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《読んで楽しむ、つながる》小説好きのためのコミュニティ! 月額800円で、人気作家の作品&インタビューや対談、エッセイが読み放題。作家の素顔や創作秘話に触れられるオンラインイベントのほか、お題企画や投稿イベントなど参加型企画も盛りだくさんでお届けしていきます。

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  • 稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

    南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載

  • 今井真実「ひとりでまんぷく」(*食エッセイ)

    料理家・今井真実さんが、ひとりで味わう至福の時間を綴るグルメエッセイです。

  • 【単行本発売中】今村翔吾「海を破る者」

    日本を揺るがした文明の衝突がかつてあった――その時人々は何を目撃したのか? 人間に絶望した二人の男たちの魂の彷徨を、新直木賞作家が壮大なスケールで描く歴史巨篇

  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

    24歳の若き天才ピアニスト・藤田真央氏によるエッセイ

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【直木賞ノミネート!】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』第1話無料公開 ~意識の高い慶應ビジコンサークル篇~

〈タワマン文学〉の旗手・麻布競馬場待望の第2作『令和元年の人生ゲーム』。発売直後から「他人ごととは思えない!」と悲鳴のような反響が続々と…… 4月、やる気に満ちた新入生の皆さまの応援企画として、第1話〈意識の高い慶應ビジコンサークル篇〉を期間限定で全文無料公開いたします! これを読めば5月病も怖くない……はずです。 『令和元年の人生ゲーム』 第1話 平成28年  2016年の春。徳島の公立高校を卒業し、上京して慶応義塾大学商学部に通い始めた僕は、ビジコン運営サークル「イ

    • イナダシュンスケ|ラーメン不満足化待望論

      第26回 ラーメン不満足化待望論 いきなり大きな話から始めますが、人はいったい何を求めて小説やエッセイを読むのでしょう? そんなの十人いたら十通りの答えが返ってきそうですが、そこにおいて「共感」は、誰にとっても大事な要素であるということは言えるはずです。読者は著者や登場人物、なかんずく主人公に共感しつつ、物語を擬似体験する。それが読書の醍醐味であることは間違いありません。  食エッセイという分野においても、この「共感」は、極めて重要なのではないかと思います。大抵の場合、著者

      • 寺地はるな「リボンちゃん」#002

        第二話 ななめ前を歩いていた社長が「なあ」と言ったので、思わず身構えた。社長の声が甲高くなるのは、なにかめんどうな話題を持ち出す前兆だ。  銀行からの帰り道だった。思えば今朝、「きみも来てよ、経理担当なんだから」と声をかけられた時からなんとなく予感はしていたのだ。借り換えの手続ぐらい、いつもなら社長ひとりで済ませているから。 「はい。なんでしょう」  無意識に、髪に手をやった。今日は幅の細い、葡萄色のリボンを髪に編みこんでいる。社長が甲高い声を出すのと同様、わたしにも癖がある

        • 桃野雑派|お守り代わりのペンネーム

           フランク・ザッパの噂はギターを始めた頃から聞いていた。  いわく、天才、奇才、二十世紀最大の芸術家、ザッパの前にも後にもザッパなし。  そう称賛する声がある一方、奇人、変態、気難しい芸術家、不協和音にしか聞こえない音楽―などなど、くさす言葉も同じぐらい見聞きした。  でも僕が興味をひかれた一番の理由は、あのスティーヴ・ヴァイが尊敬する音楽家だったからだ。  ヴァイは今でも僕のアイドルだ。強烈な個性を持ったギタリストで、浮遊感のあるメロディ、複雑なリズム、凝りに凝った楽曲、

          • 第11回 北海道で酔いしれた、絶品お寿司 ひとりでまんぷく 今井真実

             次の出張は北海道と聞いてから、暇さえあれば「寿司 ウニ 札幌」でネット検索をしていた。だって北海道といえば、ウニではないか! 豊富な魚介類があるのは承知の上だが、なんせ夏だし、普段は滅多に食べることのないウニを食べたいのだ。口いっぱいに頬張り、あのとろける甘みを、磯の香りを、なめらかな喉越しを味わいたい。その瞬間を、想像するだけで鼻息が荒くなってしまう。ホテルを予約することさえもすっかり忘れて、ここ最近の私の趣味はもはや「札幌のウニのおいしいお店を探すこと」になっていた。

