年末年始に行ける! オススメ美術展5選【2023-24年】|透明ランナー
坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア(NTT ICC)
本連載でいちばん反響の大きかった記事が、2023年4月に公開した「『現代アーティストとしての坂本龍一』を振り返る――現代アートへの接近、そして越境」でした。教授の業績を回顧する記事は多くありましたが、現代アートの側面から振り返るものはあまりなかったように思います。執筆にあたって彼の芸術活動の幅広さをあらためて認識しました。
NTT ICCで2023年12月16日(土)から開かれている「坂本龍一トリビュート展」では、真鍋大度とコラボレーションした2014年の作品「センシング・ストリームズ—不可視、不可聴」をアップデートした「センシング・ストリームズ 2023―不可視、不可聴(ICCヴァージョン)」、親交のあった李禹煥の作品などが展示されています。
毛利悠子さんの「そよぎ またはエコー」は、2017年の札幌国際芸術祭で発表された作品を本展にあわせて再構成したものです。教授は2022年ヴェネチア・ビエンナーレ日本館の展示に参加していましたが、2024年のヴェネチア・ビエンナーレ日本代表に選出されたのが毛利さんです。教授は2019年に十和田市現代美術館で開かれた毛利さんの個展にも足を運んでいました。
2024年12月21日(土)~2025年3月30日(日)には、東京都現代美術館で日本では初となる大規模回顧展「坂本龍一展(仮)」が開かれることがアナウンスされました。こちらも楽しみです。
プリピクテ Human/人間(東京都写真美術館)
世界を巡回する恒例の写真展「プリピクテ」。スイスの投資会社ピクテ社が創設した写真のアワードで、毎年設定されるテーマに沿った写真家を世界から選出しています。今回のテーマは「Human/人間」。東京都写真美術館で開かれている東京展には、最終選考に選ばれた12人の作品が展示されています。
このクオリティの作品を無料で観ていいのかと毎年驚かされます。2021年~2022年に開かれた「プリピクテ 東京展『FIRE / 火』」は、川内倫子、サリー・マン、クリスチャン・マークレー、デヴィッド・ウゾチュクゥなどそうそうたるメンバーでした。デヴィッド・ウゾチュクゥは「世界最大級の現代写真の祭典『Paris Photo』&『Photo Days』花の都パリから撮り下ろしレポート!」の記事でも紹介しました。
今回のプリピクテで期待しているのは、ヴァサンタ・ヨガナンタン(1985-)です。2019年にシャネル・ネクサス・ホールでやっていた個展は「ラーマーヤナ」の物語を現代的に再解釈したもので、今でも記憶に残っています。
東京都写真美術館の展覧会を本連載で紹介するときは、なぜか毎回担当キュレーターについて触れています。
プリピクテ展を毎年オーガナイズしているのは、キュレーターの小髙美穂さんです。小髙さんは2023年の「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」で、写真家と書き手がコラボレーションする屋外展示「Tokyo Dialogue 2023」をキュレーションしていました。(川野さん芥川賞候補おめでとうございます!)
2024年1月2日(火)と3日(水)は、「プリピクテ Human/人間」展だけでなく、「見るまえに跳べ 日本の新進作家 vol.20」展、「即興 ホンマタカシ」展を含め、東京都写真美術館のすべての展覧会が無料になります。さらに来館者には先着順でプレゼントが配布されるそうです。行かなきゃ!
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