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透明ランナー|ヴェネチア・ビエンナーレ――世界最高峰の現代アートが集う2年に1度の祭典

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 ドラフト2022 最速レビュー!by透明ランナー

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 こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。
 2022年6月から約半年にわたって続けている本連載「透明ランナーのアート&シネマレビュー」ですが、今回は初めて海外からお届けします。昔からずっと行きたいと思っていた場所についに行くことができました。世界で最も長い歴史を誇る国際美術展、「ヴェネチア・ビエンナーレ」です。

 ビエンナーレとはイタリア語で「二年に一度」を意味し、1895年の第1回以来2019年まで奇数年に開催されてきました。第59回となる今回は新型コロナウイルスの影響で1年延期され、2022年の開催となっています。

 巨大な国際展であるヴェネチア・ビエンナーレはふたつの要素から成ります。ひとつは各国がパビリオンを構え、それぞれの国ごとに代表作家を選出して展示するエリアです。国家の威信をかけて賞レースが行われることから「美術界のオリンピック」とも称されます。

 もうひとつはキュレーターがテーマを決めて世界各国のアーティストを紹介するエリアです。今回は総合ディレクターのCecilia Alemaniがキュレーションを担当し、「The Milk of Dreams」というテーマを冠しています。シュルレアリスムの芸術家レオノーラ・キャリントン(1917-2011)の小説にちなんで名づけられ、58カ国から200人(組)以上のアーティストの作品が展示されています。日本からは笹本晃(ささもと あき、1980-)、池田龍雄(いけだ たつお、1928-2020)らが参加しています。

 ヴェネチア・ビエンナーレの主要会場は市中心部のGiardini(ジャルディーニ)とArsenale(アルセナーレ)の2箇所に分かれています。世界で最もエキサイティングな国際美術展の様子を写真とともにレポートします。

わくわく!

国別パビリオン

 今回日本代表に選出されたのは、1984年に京都で結成され、ジャンルを超えた活動を行ってきたアーティストグループ、ダムタイプです。

 多様なメンバーが集まるアート・コレクティブの先駆けとして、音楽、演劇、映像、ビジュアルアート、コンピューター・プログラムなど、芸術表現を横断した活動を長年続けてきました。代表作『S/N』(初演1994年、世界15ヶ国で上演)は私にとって最も大切な作品のひとつです。

 ヴェネチア・ビエンナーレ日本館は、建築家・吉阪隆正(よしざか たかまさ、1917-1980)の設計により1956年に完成しました。ちょうど今年東京都現代美術館で大回顧展が開催されていましたね。常設のパビリオンを持つ国は限られており、持っていない国は建物を間借りしたり他国と共同出展したりしています。

 今回の出品作は、坂本龍一(さかもと りゅういち、1952-)のサウンドトラックをベースに、4台のスタンドに取り付けられた鏡が高速回転し、レーザーを照射してテクストを映し出すものです。壁に投影されたテクストは1850年代の地理の教科書から引用されており、今とは国名・地名が大きく異なります。展示空間の中心はガラスの床になっており、中央が空白(void)である国際構造を視覚的に表現しています。

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