし、数年前から、周

                                「試されるのは、家族です」熾烈で過酷な〝小学校受験〟の世界――外山薫『君の背中に見た夢は』インタビュー

                                岩井圭也が「どうしても南方熊楠を書きたかった!」その理由――和歌山で撮影した40枚超の写真とともにお届け

                                 小説家にとっては、すべての作品が勝負作である。苦心して執筆した作品は作者の分身同然であり、我が子のような存在だ。大切でない作品など一つとして存在しない。それを承知のうえでなお、私は断言する。  2024年5月15日に刊行した長編小説『われは熊楠』は、私にとって特別な作品である。  小説は、ときに書き手の意志を超えて展開することがある。『われは熊楠』を書いている間、何度もそれを思い知った。  本作は、一八六七(慶応三)年生まれの南方熊楠という研究者を主人公に据えた小説だ。主

                                岩井圭也が「どうしても南方熊楠を書きたかった!」その理由――和歌山で撮影した40枚超の写真とともにお届け

                                大木亜希子「マイ・ディア・キッチン」第4話 料理監修:今井真実

                                第四話「そろそろ、レストランの営業を再開しようと思うんだ」  朝の空気を取り込むためリビングの窓を開けていると、木製の椅子に腰をかけた天堂さんがそう告げた。澄んだ風が部屋中に流れ込み、彼がクシャミをひとつする。 「寒いですよね。すみません」  慌てて開けたばかりの窓を閉じると、彼はコーヒーをひとくち啜り、「大丈夫。花粉の仕業かも。もうすっかりと春だねぇ」と言って立ち上がり、窓の外に目をやった。視線をたどると、向かいの家の庭に梅が咲いている。水彩画のような淡いピンク色が美しく、

                                大木亜希子「マイ・ディア・キッチン」第4話 料理監修:今井真実

                                小田雅久仁 「夢魔と少女」〈中篇〉

                                九 その後も母屋の探索を続け、わずかではあるが新たな情報を得た。居間のサイドボードの上に並べられていた写真からわかったことだが、男はどうやら一人息子だったようだ。四枚の家族写真のうち、いちばん古いものは、男がまだ一歳か二歳のころで、自分の顔ほどもある大きなハンバーガーを手に満ち足りた頰笑みを浮かべている。どんな悪党でも無垢の煌めきを放つ瞬間はあったのだ、という事実を示す貴重な一枚なのかもしれない。  男は両親がかなり歳がいってからできた子供のようで、一人息子が生まれたとき、母

                                小田雅久仁 「夢魔と少女」〈中篇〉

                                患者さんのQOLを決める〝家族の力〟|秋谷りんこ

                                「母は、昔から自分でなんでもできちゃう人なんですよ。膝の関節の病気がわかったときだって、こんなのへっちゃらだって言って、一人暮らしして。そのくらい強い人なんです。(中略)それなのに、突然しゃべれなくなって、動けなくなって、口から物も食べられないなんて……どうやって信じればいいんですか。母が寝たきりだなんて、どうやって受け入れればいいんですか」 『ナースの卯月に視えるもの』の一節です。  私は十年以上、看護師として病棟勤務をしていましたが、患者さんのケアと同じくらい大切な仕

                                患者さんのQOLを決める〝家族の力〟|秋谷りんこ

                                【㊗!重版!】『ナースの卯月に視えるもの』感想をご紹介します!

                                ・はそやm様  ご感想を拝読しながら担当編集はボロボロ泣きました。本当にありがとうございます。 ・せやま南天様 創作大賞2023同期のせやま南天さん! ありがとうございます! 秋谷りんこさんとせやま南天さんの対談記事はこちら! ・福島太郎様 最上の誉め言葉をありがとうございます! 卯月最高! ・春永睦月様 深いところまで読んでいただき、ありがとうございます! 優しい物語でありながらも、「看護とはなにか」に深く迫った一冊です。 ・しまうー様 「実は活字が苦手だ

                                【㊗!重版!】『ナースの卯月に視えるもの』感想をご紹介します!

                                イナダシュンスケ|同情の手羽先弁当

                                第24回 同情の手羽先弁当  高校生の頃、たまたま隣の席になったFくんとちょっと仲良くなりました。僕も彼も音楽が好きで、当時ギターを練習し始めていたという共通項があったからだったと思います。もっとも音楽の趣味は全く嚙み合いませんでした。Fくんが好きなのはヘヴィメタルであり、僕の好みはイギリスのニューウェーブでした。それはともかく僕たちは、どちらもちょっとぼうっとしたタイプだったこともあり、熱く語り合う親友同士、みたいないかにもセイシュンっぽい間柄になるでもなしに、極めて淡々

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