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  • WEB別冊文藝春秋【無料記事】

    WEB別冊文藝春秋の無料で読める記事をまとめました。

  • 矢月秀作「桜虎の道」(*小説)

    司法書士事務所で見習いとして働く桜田哲。“特殊な経歴”を持つ彼のもとに奇妙な依頼が舞い込む。それは不動産王・木下義人が作成した《秘密証書遺言》の預かり証を、身内ではなく桜田に預かって欲しいというものだった!

  • 令和元年の人生ゲーム

    第一志望だった慶應に合格し、晴れて上京。 新生活への希望に胸を膨らませる僕を迎えたのは、 「元」高校生社長と、暗い目をした不気味な男だった――

  • 伊岡瞬「追跡」(*小説)

    火災現場で発見された“父親とその息子夫婦”の遺体。しかしその後、この三人は赤の他人であることが判明する――。彼らが家族を装った目的とは? 世界の不穏な真実を暴くノンストップサスペンス

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【㊗発売即重版!】ピアニスト・藤田真央さん初著作『指先から旅をする』

 ピアニスト・藤田真央さんによるエッセイ&語り下ろし連載「指先から旅をする」がこのたび本になりました。 弱冠24歳にして「世界のMAO」に 2019年、20歳で世界3大ピアノコンクールのひとつ、チャイコフスキー国際コンクールで第2位入賞。以降、世界のマエストロからラブコールを受け、数々の名門オーケストラとの共演を実現させてきた藤田さん。 現在はベルリンに拠点を移し、ヴェルビエ音楽祭、ルツェルン音楽祭といった欧州最高峰の舞台で観客を熱狂させています。 エッセイ&語り下ろし

    • 矢月秀作「桜虎の道」#006

      第5章1  桜田は一睡もしないまま、事務所に出勤した。自席につき、息を吐くと、そのまま机に突っ伏しそうになる。  そこに、有坂が出勤してきた。 「おはようございます!」  大きな声が桜田の耳に響く。  有坂はカツカツと靴を鳴らし、桜田に近づいてきた。 「おやおや、桜田さん! 元気ありませんねえ。大丈夫ですか?」  有坂が言う。  桜田は顔を向けた。相変わらず、有坂は笑顔だ。心配しているんだか、からかっているんだか、わからない。 「ええ、まあ……」  桜田は太腿に手をついて、

      • 【3/30(土)】麻布競馬場×メン獄トークショー「令和の会社員人生を駆け抜けろ!」@青山ブックセンター

         麻布競馬場さん×メン獄さんのトークショー&サイン会「令和の会社員人生を駆け抜けろ!」が、3月30日(土)に東京・青山ブックセンター本店で開催されます! ▼詳細・お申し込み(青山ブックセンター本店のHPに飛びます)  2021年10月にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に〈タワマン文学〉旋風を巻き起こした麻布競馬場さん。  1991年生まれの32歳、現在兼業作家として活動する麻布さんは、会社員生活の中で「ついこの間まで自分は“若手”だったはずなのに、下の世代と

        • 伊岡瞬「追跡」#004

          10 火災二日目 樋口(承前) アオイに指示されるがまま、樋口透吾の運転するレクサスは、中央自動車道を西へ進む。  ほどなく神奈川県に入り、それもすぐに通り過ぎ、山梨県に入った。 「どこまで進みます?」  ルームミラーで、アオイと『雛』こと因幡航少年のようすをちらりとうかがう。アオイは視線を伏せて何か操作している。スマートフォンで位置情報の確認をしているか、誰かと交信しているのかもしれない。  航はほとんど無表情のまま、窓の外に視線を投げている。多少不安げではあるが、もっと濃