            • 今村翔吾『海を破る者』冒頭試し読み

              序章  時を追う毎に一人、また一人と、集まって来る。  壁の無い茅舎のような粗末な御堂には、弟子や教えを聞きに来た近郷の僧で溢れ返り、その周囲を数十の民たちが取り囲んでいる。  一遍はすくと立ち上がった。他の僧たちも慌てて立ち上がろうとするのを手で制す。 「まだよ」  弟子の一人が物言いたげな目をしている。 「暑いな」  一遍は手で大袈裟に顔を扇いでみせた。  狭い御堂に三十人以上の僧が詰まっており、その中心に一遍は座していた。折角、心地よい風が吹き抜けているのに、ここは人

              • 小田雅久仁 「夢魔と少女」〈後篇〉

                十八 堀内は横たわった少女の傍らに胡座をかき、その寝顔を、どんな感情も読みとれない巌のような面持ちでじっと見おろしていた。少女はジュースを半分ほど飲んだだけでたちまち強烈な睡魔に襲われたらしく、崩れ落ちるように横になり、早くも穏やかな寝息を立てはじめていた。しかしその心中までが穏やかだったかはわからない。突きあげてくる急激な眠気を、少女は訝しく思ったに違いなく、一服盛られたのではと恐怖に駆られながら眠りの淵に引きずりこまれていったのではあるまいか。  正直、私は暴れてやろうか

                • ピアニスト・藤田真央エッセイ #56〈ウィーン・リサイタルデビュー――コンツェルトハウス〉

                  #55へ / #1へ戻る / TOPページへ 『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  2024年3月15日、私は再びウィーンの地にいた。”再び”というのは、2月にアントワン・タメスティと共にウィーン楽友協会の〈ブラームスザール〉でデュオリサイタルを行い、その次週にはウィーン交響楽団と共に、念願の〈グローサーザール〉デビューを果たしたのだ。この模様はまた次号で触れたい。  ウィーンはとてもコンパクトな街で、空港か

                  • ピアニスト・藤田真央エッセイ #55〈ホフマンとシューマン――小説から生まれた音楽〉

                    『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  ドイツに拠点を移して早2年。これまで世界各国での旅の模様をお伝えしてきたが、その合間にしっかりと大学へも通っていた。演奏旅行を終えて大きなキャリーケースを引きながら大学へ直行したり、レッスンを受けたその足で公演に向かったりすることもしばしば。このように授業に出席できる日は必ず出席し、また時折教授に善処して頂いたお陰で、なんとか単位を揃えることができた。そして遂に今春、ハンス・

                    • 「覗くと死ぬ鏡」|はやせやすひろ×クダマツヒロシ

                      はやせ やすひろ 様  はじめまして。いつもYouTube楽しく拝見しております。  ××県××市に住む村川と申します。 〈呪物コレクター〉として活動されているはやせ様に、折り入ってご相談があり連絡致しました。  私の実家にある〈呪いの銅鏡〉についてです。  この銅鏡が原因で、私が知る限り少なくとも2人の親族が亡くなっています。  いずれも鏡面を覗いてから一週間以内に死んでいます。  一人は曾祖父、二人目は祖父です。祖父は12年前に蔵で鏡を見つけ、その6日後に死にました。

                      ¥300
                      • 栗原ちひろ「余った家」

                        「本当にここ?」  と問うてみたものの、ここ以外のどこでもないだろうという諦めはあった。  だらだらと続く坂の果て、広々とした区画は緑に埋もれており、中にある家の姿はさっぱり見えない。伸びすぎた庭木は一心に空を目指しているが、下の方はおざなりに枝を打たれた跡があった。近隣への配慮なのだろう。  この家の持ち主はかろうじて生きている、ということだ。 「ここだよ。美岬も見たことあるでしょう?」  たおやかな声で言い、女が小さな鞄の中を引っかき回す。ゆるく巻いたチェリーブラウンの髪

                        • 阿津川辰海「山伏地蔵坊の狼狽」——有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします!

