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朝倉かすみ「よむよむかたる」(*小説)

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小樽の古民家カフェで開かれる〈坂の途中で本を読む会〉。本を読み、人生を語る、みんなの大切な時間。最年長九十一歳、最年少七十七歳、今日もにぎやかに全員集合!
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朝倉かすみ「よむよむかたる」 はじまりのことば

 わたしが物心ついたときには、母はもう「ちいさな集まり」の参加者だった。  近所の主婦た…

朝倉かすみ「よむよむかたる」#005

戦時下の暮らし、息子の事故死――読書会で語られる 老人たちの思い出が、安田のある記憶を呼…

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朝倉かすみ「よむよむかたる」#004

老人たちの読書会で「読み」担当となった安田。 彼の音読に感極まったまちゃえさんは、亡き息…

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朝倉かすみ「よむよむかたる」#003

一年ぶりに再開された〈坂の途中で本を読む会〉。 老人たちの熱心な姿を前にして、安田は…… …

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朝倉かすみ「よむよむかたる」#002

2 いつかの手紙 スッ。会長が腕時計へと視線を下げた。それで場が静まった。なぜなら、スッ…

朝倉かすみ「よむよむかたる」#001

小樽の古民家カフェで開かれる〈坂の途中で本を読む会〉。本を読み、人生を語る、みんなの大切…