          • イナダシュンスケ|羊肉期の終り

            第22回 羊肉期の終り 「羊肉はお好きですか?」  この質問にイエスと答える人の中には、まず、多くの北海道民が含まれているのではないかと思います。北海道は日本で最も日常的に羊肉が食べられている地域。人々は子供の頃から当たり前のようにジンギスカンで羊肉に触れ、自然とそれに慣れ親しみ、そして一生それを愛し続けます。言うなれば、幼馴染と自然に恋に落ち、そのまま一生を仲睦まじく添い遂げるようなもの。しかし道民以外の多くの人々にとって、羊肉との出会いとはそういうものではありません。

            • 前川ほまれ|一緒に映画を観たい人

               私は元々、趣味が少ない。強いて挙げるとするなら、映画鑑賞だろうか。特に好きな映画のジャンルはないので、いつも直感で観る作品を選んでいる。  小説の執筆においても、映画鑑賞後に新作のイメージが閃くことが多々あった。たとえば私の既刊『セゾン・サンカンシオン』は、ジェームズ・マンゴールド監督の『17歳のカルテ』に強く影響を受けている。それに、作家として活動するようになってから、映画は心理的な避難場所としても機能していた。執筆がどうしても行き詰まった時は、一旦全てを投げ出して映画の

              • ブックレビュー:科学とは何なのか~科学哲学の世界|白石直人

                 科学哲学は、哲学の中でも特に「科学とは何か」といった問題や、生物学などの個々の科学にまつわる哲学的問題を取り扱う分野である。哲学の中でもやや特別な分野なので、今回の記事では科学哲学に絞って、本を見ていきたいと思う。 科学とは何か 科学哲学の最初の一冊としては、A.F.チャルマーズ・著『改訂新版 科学論の展開——科学と呼ばれているのは何なのか?』(高田紀代志、佐野正博訳、恒星社厚生閣)は広範なトピックスをバランスよく取り扱う入門書であり、お薦めしたい本である。初版はやや古い

                • ピアニスト・藤田真央エッセイ #47〈異次元の演奏――ルツェルン音楽祭〉

                  『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  翌9月2日。ゆっくり起床し、朝10時過ぎに会場入りするとすぐさまステージへ向かう。ここで私を待ち受けていたのは、有難いサプライズだった。なんと、KKLのスタッフが去年の公演時に使用したピアノの機種を覚えてくれていたのだ。私はきらきらと音の飛びやすい新しいピアノより、味のある古いピアノを好む。彼らは前回私がセレクトしたものと同じピアノを既に会場にセッティングし、笑顔で迎えてくれ

                  • 大木亜希子「マイ・ディア・キッチン」第3話 料理監修:今井真実

                    第三話 この街に来て、あっという間に二ヶ月半が過ぎた。  その間に季節は冬を迎え、夜の商店街ではクリスマスのイルミネーションが光輝いている。花屋や雑貨屋の軒先にはクリスマスのオーナメントが飾られ、居酒屋ひしめく一帯からはおでんの香りが漂う。そのアンバランスさを、真っ直ぐに伸びるアーケードが包み込んでいた。  もう二十時だというのに人通りは多い。どこからともなく流れる『ジングルベル』のBGMを聴きながら私は今、人々からの好奇の目に晒されていた。  天堂さんに那津さん、そして私。

                    • ピアニスト・藤田真央エッセイ #46〈憧れの大舞台が‶ホーム”に――ルツェルン音楽祭〉

                      『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  まだヨーロッパでのキャリアの浅い私は、生まれて初めて訪れる土地で公演を行うことが多い。常に異邦人として旅する心細い日々の中、稀に「ただいま」と見知った場所を訪れると、オアシスの恵みを見つけたように感じる。  2023年9月2日、100年近い歴史を誇る、伝統あるルツェルン音楽祭で2度目の公演を行うこととなった。昨年は協奏曲のコンサートだったが、今年はリサイタルでの登場となる。