                          1 この店から、最後の灯が消える。  という文章を思い浮かべれば、ロマンチックな気分になるかと思ったが、そうでもない。  僕、青野良児はほとんど機械的な動作で、レンタル落ちのビデオテープをレジに通していた。  僕は同い年の友人と二人で、町に五つあるレンタルビデオ店の一つを経営していた。しかし、時代の流れに抗えず、五つあった店は四つになり、三つになり、遂に最後の砦である僕たちの店も今日、店じまいをする。VHSからDVD、ブルーレイという流れまではついていくことが出来たが、配信サ

                          ¥300
                          • 第171回直木賞ノミネート!! 型破りな天才にまるで「憑りつかれた」ように挑んだ日々――岩井圭也ロングインタビュー

                            作家の書き出し Vol.31 〈取材・構成:瀧井朝世〉 ◆南方熊楠を描くなら自分の手で——岩井さんは毎作新しいことに挑戦されていて、新作の『われは熊楠』は初の評伝小説です。以前から知の巨人、南方熊楠に興味があったのでしょうか。 岩井 作家になる前から、いつか熊楠を書かなきゃいけないと思っていました。というのも、両親が和歌山の出身で、特に母方の実家は、まわりに南方姓がいっぱいいる地域だったんですよ。それで私も幼い頃から「南方といえば南方熊楠という人がいて」という話をよく聞い

                            • イナダシュンスケ|とんかつ武士道〈後篇〉

                              ▼まずは〈前篇〉をお読みください。 全文無料公開中! 第25回 とんかつ武士道〈後篇〉  さて、僕は六騎のとんかつのうちの半分を、塩とカラシのみで仕留めました。これは言うなれば忍びの兵法です。くない一本でここまで戦ってきました。初手から本丸のど真ん中に忍び込み、大将であるL3の寝首を搔き、物音を聞いて駆けつけた足軽L1を難なく仕留め、L3を師と慕う若侍L2もあっさりと倒してしまいました。ここまでは闇討ちでした。しかしここからは少し趣が変わります。燦々と陽の光に照らされる、

                              • 【無料公開】イナダシュンスケ|とんかつ武士道〈前篇〉

                                第25回 とんかつ武士道〈前篇〉  とんかつ、と言えばロースかつです。「いや、ヒレかつのことも忘れてもらっては困る」と言う人もいるでしょうが、そういう人でもおそらく、とんかつと聞いて即、脳裏に浮かぶのはロースカツの姿なのではないでしょうか。  そのとんかつは、縦のラインで切断されています。カット数は様々ではありますが、概ね6切れが標準です。僕は常々、世の人々はとんかつひと切れひと切れを十把一絡げ的に扱いすぎなのではないか、という微かな不満を抱いています。なぜならその6切れ

                              • 固定された記事

                              【直木賞ノミネート!】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』第1話無料公開 ~意識の高い慶應ビジコンサークル篇~

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                              • 稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)
                                29本
                              • 今井真実「ひとりでまんぷく」(*食エッセイ)
                                11本
                              • 【単行本発売中】今村翔吾「海を破る者」
                                2本
                              • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」
                                57本
                              • 【単行本発売中】岩井圭也「われは熊楠」(*小説)
                                4本

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                                〈タワマン文学〉の旗手・麻布競馬場待望の第2作『令和元年の人生ゲーム』。発売直後から「他人ごととは思えない!」と悲鳴のような反響が続々と…… 4月、やる気に満ちた新入生の皆さまの応援企画として、第1話〈意識の高い慶應ビジコンサークル篇〉を期間限定で全文無料公開いたします! これを読めば5月病も怖くない……はずです。 『令和元年の人生ゲーム』 第1話 平成28年  2016年の春。徳島の公立高校を卒業し、上京して慶応義塾大学商学部に通い始めた僕は、ビジコン運営サークル「イ

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                                ¥800

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                                寺地はるな「リボンちゃん」#002

                                第二話 ななめ前を歩いていた社長が「なあ」と言ったので、思わず身構えた。社長の声が甲高くなるのは、なにかめんどうな話題を持ち出す前兆だ。  銀行からの帰り道だった。思えば今朝、「きみも来てよ、経理担当なんだから」と声をかけられた時からなんとなく予感はしていたのだ。借り換えの手続ぐらい、いつもなら社長ひとりで済ませているから。 「はい。なんでしょう」  無意識に、髪に手をやった。今日は幅の細い、葡萄色のリボンを髪に編みこんでいる。社長が甲高い声を出すのと同様、わたしにも癖がある

