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  • ピアニスト・藤田真央「指先から旅をする」

    毎月語り下ろしでお届け!

  • 稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)

    南インド料理店「エリックサウス」総料理長にして、ジャンルを問わず何にでも喰いつく変態料理人。あふれ出る食いしん坊パワーで、世界を味わい尽くすエッセイをお届けします。月イチ連載

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【アーカイブ動画公開】五十嵐律人×浅倉秋成×白井智之ライブトーク!「ダークミステリーが好き」

※記事の下部「購読者限定エリア」にて アーカイブ動画がご覧頂けます。  リーガルミステリーで人気の五十嵐律人さんの新作『魔女の原罪』が2023年4月24日に発売になりました! これを記念して、5月1日(月) 20:00から人気作家3人によるライブトークが開催されました。 『魔女の原罪』にまつわるお話はもちろん、過激な設定やビターな味わいが堪能できる「ダークミステリー」についての楽しみ方、さらに三者三様の創作流儀や代表作にまつわる創作秘話までたっぷり90分! 当日ご覧になれな

    • ピアニスト・藤田真央エッセイ#25〈完璧な響きの中で――ベルリン・フィルハーモニー・デビュー〉

       ミラノの後はベルリンに帰り、4月1日のコンサートに向けて、ラフマニノフの《ピアノ協奏曲 第3番》の練習に集中した。《第3番》は演奏する機会が非常に多いが、何度弾こうとも緊張する。毎回楽譜を丁寧に読みこまないと、ラフマニノフが細かく記したフレージングや強弱を忘れて、自分の好きなように気持ちよく弾きがちなので、自分自身を戒めながら練習に取り組んだ。  リハーサルは公演前日の午前中で、GP(ゲネプロ:最終リハーサル)も同じ日の午後だという。本番の舞台上で初めてオーケストラの団員

      • ピアニスト・藤田真央エッセイ#24〈満員のコンセルトヘボウから、一転――ミラノのペペロンチーノが教えてくれたこと〉

         3月上旬のアムステルダム・コンセルトヘボウでの演奏会後はコロナに感染してしまい、自宅療養を余儀なくされた。2週間静養できたおかげですっかり快復し、さて次のコンサートはというと、今度はモーツァルトのピアノソナタ・リサイタル、場所は再びアムステルダム・コンセルトヘボウだった。  アムステルダムは昼と夜で完全に印象が変わる興味深い街だ。日中はカラフルな建物が目に鮮やかで可愛らしいが、夜はピンクや紫色のぎらぎらしたネオンが輝く。  前回の公演で訪れた際にも、ソワレ後の帰り道で激昂

        • 苛烈な人生に翻弄される一人の男… 矢月秀作、新連載スタート!「桜虎の道」#001

          背中を丸め、とぼとぼ歩く冴えない男――桜田哲。 司法書士事務所で見習いとして働くこの男には、 誰にも言えないウラの顔があった。 プロローグ「今日もこの時間か……」  桜田は、街灯の明かりの下で腕時計に目を落とし、ため息をついた。  桜田哲が勤務する尾見司法書士事務所を出たのは、午前一時を回った頃だった。  任されていた不動産登記がなかなか仕上がらず、仕方なく残業していた。  ようやく一案件は書き終えたものの、まだ抱えている作成途中の書類は山積みだ。  まだまだ残業が続くのか

          • 大前粟生「チワワ・シンドローム」#002

            マッチングアプリで出会った三枝新太との 次の一歩を踏み出すべく、花火大会デートを取り付けた琴美。 当日、会場で新太を待つ琴美が見たものは…… 7 八月一九日、新卒採用の内定者が三十名決定した。高校生の時に自分たちで作り上げたサッカー部を県大会優勝に導いたという男子学生や、地域の図書館に子どもだけでなく大人までターゲットにした毎月の読み聞かせイベントの企画を持ち込み、時には著名なゲストを呼んで三年間運営したという女子学生など、今年の内定者は目を引く人が多かった。その中には、観

            • 【全文無料公開中】大前粟生「チワワ・シンドローム」#001

              全国800人に突然、チワワのピンバッジが付けられた―― 人事部で働く田井中琴美は YouTuberリリとともに、この”チワワテロ”を追うことに…… 1 田井中琴美は、学生たちが退室するやいなや、スマホを確認した。面接官として学生たちの話を聞いている最中にポケットの中のスマホが小さく震えたので、もしかしてと思ったのだ。LINEを確認すると、やっぱり、三枝新太からメッセージが来ていた。他の面接官たちの目を盗んで、返信を素早く打ち込む。  新太とはマッチングアプリで知り合った。

