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お薦めの「読みもの」一覧です☆(イベント情報も!)

■イベント情報●【アーカイブ公開中】〈#ミステリー小説が好き〉ベストレビュアーは…! 結果発表会 ●【アーカイブ公開中】木下昌輝さんに学ぶ「小説がレベルアップするリサーチ・テーマ・構成」 ●【アーカイブ公開中】深緑野分と映画の話 ● 【アーカイブ公開中】森見登美彦ライブトーク「沈黙しない読書会@オンライン」 ● 【公開終了】米澤穂信×有栖川有栖ライブトーク「わたしのミステリー地図」 ● 【アーカイブ公開中】小説家・綾崎隼×棋士・佐藤天彦「将棋を取り巻くドラマのすべて

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河野裕「愛されてんだと自覚しな」 #003

「盗み屋」の祥子に幻の古書・徒名草文通録を盗み出すよう依頼した杏。 神戸・六甲山麓のホテル「金星台山荘」に潜入したふたりだが、 どうやら文通録を狙うのは、彼女たちだけではないようで…… 2話 神戸金星台オムニバス バスルームの血だまりの中に、円柱型の透明なケースと、祥子のスマートフォンが落ちている。  私はスマートフォンを拾い上げ、棚にあったタオルでざっと拭く。ロックがかかっていて、中の確認はできない。  このバスルームにはもう誰もいない。死体に扮していた和谷さんも、祥子も

ピアニスト・藤田真央 #08「ベルリンの空の下、師を想う」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」 ★毎月2回配信します★  4月末に日本を発って拠点をベルリンに移し、新しい生活が始まりました。  ベルリンは何度も訪れておりましたし、もともと勝手知ったる街ではあるのですが、ひとり暮らしをするのは初めてなので、毎日小さな発見があって楽しい日々です。  アパートメントは学校から少し離れたところに位置しているのですが、静かで素敵なところです。引っ越してきた日には、隣りのご夫婦が、パンとお塩を持ってやって来てくださいました。新

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透明ランナー|「メメント・モリと写真」展――写真が内包する“死”のイメージと向き合う

 こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。  東京都写真美術館で一風変わった名前の展覧会が6月17日(金)から開催されています。その名も「メメント・モリと写真――死は何を照らし出すのか」。同美術館の約36,000点におよぶコレクションを中心に、「写真と死」というテーマにフォーカスして約150点の作品を展示するものです。  “All photographs are memento mori.”というスーザン・ソンタグの一節が本展のインスピレーションの源となってい

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イナダシュンスケ│パクチーに潜む「マズ味」

第5回 パクチーのマズ味 皆さんはパクチーはお好きですか? 一般的に、好き嫌いが大きく分かれるとされる食材です。苦手な方も少なくないのではないでしょうか。  しかし10年くらい前は、今よりもっと苦手な人が多かったはずです。当時から飲食店をやっていた自分の感覚だと、お客さんの半分以上、いやむしろ大半が苦手だったんじゃないかと思います。  今は、少なくともそこからは大きく様変わりしました。「好き」と言い切る人は確実に増えました。もしかしたら若干の苦手意識は持ちつつ、ちょっと無理し

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ピアニスト・藤田真央 #07「亡き恩師・野島稔先生ーーわたしの音楽は、あのレッスン室で培われた」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」 ★毎月2回配信します★  2022年5月9日。恩師、野島稔先生があの世へ旅立たれました。  わたしが最後に先生のお声を聴いたのは、亡くなる2ヶ月ほど前のことでした。ベルリンへ発つ前にと、わたしからお電話を差し上げたのです。ふだん電話では用件しか話さない方だったのに、その日はいろんなことを話してくださって、素敵な時間でした。お身体の具合を尋ねると、「元気ではないけれど、きみの声を聴いて元気が出たよ」と仰いました。  わたし

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【動画あり】連載再開☆夢枕獏さん「ダライ・ラマの密使」への想い

 夢枕獏先生が、長年『別冊文藝春秋』で連載してくださっている小説「ダライ・ラマの密使」。  なんと、あのシャーロック・ホームズと、日本人の僧侶・川口慧海がチベットでめぐり合い、理想郷 ‟シャンバラ” を求め、ともに極限の砂漠を探索する……というスリリングなこの物語は、  なのです! そして、    しかし… 昨年、ホームズたち一行はついに ‟シャンバラ" へと辿りついたのです!!    そこで思わぬアクシデントが。  夢枕先生にリンパがんが見つかり、連載はいったんお休み。

