朝倉かすみ「よむよむかたる」#005
戦時下の暮らし、息子の事故死――読書会で語られる
老人たちの思い出が、安田のある記憶を呼び起こすのだった
五月の例会は第二金曜にひらかれた。ゴールデンウィークを考慮しての繰延で、そのことは前回終了後に郵送された「読む会通信」にでかでかと書いてあった。二重なみ線を下に引き、「注意!」「注意!」のギザギザ吹き出しで囲まれていた。
「注意!」は「読み」の区切りと各自の割り当てページ発表欄でも多用された。今回から各章を二回に分けて読んでいくのだそうである。「読み」を豊かにするため