                      • 三宅香帆の「フェチ小説が読みたい!」| 第1回 綿矢りさの〝アパレル小説〟

                        第1回 綿矢りさの〝アパレル小説〟 恋愛小説、ミステリ小説、SF小説、ホラー小説、ファンタジー小説、青春小説。この世の小説はさまざまなジャンルに分類されている。  しかし小説を読んでいると、思うのだ。もっと作者のフェチを感じるジャンル分けがあってもいいのではないか!?  小説を読んでいるとき、作者のフェティシズムが漏れ出る文章が現れると、読者としてこのうえない快楽を覚える。映像と違って文章のみで構成される小説は、同じ風景を描くにしても、どのように描写するか、どれくらい書き

                        • 衝撃のラストが待ち受ける、恋愛リアリティーショー×孤島ミステリ!|中村あき『好きです、死んでください』インタビュー

                           無人島での恋愛リアリティーショーの撮影中、人気女優が殺された。しかも密室で——。 『好きです、死んでください』というインパクトのあるタイトルと、儚げな女性の装画が目を引く本書は、孤島で起きた連続殺人の謎を追うミステリ小説だ。  著者の中村あきさんは、2013年に星海社FICTIONS新人賞を受賞しデビュー。21年に『チェス喫茶フィアンケットの迷局集』で第3回双葉文庫ルーキー大賞を受賞し、本作が初の単行本となる。 「デビュー当時は、自分と同じような本格ミステリファンに刺さる

                          • 【期間限定・無料公開中】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』第2話

                            〈タワマン文学〉の旗手・麻布競馬場待望の第2作『令和元年の人生ゲーム』が2月21日についに刊行されました! 発売直後から「他人ごととは思えない!」とすでに悲鳴のような反響が続々と…… この興奮をぜひ皆さんと共有できればと、全4話の短篇のうちもっとも「ザワつき度」の高い第2話〈大手町のキラキラメガベンチャー・新入社員篇〉を期間限定で全文無料公開いたします! 『令和元年の人生ゲーム』 第2話 平成31年  2019年4月、私は早稲田大学政治経済学部を卒業して、大手町にある人

                            • 小田雅久仁 「夢魔と少女」〈前篇〉

                              一 亡霊のほとんどは場所に憑くもので、ひとところに執着して来る日も来る日も道端に立ちつくしたり、打ち捨てられた屋敷のなかを果てもなく歩きまわったりする。人や物に憑く亡霊もいて、そういう連中はその人や物の行く先ざきにどこまでもついてゆく。いずれにしても、亡霊というやつは、自らの意思で自由に歩きまわることがない。言葉が通じるやつもいるが、空気が読めず、自分のことばかり話したがり、ろくに人の話を聞かない。かと思うと、ただただぼうっとしてひと言も口を利かないのがいたり、猛犬さながらに

                              • 宮島未奈「婚活マエストロ」第二話

                                第二話 一人暮らしには快適な六畳一間も、他人が来ると狭すぎて酸素が薄く感じられる。大学生なら大勢でワイワイやっても許されるだろうが、四十路のおっさんは三人で定員オーバーだ。 「この部屋に来ると、タイムスリップしたみたいな気持ちになるよ」  桑原はそう言って床に寝っ転がった。杉田も「そうだよなー」と同意する。 「いやいや、テレビとか変わってるから」  俺は大学入学から二十年以上、レジデンス田中の同じ部屋に住んでいる。今使っているテレビは三代目だし、カーテンやラグなどマイナーチェ

                              • 固定された記事

                              【㊗発売即重版!】ピアニスト・藤田真央さん初著作『指先から旅をする』

                              マガジン

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                              • 伊岡瞬「追跡」(*小説)
                                WEB別冊文藝春秋
                              • 稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」(*食エッセイ)
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                              記事

                                矢月秀作「桜虎の道」#006

                                第5章1  桜田は一睡もしないまま、事務所に出勤した。自席につき、息を吐くと、そのまま机に突っ伏しそうになる。  そこに、有坂が出勤してきた。 「おはようございます!」  大きな声が桜田の耳に響く。  有坂はカツカツと靴を鳴らし、桜田に近づいてきた。 「おやおや、桜田さん! 元気ありませんねえ。大丈夫ですか?」  有坂が言う。  桜田は顔を向けた。相変わらず、有坂は笑顔だ。心配しているんだか、からかっているんだか、わからない。 「ええ、まあ……」  桜田は太腿に手をついて、