              • イナダシュンスケ|蘊蓄の悲哀

                第12回 蘊蓄の悲哀 あらゆる飲食店は「一目置かれたい」と考えています。なぜなら同じ料理でも、一目置かれた状態で食べ始めるか、ただ漫然と食べ始めるかで、評価は全く違ってくるから。漫然と食べられると、最悪の場合、上から目線で妙なことをネットに書かれたりもします。少なくともそれだけは全力で避けねばならない。  一目置かれたいんだったら味そのもので勝負しろよ、というのは正論です。正論ですがそれは、酷というものでもあります。  かつては世の中にあまりおいしくないものがたくさんありま

                • 2023年注目の華文ミステリ大集合! ビブリオバトル完全レポート

                   ゲストに作家の三津田信三先生と大倉崇裕先生、北京在住の翻訳家・阿井幸作先生をお招きして2023年2月15日に開催されたオンラインイベント「新春!華文ミステリビブリオバトル」。  華文ミステリ(中国語圏出身・在住の作家によるミステリ小説)の翻訳に力を入れる文藝春秋・ハーパーBOOKS・行舟文化の三社合同イベントとして、各社担当編集者が23年刊行予定のイチオシ新刊をプレゼンバトル形式で紹介、先生方に「最も読みたくなった一冊」を選んでいただきました!  盛況に終わったイベントの模

                  • 料理家・今井真実さんのエッセイ連載がスタート! 第1回「心置きなくスパイスラーメン」

                     第1回 心置きなくスパイスラーメン  数ヶ月に一度のヘアカット。行きつけの下北沢の美容院へ行く時は、平日の朝10時に予約すると決めている。小学生の子供の帰宅に充分間に合う時間だし、白髪を染めて髪を切ると、ちょうどお昼時に終わるからだ。 「最近美味しいお店ありました?」と美容師のYさんに聞いて、最新の情報を手に入れる。髪を綺麗にしてもらい、ランチをひとりで食べて帰るのが私の楽しみだった。  私は中学生の頃から「ひとりランチ」の食べ歩きをこよなく愛していた。美味しいものを

                    • 麻布競馬場「令和元年の人生ゲーム」第二話

                      無気力な同期、転職していく親友、新入社員にも容赦のない上司。 大手町で”圧倒的成長”を遂げるはずだった私は…… 「令和元年の人生ゲーム」 第二話 2019年4月、私は早稲田大学政治経済学部を卒業して、大手町にある人材系最大手企業「パーソンズエージェント」に新卒入社した。就活生の間で「パーソンズ」の人気は非常に高かった。「1年目から圧倒的な裁量を与えられて圧倒的に成長できる」とか、「実力主義が徹底していて年次に関係なくマネージャーや子会社社長に抜擢される」とか、「30歳で

                      • 世界的写真展が京都で開催中!――KYOTOGRAPHIE 注目展示7選│透明ランナー

                         京都を訪れた回数を数えたら33回でしたが、そのうち13回がKYOTOGRAPHIEでした。今年もKYOTOGRAPHIEの季節がやってきました。  KYOTOGRAPHIEは例年4月から5月にかけて京都で行われる国際的な写真展です。2013年に始まり、今年で第11回を迎えます。写真を主に取り扱う国際芸術祭は、日本ではもちろん最大規模ですし、世界を見渡しても有数のものです。コロナ禍で存続の危機を迎えたこともありますが、一時的に開催時期を秋にずらしたり、クラウドファンディング

                        • ピアニスト・藤田真央エッセイ#23〈憧れの赤絨毯――コンセルトヘボウ・デビュー〉

                          ▼#22 バンクーバーからアムステルダムへ  そして迎えたコンセルトヘボウ・デビューの時。  20時15分、私の部屋がノックされ、エレベーターで1階(日本でいう2階)に向かい、あの階段へと続く扉の前に立った。  シャイーに「素晴らしい音楽作りをしよう」と声をかけられ、それを合図に2人のステージマネージャーが寸分違わぬタイミングで両扉をバッと開いた。  視界に飛び込んできたのは、赤い絨毯の階段と、ぎっしり詰まった満員のお客様、美しいコンセルトヘボウの会場、そして真ん中には

                          • ピアニスト・藤田真央エッセイ#22〈バンクーバーからアムステルダムへ――コンセルトヘボウ・デビューに向けて〉

                            ▼藤田さん連載「指先から旅をする」はこちら  2023年3月5日、私はカナダ・デビュー・リサイタルのため、バンクーバーの地を訪れた。バンクーバーは空港から街中まで車で20分、美しいビーチや壮大な雪山へも30分ほどという、コンパクトで素敵な街だ。  一つ欠点を挙げるのであれば、日本のようにクラシック音楽の為に設計されたホールがないことだろう。かつて秋山和慶先生が音楽監督を務めておられた(現在は桂冠指揮者)オーケストラ「バンクーバー交響楽団」の本拠地❝The Orpheum❞の

                            • 登録者数67万人のYouTuber・コウイチが繰り出した、読者の日常を搔き乱す『計画書』とは?