                                ¥800

                                寺地はるな「リボンちゃん」#002

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                                桃野雑派|お守り代わりのペンネーム

                                 フランク・ザッパの噂はギターを始めた頃から聞いていた。  いわく、天才、奇才、二十世紀最大の芸術家、ザッパの前にも後にもザッパなし。  そう称賛する声がある一方、奇人、変態、気難しい芸術家、不協和音にしか聞こえない音楽―などなど、くさす言葉も同じぐらい見聞きした。  でも僕が興味をひかれた一番の理由は、あのスティーヴ・ヴァイが尊敬する音楽家だったからだ。  ヴァイは今でも僕のアイドルだ。強烈な個性を持ったギタリストで、浮遊感のあるメロディ、複雑なリズム、凝りに凝った楽曲、

                                桃野雑派|お守り代わりのペンネーム

                                第11回 北海道で酔いしれた、絶品お寿司 ひとりでまんぷく 今井真実

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                                ¥800

                                第11回 北海道で酔いしれた、絶品お寿司 ひとりでまんぷく 今井真実

                                ¥800

                                今村翔吾『海を破る者』冒頭試し読み

                                序章  時を追う毎に一人、また一人と、集まって来る。  壁の無い茅舎のような粗末な御堂には、弟子や教えを聞きに来た近郷の僧で溢れ返り、その周囲を数十の民たちが取り囲んでいる。  一遍はすくと立ち上がった。他の僧たちも慌てて立ち上がろうとするのを手で制す。 「まだよ」  弟子の一人が物言いたげな目をしている。 「暑いな」  一遍は手で大袈裟に顔を扇いでみせた。  狭い御堂に三十人以上の僧が詰まっており、その中心に一遍は座していた。折角、心地よい風が吹き抜けているのに、ここは人

                                今村翔吾『海を破る者』冒頭試し読み

                                小田雅久仁 「夢魔と少女」〈後篇〉

                                十八 堀内は横たわった少女の傍らに胡座をかき、その寝顔を、どんな感情も読みとれない巌のような面持ちでじっと見おろしていた。少女はジュースを半分ほど飲んだだけでたちまち強烈な睡魔に襲われたらしく、崩れ落ちるように横になり、早くも穏やかな寝息を立てはじめていた。しかしその心中までが穏やかだったかはわからない。突きあげてくる急激な眠気を、少女は訝しく思ったに違いなく、一服盛られたのではと恐怖に駆られながら眠りの淵に引きずりこまれていったのではあるまいか。  正直、私は暴れてやろうか

                                ¥800

                                小田雅久仁 「夢魔と少女」〈後篇〉

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                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #56〈ウィーン・リサイタルデビュー――コンツェルトハウス〉

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                                ¥800

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #56〈ウィーン・リサイタルデビュー――コンツェルトハウス〉

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                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #55〈ホフマンとシューマン――小説から生まれた音楽〉

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                                ¥800

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #55〈ホフマンとシューマン――小説から生まれた音楽〉

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                                「覗くと死ぬ鏡」|はやせやすひろ×クダマツヒロシ

                                はやせ やすひろ 様  はじめまして。いつもYouTube楽しく拝見しております。  ××県××市に住む村川と申します。 〈呪物コレクター〉として活動されているはやせ様に、折り入ってご相談があり連絡致しました。  私の実家にある〈呪いの銅鏡〉についてです。  この銅鏡が原因で、私が知る限り少なくとも2人の親族が亡くなっています。  いずれも鏡面を覗いてから一週間以内に死んでいます。  一人は曾祖父、二人目は祖父です。祖父は12年前に蔵で鏡を見つけ、その6日後に死にました。

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                                「覗くと死ぬ鏡」|はやせやすひろ×クダマツヒロシ

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                                栗原ちひろ「余った家」

                                「本当にここ?」  と問うてみたものの、ここ以外のどこでもないだろうという諦めはあった。  だらだらと続く坂の果て、広々とした区画は緑に埋もれており、中にある家の姿はさっぱり見えない。伸びすぎた庭木は一心に空を目指しているが、下の方はおざなりに枝を打たれた跡があった。近隣への配慮なのだろう。  この家の持ち主はかろうじて生きている、ということだ。 「ここだよ。美岬も見たことあるでしょう?」  たおやかな声で言い、女が小さな鞄の中を引っかき回す。ゆるく巻いたチェリーブラウンの髪

                                ¥800

                                栗原ちひろ「余った家」

                                ¥800

                                阿津川辰海「山伏地蔵坊の狼狽」——有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします!