                                矢月秀作「桜虎の道」#006

                                【3/30(土)】麻布競馬場×メン獄トークショー「令和の会社員人生を駆け抜けろ!」@青山ブックセンター

                                 麻布競馬場さん×メン獄さんのトークショー&サイン会「令和の会社員人生を駆け抜けろ!」が、3月30日(土)に東京・青山ブックセンター本店で開催されます! ▼詳細・お申し込み(青山ブックセンター本店のHPに飛びます)  2021年10月にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に〈タワマン文学〉旋風を巻き起こした麻布競馬場さん。  1991年生まれの32歳、現在兼業作家として活動する麻布さんは、会社員生活の中で「ついこの間まで自分は“若手”だったはずなのに、下の世代と

                                【3/30(土)】麻布競馬場×メン獄トークショー「令和の会社員人生を駆け抜けろ!」@青山ブックセンター

                                伊岡瞬「追跡」#004

                                10 火災二日目 樋口(承前) アオイに指示されるがまま、樋口透吾の運転するレクサスは、中央自動車道を西へ進む。  ほどなく神奈川県に入り、それもすぐに通り過ぎ、山梨県に入った。 「どこまで進みます?」  ルームミラーで、アオイと『雛』こと因幡航少年のようすをちらりとうかがう。アオイは視線を伏せて何か操作している。スマートフォンで位置情報の確認をしているか、誰かと交信しているのかもしれない。  航はほとんど無表情のまま、窓の外に視線を投げている。多少不安げではあるが、もっと濃

                                伊岡瞬「追跡」#004

                                イナダシュンスケ|羊肉期の終り

                                第22回 羊肉期の終り 「羊肉はお好きですか?」  この質問にイエスと答える人の中には、まず、多くの北海道民が含まれているのではないかと思います。北海道は日本で最も日常的に羊肉が食べられている地域。人々は子供の頃から当たり前のようにジンギスカンで羊肉に触れ、自然とそれに慣れ親しみ、そして一生それを愛し続けます。言うなれば、幼馴染と自然に恋に落ち、そのまま一生を仲睦まじく添い遂げるようなもの。しかし道民以外の多くの人々にとって、羊肉との出会いとはそういうものではありません。

                                イナダシュンスケ|羊肉期の終り

                                前川ほまれ|一緒に映画を観たい人

                                 私は元々、趣味が少ない。強いて挙げるとするなら、映画鑑賞だろうか。特に好きな映画のジャンルはないので、いつも直感で観る作品を選んでいる。  小説の執筆においても、映画鑑賞後に新作のイメージが閃くことが多々あった。たとえば私の既刊『セゾン・サンカンシオン』は、ジェームズ・マンゴールド監督の『17歳のカルテ』に強く影響を受けている。それに、作家として活動するようになってから、映画は心理的な避難場所としても機能していた。執筆がどうしても行き詰まった時は、一旦全てを投げ出して映画の

                                前川ほまれ|一緒に映画を観たい人

                                ブックレビュー:科学とは何なのか~科学哲学の世界|白石直人

                                 科学哲学は、哲学の中でも特に「科学とは何か」といった問題や、生物学などの個々の科学にまつわる哲学的問題を取り扱う分野である。哲学の中でもやや特別な分野なので、今回の記事では科学哲学に絞って、本を見ていきたいと思う。 科学とは何か 科学哲学の最初の一冊としては、A.F.チャルマーズ・著『改訂新版 科学論の展開——科学と呼ばれているのは何なのか?』(高田紀代志、佐野正博訳、恒星社厚生閣)は広範なトピックスをバランスよく取り扱う入門書であり、お薦めしたい本である。初版はやや古い