                              「この本には、仕掛けがある」——ものものしいコピーがおどる、漆黒の帯と表紙。まさに「ブラック」な笑いで人気を博しているユーチューバーのコウイチ氏が、初の小説を上梓した。舞台は平凡極まりない町だが、少しずつ日常が破れ、予想もつかない事件が顔をのぞかせる。 「ぬくぬくとした安全地帯に自分だけいられると思うなよ、と。登場人物はもちろん、読者も揺さぶる本にしたかったんです」  ネタバレ厳禁の話題作を生み出した、作者の”計画”をうかがった。 「生まれは北海道の田舎です。娯楽が本当にな

                              • 「創作大賞2023」に『別冊文藝春秋』も参加決定!〈お仕事ミステリー〉をお待ちしてます✨

                                 日本最大級の投稿コンテスト「創作大賞」第2回、開催決定! 今年は『別冊文藝春秋』も参加します!!  今回は、各出版社から「13編集部」が参加、小説から漫画原作、コミックエッセイまで部門は様々。詳細は下記サイトをご覧ください。 #創作大賞2023 募集開始 * 『別冊文藝春秋』では◆〈お仕事ミステリー小説〉を募集します!  エンタメ系電子小説誌『別冊文藝春秋』及び「WEB別冊文藝春秋」では、生き生きしたキャラクターが活躍する〈お仕事ミステリー〉を求めています。 ◆「別

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                              • 朝倉かすみ「よむよむかたる」(*小説)
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                                苛烈な人生に翻弄される一人の男… 矢月秀作、新連載スタート!「桜虎の道」#001

                                背中を丸め、とぼとぼ歩く冴えない男――桜田哲。 司法書士事務所で見習いとして働くこの男には、 誰にも言えないウラの顔があった。 プロローグ「今日もこの時間か……」  桜田は、街灯の明かりの下で腕時計に目を落とし、ため息をついた。  桜田哲が勤務する尾見司法書士事務所を出たのは、午前一時を回った頃だった。  任されていた不動産登記がなかなか仕上がらず、仕方なく残業していた。  ようやく一案件は書き終えたものの、まだ抱えている作成途中の書類は山積みだ。  まだまだ残業が続くのか

                                大前粟生「チワワ・シンドローム」#002

                                マッチングアプリで出会った三枝新太との 次の一歩を踏み出すべく、花火大会デートを取り付けた琴美。 当日、会場で新太を待つ琴美が見たものは…… 7 八月一九日、新卒採用の内定者が三十名決定した。高校生の時に自分たちで作り上げたサッカー部を県大会優勝に導いたという男子学生や、地域の図書館に子どもだけでなく大人までターゲットにした毎月の読み聞かせイベントの企画を持ち込み、時には著名なゲストを呼んで三年間運営したという女子学生など、今年の内定者は目を引く人が多かった。その中には、観

                                【全文無料公開中】大前粟生「チワワ・シンドローム」#001

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                                イナダシュンスケ|蘊蓄の悲哀

                                第12回 蘊蓄の悲哀 あらゆる飲食店は「一目置かれたい」と考えています。なぜなら同じ料理でも、一目置かれた状態で食べ始めるか、ただ漫然と食べ始めるかで、評価は全く違ってくるから。漫然と食べられると、最悪の場合、上から目線で妙なことをネットに書かれたりもします。少なくともそれだけは全力で避けねばならない。  一目置かれたいんだったら味そのもので勝負しろよ、というのは正論です。正論ですがそれは、酷というものでもあります。  かつては世の中にあまりおいしくないものがたくさんありま

                                2023年注目の華文ミステリ大集合! ビブリオバトル完全レポート

                                 ゲストに作家の三津田信三先生と大倉崇裕先生、北京在住の翻訳家・阿井幸作先生をお招きして2023年2月15日に開催されたオンラインイベント「新春!華文ミステリビブリオバトル」。  華文ミステリ(中国語圏出身・在住の作家によるミステリ小説)の翻訳に力を入れる文藝春秋・ハーパーBOOKS・行舟文化の三社合同イベントとして、各社担当編集者が23年刊行予定のイチオシ新刊をプレゼンバトル形式で紹介、先生方に「最も読みたくなった一冊」を選んでいただきました!  盛況に終わったイベントの模