                                1 この店から、最後の灯が消える。  という文章を思い浮かべれば、ロマンチックな気分になるかと思ったが、そうでもない。  僕、青野良児はほとんど機械的な動作で、レンタル落ちのビデオテープをレジに通していた。  僕は同い年の友人と二人で、町に五つあるレンタルビデオ店の一つを経営していた。しかし、時代の流れに抗えず、五つあった店は四つになり、三つになり、遂に最後の砦である僕たちの店も今日、店じまいをする。VHSからDVD、ブルーレイという流れまではついていくことが出来たが、配信サ

                                ¥300

                                阿津川辰海「山伏地蔵坊の狼狽」——有栖川有栖デビュー35周年記念トリビュート――をお届けします!

                                ¥300

                                第171回直木賞ノミネート!! 型破りな天才にまるで「憑りつかれた」ように挑んだ日々――岩井圭也ロングインタビュー

                                作家の書き出し Vol.31 〈取材・構成:瀧井朝世〉 ◆南方熊楠を描くなら自分の手で——岩井さんは毎作新しいことに挑戦されていて、新作の『われは熊楠』は初の評伝小説です。以前から知の巨人、南方熊楠に興味があったのでしょうか。 岩井 作家になる前から、いつか熊楠を書かなきゃいけないと思っていました。というのも、両親が和歌山の出身で、特に母方の実家は、まわりに南方姓がいっぱいいる地域だったんですよ。それで私も幼い頃から「南方といえば南方熊楠という人がいて」という話をよく聞い

                                第171回直木賞ノミネート!! 型破りな天才にまるで「憑りつかれた」ように挑んだ日々――岩井圭也ロングインタビュー

                                イナダシュンスケ|とんかつ武士道〈後篇〉

                                ▼まずは〈前篇〉をお読みください。 全文無料公開中! 第25回 とんかつ武士道〈後篇〉  さて、僕は六騎のとんかつのうちの半分を、塩とカラシのみで仕留めました。これは言うなれば忍びの兵法です。くない一本でここまで戦ってきました。初手から本丸のど真ん中に忍び込み、大将であるL3の寝首を搔き、物音を聞いて駆けつけた足軽L1を難なく仕留め、L3を師と慕う若侍L2もあっさりと倒してしまいました。ここまでは闇討ちでした。しかしここからは少し趣が変わります。燦々と陽の光に照らされる、

                                ¥800

                                イナダシュンスケ|とんかつ武士道〈後篇〉

                                ¥800

                                【無料公開】イナダシュンスケ|とんかつ武士道〈前篇〉

                                第25回 とんかつ武士道〈前篇〉  とんかつ、と言えばロースかつです。「いや、ヒレかつのことも忘れてもらっては困る」と言う人もいるでしょうが、そういう人でもおそらく、とんかつと聞いて即、脳裏に浮かぶのはロースカツの姿なのではないでしょうか。  そのとんかつは、縦のラインで切断されています。カット数は様々ではありますが、概ね6切れが標準です。僕は常々、世の人々はとんかつひと切れひと切れを十把一絡げ的に扱いすぎなのではないか、という微かな不満を抱いています。なぜならその6切れ

                                【無料公開】イナダシュンスケ|とんかつ武士道〈前篇〉

                                『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』著者・汐見夏衛さん絶賛! 『ナースの卯月に視えるもの』書評

                                 桜が咲き、梅雨入りし、猛暑が続き、秋が来て、クリスマスソングが流れ始め、再び桜の花びらが舞う。季節の移り変わり、ゆっくりと流れていく時間の優しさ、でも確実に時が過ぎて死が近づく残酷さ。  静かな病棟で今日も卯月は、緩やかに確かに死へと向かっていく患者たちに真摯に向き合い、終わりまでの長くはない期間を少しでも快適に過ごしてもらえるようにと、日々奮闘する。  本作には、私もいつか治る見込みのない病気になり終わりを見つめるときが来たら、是非とも卯月や山吹や透子さんや御子柴主任や香

                                『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』著者・汐見夏衛さん絶賛! 『ナースの卯月に視えるもの』書評