                                ブックレビュー:科学とは何なのか~科学哲学の世界|白石直人

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #47〈異次元の演奏――ルツェルン音楽祭〉

                                『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  翌9月2日。ゆっくり起床し、朝10時過ぎに会場入りするとすぐさまステージへ向かう。ここで私を待ち受けていたのは、有難いサプライズだった。なんと、KKLのスタッフが去年の公演時に使用したピアノの機種を覚えてくれていたのだ。私はきらきらと音の飛びやすい新しいピアノより、味のある古いピアノを好む。彼らは前回私がセレクトしたものと同じピアノを既に会場にセッティングし、笑顔で迎えてくれ

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #47〈異次元の演奏――ルツェルン音楽祭〉

                                大木亜希子「マイ・ディア・キッチン」第3話 料理監修:今井真実

                                第三話 この街に来て、あっという間に二ヶ月半が過ぎた。  その間に季節は冬を迎え、夜の商店街ではクリスマスのイルミネーションが光輝いている。花屋や雑貨屋の軒先にはクリスマスのオーナメントが飾られ、居酒屋ひしめく一帯からはおでんの香りが漂う。そのアンバランスさを、真っ直ぐに伸びるアーケードが包み込んでいた。  もう二十時だというのに人通りは多い。どこからともなく流れる『ジングルベル』のBGMを聴きながら私は今、人々からの好奇の目に晒されていた。  天堂さんに那津さん、そして私。

                                大木亜希子「マイ・ディア・キッチン」第3話 料理監修:今井真実

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #46〈憧れの大舞台が‶ホーム”に――ルツェルン音楽祭〉

                                『指先から旅をする』が書籍化しました! 世界中で撮影された公演&オフショット満載でお届けします。  まだヨーロッパでのキャリアの浅い私は、生まれて初めて訪れる土地で公演を行うことが多い。常に異邦人として旅する心細い日々の中、稀に「ただいま」と見知った場所を訪れると、オアシスの恵みを見つけたように感じる。  2023年9月2日、100年近い歴史を誇る、伝統あるルツェルン音楽祭で2度目の公演を行うこととなった。昨年は協奏曲のコンサートだったが、今年はリサイタルでの登場となる。

                                ピアニスト・藤田真央エッセイ #46〈憧れの大舞台が‶ホーム”に――ルツェルン音楽祭〉

                                三宅香帆の「フェチ小説が読みたい!」| 第1回 綿矢りさの〝アパレル小説〟

                                第1回 綿矢りさの〝アパレル小説〟 恋愛小説、ミステリ小説、SF小説、ホラー小説、ファンタジー小説、青春小説。この世の小説はさまざまなジャンルに分類されている。  しかし小説を読んでいると、思うのだ。もっと作者のフェチを感じるジャンル分けがあってもいいのではないか!?  小説を読んでいるとき、作者のフェティシズムが漏れ出る文章が現れると、読者としてこのうえない快楽を覚える。映像と違って文章のみで構成される小説は、同じ風景を描くにしても、どのように描写するか、どれくらい書き

                                三宅香帆の「フェチ小説が読みたい!」| 第1回 綿矢りさの〝アパレル小説〟

                                衝撃のラストが待ち受ける、恋愛リアリティーショー×孤島ミステリ!|中村あき『好きです、死んでください』インタビュー

                                 無人島での恋愛リアリティーショーの撮影中、人気女優が殺された。しかも密室で——。 『好きです、死んでください』というインパクトのあるタイトルと、儚げな女性の装画が目を引く本書は、孤島で起きた連続殺人の謎を追うミステリ小説だ。  著者の中村あきさんは、2013年に星海社FICTIONS新人賞を受賞しデビュー。21年に『チェス喫茶フィアンケットの迷局集』で第3回双葉文庫ルーキー大賞を受賞し、本作が初の単行本となる。 「デビュー当時は、自分と同じような本格ミステリファンに刺さる