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透明ランナー|映画『FLEE フリー』――「故郷」を奪われたひとりの人間の今まで語られなかった物語

 こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。  日本人の映画館での映画鑑賞本数は年間約1本と言われますが、私が今年1本しか映画を観られないとしたら迷いなくこの映画を選びます。映画史に残るであろうマスターピースであり、まさに今作られるべき、今観るべき映画。それが『FLEE フリー』です。  『FLEE フリー』の主人公はアフガニスタンからデンマークに逃れてきたアミン。学生時代に彼の親友となった監督のヨナス・ポヘール・ラスムセンは、アミンが長年封印していた過去の記憶

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【決定!】“危機の時代” の高校生直木賞——第9回 高校生直木賞全国大会レポート

 第9回高校生直木賞(同実行委員会主催、文部科学省ほか後援)の 選考会が、2022年5月22日に開催された。  2014年に始まった高校生直木賞も、今年で9回目。新型コロナの影響で全面オンライン参加となったが、高校生たちの読書への情熱は一瞬にして “距離” を超える。   北海道から鹿児島まで、これまでで最多の全国38校が参加し、“自分たちの1作” を決めるべく議論を戦わせた。  候補作は、第165回、第166回直木賞候補作の中から選ばれた充実の6作品。  『同志少女よ、

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木村朗子│フェミニズムをアップデートする

 清水晶子さんの待望のフェミニズム本だ。研究者であれば学術論文を書くのが本領だろうが、しかし学術論文というのはすでにある程度、問題意識を共有した人に向けて書かれるもので門外漢には少し難しいのである。さらにいえば学術論文というものには、論に固有の理路があって、個人の見解を縷々述べることはできない。それゆえに清水晶子さんご自身の考えを読んでみたいとずっと願ってきた。  本書は『フェミニズムってなんですか?』という問いに答えるようにして書かれているから、フェミニズムをまったく知ら

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【アーカイブ公開中】〈#ミステリー小説が好き〉ベストレビュアーは…! 結果発表会

 2022年4月から5月にかけて実施致しました note×「WEB別冊文藝春秋」のコラボレーションお題企画「#ミステリー小説が好き」。  実に500件を超える投稿を拝見し、編集部一同、大盛り上がりでした!  ★結果発表★ 拝読した感想を、7/1(金)20:00よりYouTubeライブでご報告。心惹かれた点を話し出したら止まらなくなってしまったわれわれ…… ※アーカイブがご覧になれます  この記事でもご報告しますと、勝手に〈ベストレビュアー〉3名 +特別賞 1名はこちらの

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透明ランナー|ゲルハルト・リヒター展――日本初公開の大作「ビルケナウ」はいかにして生まれたか

 こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。  昨年からずっとこの展覧会を待ち望んでいました。6月7日(火)から始まったゲルハルト・リヒターの大規模個展「ゲルハルト・リヒター展」(東京国立近代美術館)です。世界で最も重要な現代アーティストのひとりであり、今年で90歳となった彼の活動を約110点の作品で概観します。リヒターの大規模個展は日本では16年ぶり、東京では初開催となります。  本展は決まった展示順序が設定されておらず、興味の赴くままに自由に見て回れるように

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矢月秀作「幸福論」 #005

水彩画の大家・広田光道の絵に隠されていた秘密──。広田のアトリエに乗り込んだ三浦は、あるものを発見する。 前へ / 最初へ戻る / 次へ 第五章1  ホテルに戻った三浦は、その日から部屋にこもり、広田の家から持ち帰ったDVDと萩谷が残したスケッチブックの絵を綿密に調べていた。  DVDの映像は、広田の絵が展示されている場所のものが多く、他は、広田の作品や萩谷のスケッチブックに描かれた場所のものがほとんどだった。  興味深かったのは、編集途中のラッシュとはいえ、ところどこ

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二宮敦人 #003「サマーレスキュー ポリゴンを駆け抜けろ!」

行方不明の幼馴染・祥一を捜すため、 オンラインゲームにログインした千香と巧己。 そこは世界中からアウトローなプレイヤーが集まる アナーキーワールドで…… 第二章 ディスプレイに、奇妙な地形が映し出される。  爆撃でも受けたかのような地面、ところどころにそびえ立つ石の塔、そして空一面を覆う黒い天井。 「そっちはどう、千香」  巧己の声。あたりを見回しながら、千香は答える。 「うん、悪くないよ。ちゃんと地面の上だし、近くに敵もいないみたい」 「前回はよりによって、塔に引っかかる

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