                                料理家・今井真実さんのエッセイ連載がスタート! 第1回「心置きなくスパイスラーメン」

                                 第1回 心置きなくスパイスラーメン  数ヶ月に一度のヘアカット。行きつけの下北沢の美容院へ行く時は、平日の朝10時に予約すると決めている。小学生の子供の帰宅に充分間に合う時間だし、白髪を染めて髪を切ると、ちょうどお昼時に終わるからだ。 「最近美味しいお店ありました?」と美容師のYさんに聞いて、最新の情報を手に入れる。髪を綺麗にしてもらい、ランチをひとりで食べて帰るのが私の楽しみだった。  私は中学生の頃から「ひとりランチ」の食べ歩きをこよなく愛していた。美味しいものを

                                麻布競馬場「令和元年の人生ゲーム」第二話

                                無気力な同期、転職していく親友、新入社員にも容赦のない上司。 大手町で”圧倒的成長”を遂げるはずだった私は…… 「令和元年の人生ゲーム」 第二話 2019年4月、私は早稲田大学政治経済学部を卒業して、大手町にある人材系最大手企業「パーソンズエージェント」に新卒入社した。就活生の間で「パーソンズ」の人気は非常に高かった。「1年目から圧倒的な裁量を与えられて圧倒的に成長できる」とか、「実力主義が徹底していて年次に関係なくマネージャーや子会社社長に抜擢される」とか、「30歳で

                                世界的写真展が京都で開催中!――KYOTOGRAPHIE 注目展示7選│透明ランナー

                                 京都を訪れた回数を数えたら33回でしたが、そのうち13回がKYOTOGRAPHIEでした。今年もKYOTOGRAPHIEの季節がやってきました。  KYOTOGRAPHIEは例年4月から5月にかけて京都で行われる国際的な写真展です。2013年に始まり、今年で第11回を迎えます。写真を主に取り扱う国際芸術祭は、日本ではもちろん最大規模ですし、世界を見渡しても有数のものです。コロナ禍で存続の危機を迎えたこともありますが、一時的に開催時期を秋にずらしたり、クラウドファンディング

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ#23〈憧れの赤絨毯――コンセルトヘボウ・デビュー〉

                                ▼#22 バンクーバーからアムステルダムへ  そして迎えたコンセルトヘボウ・デビューの時。  20時15分、私の部屋がノックされ、エレベーターで1階(日本でいう2階)に向かい、あの階段へと続く扉の前に立った。  シャイーに「素晴らしい音楽作りをしよう」と声をかけられ、それを合図に2人のステージマネージャーが寸分違わぬタイミングで両扉をバッと開いた。  視界に飛び込んできたのは、赤い絨毯の階段と、ぎっしり詰まった満員のお客様、美しいコンセルトヘボウの会場、そして真ん中には

                                登録者数67万人のYouTuber・コウイチが繰り出した、読者の日常を搔き乱す『計画書』とは?

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                                ピアニスト・藤田真央エッセイ#22〈バンクーバーからアムステルダムへ――コンセルトヘボウ・デビューに向けて〉

                                ▼藤田さん連載「指先から旅をする」はこちら  2023年3月5日、私はカナダ・デビュー・リサイタルのため、バンクーバーの地を訪れた。バンクーバーは空港から街中まで車で20分、美しいビーチや壮大な雪山へも30分ほどという、コンパクトで素敵な街だ。  一つ欠点を挙げるのであれば、日本のようにクラシック音楽の為に設計されたホールがないことだろう。かつて秋山和慶先生が音楽監督を務めておられた(現在は桂冠指揮者)オーケストラ「バンクーバー交響楽団」の本拠地❝The Orpheum❞の

                                「創作大賞2023」に『別冊文藝春秋』も参加決定!〈お仕事ミステリー〉をお待ちしてます✨

                                 日本最大級の投稿コンテスト「創作大賞」第2回、開催決定! 今年は『別冊文藝春秋』も参加します!!  今回は、各出版社から「13編集部」が参加、小説から漫画原作、コミックエッセイまで部門は様々。詳細は下記サイトをご覧ください。 #創作大賞2023 募集開始 * 『別冊文藝春秋』では◆〈お仕事ミステリー小説〉を募集します!  エンタメ系電子小説誌『別冊文藝春秋』及び「WEB別冊文藝春秋」では、生き生きしたキャラクターが活躍する〈お仕事ミステリー〉を求めています。 ◆「別

                                ブックガイドーー民主主義を巡って〈後篇〉~各国の実態~|白石直人

                                 前回の記事では、民主主義を巡る思想と民主化の歴史を見た。今回は、民主主義を実現させていく際に直面する問題を、日本及び世界各国の実態を見ながら考えていきたい。 ◆選挙制度はいかに機能するか  選挙制度の議論は、技術的な問題か、ともすると党利党略のための論争と見られ、疎んじられがちである。だが、どのような制度を用いるかは、民主主義がどれだけ機能するかを定める重要な要素である。砂原庸介・著『民主主義の条件――大人が学んでおきたい政治のしくみ基礎のキソ』(東洋経済新報社)は、選