                                衝撃のラストが待ち受ける、恋愛リアリティーショー×孤島ミステリ!|中村あき『好きです、死んでください』インタビュー

                                【期間限定・無料公開中】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』第2話

                                〈タワマン文学〉の旗手・麻布競馬場待望の第2作『令和元年の人生ゲーム』が2月21日についに刊行されました! 発売直後から「他人ごととは思えない!」とすでに悲鳴のような反響が続々と…… この興奮をぜひ皆さんと共有できればと、全4話の短篇のうちもっとも「ザワつき度」の高い第2話〈大手町のキラキラメガベンチャー・新入社員篇〉を期間限定で全文無料公開いたします! 『令和元年の人生ゲーム』 第2話 平成31年  2019年4月、私は早稲田大学政治経済学部を卒業して、大手町にある人

                                【期間限定・無料公開中】麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』第2話

                                宮島未奈「婚活マエストロ」第二話

                                第二話 一人暮らしには快適な六畳一間も、他人が来ると狭すぎて酸素が薄く感じられる。大学生なら大勢でワイワイやっても許されるだろうが、四十路のおっさんは三人で定員オーバーだ。 「この部屋に来ると、タイムスリップしたみたいな気持ちになるよ」  桑原はそう言って床に寝っ転がった。杉田も「そうだよなー」と同意する。 「いやいや、テレビとか変わってるから」  俺は大学入学から二十年以上、レジデンス田中の同じ部屋に住んでいる。今使っているテレビは三代目だし、カーテンやラグなどマイナーチェ

                                宮島未奈「婚活マエストロ」第二話

                                小田雅久仁 「夢魔と少女」〈前篇〉

                                一 亡霊のほとんどは場所に憑くもので、ひとところに執着して来る日も来る日も道端に立ちつくしたり、打ち捨てられた屋敷のなかを果てもなく歩きまわったりする。人や物に憑く亡霊もいて、そういう連中はその人や物の行く先ざきにどこまでもついてゆく。いずれにしても、亡霊というやつは、自らの意思で自由に歩きまわることがない。言葉が通じるやつもいるが、空気が読めず、自分のことばかり話したがり、ろくに人の話を聞かない。かと思うと、ただただぼうっとしてひと言も口を利かないのがいたり、猛犬さながらに

                                小田雅久仁 「夢魔と少女」〈前篇〉

                                秋谷りんこ「ナースの卯月に視えるもの」 #001 #002

                                1 深い眠りについたとしても  夜の長期療養型病棟は、静かだ。四十床あるこの病棟は、ほとんどいつも満床だというのに。深夜二時、私は見回りをするためにナースステーションを出て、白衣の上に羽織ったカーディガンの前を合わせる。東京の桜が満開になったとニュースで見たけれど、廊下はまだひんやりしている。一緒に夜勤に入っている先輩の透子さんは休憩に行った。  足音に気を付けながら個室の冷たいドアハンドルに触れる。ゆっくり引き戸を開けると、シュコーシュコーと人工呼吸器の音だけが響いていた

                                秋谷りんこ「ナースの卯月に視えるもの」 #001 #002

                                「思わず一気読み」「心からおすすめしたい」など激推しの声多数! 大前粟生さん『チワワ・シンドローム』のレビューをご紹介します

                                 大前粟生さんの最新刊『チワワ・シンドローム』が2024年1月26日に発売になりました。早くも届いた読者の方々からの〝激推し〟の声の数々、ご紹介いたします! *** 書評も続々公開されています! 一部引用してご紹介します ▼「Forbes JAPAN」三橋曉さん評 ▼「本の雑誌WEB」高頭佐和子さん評 ▼「ダ・ヴィンチWEB」立花ももさん評  『チワワ・シンドローム』の冒頭はこちらで試し読みができます。たっぷり45ページ分! 先読み書店員さんのご感想とともにお楽し

                                「思わず一気読み」「心からおすすめしたい」など激推しの声多数! 大前粟生さん『チワワ・シンドローム』のレビューをご紹介します