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「VOCA展2023」――“平面”を拡張していく40歳以下のアーティストの展覧会|透明ランナー

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 さあVOCA展ですよVOCA展! 3月といえば桜とVOCA展です!

 VOCA展は「平面美術」の領域で国際的に通用する若い作家を支援する目的で1994年に始まり、2023年で30周年を迎える歴史ある展覧会です。全国の学芸員や研究者などの推薦委員約30~40人が、「40歳以下」の若手作家をそれぞれ推薦するという形で開催されます。こういう展覧会はなかなか珍しいです。

 選出条件はふたつだけ、「平面」であること、「40歳以下」であること。「平面」の範疇であれば絵画でなくてもかまいません。VOCA展に選出された30~40人の作家の中から、さらに「VOCA賞」「奨励賞」「佳作賞」「大原美術館賞」などが決定されます。

 福田美蘭(ふくだ みらん、1963-、1997年選出)、杉戸洋(すぎと ひろし、1970-、1998年選出)、石田徹也(いしだ てつや、1973-2005、2001年選出)、山口晃(やまぐち あきら、1969-、2007年選出)など、30年の歴史の中で後に有名になる作家も多数輩出されてきました。

 VOCA展は上野の森美術館で例年3月、約2週間開かれます(短い!)。ちょうど上野公園はお花見の季節ですね!(作品写真撮影はすべて透明ランナー)

上野~!

永沢碧衣

山衣をほどく
アクリルガッシュ・岩絵具・熊膠・墨汁・ティッシュ。カンヴァス・木製パネル

 2023年のVOCA展でVOCA賞を受賞したのは永沢碧衣(ながさわ あおい、1994-)でした。かっこいい! 動物と深い山林とが一体となって描かれた画面には、岩絵具と共に熊膠(くまにかわ、熊のゼラチン質から永沢自身が手作りした膠)が使われています。

 永沢は秋田県出身。自身も狩猟免許を取得し、猟師と共に秋田の山林をフィールドに狩りを行っている「マタギ」のアーティストです。

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