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透明ランナーのアート&シネマレビュー

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#写真

世界的写真展が京都で開催中!――KYOTOGRAPHIE 注目展示7選│透明ランナー

世界的写真展が京都で開催中!――KYOTOGRAPHIE 注目展示7選│透明ランナー

 京都を訪れた回数を数えたら33回でしたが、そのうち13回がKYOTOGRAPHIEでした。今年もKYOTOGRAPHIEの季節がやってきました。

 KYOTOGRAPHIEは例年4月から5月にかけて京都で行われる国際的な写真展です。2013年に始まり、今年で第11回を迎えます。写真を主に取り扱う国際芸術祭は、日本ではもちろん最大規模ですし、世界を見渡しても有数のものです。コロナ禍で存続の危機を

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川内倫子展&野口里佳展――カメラを通じて世界の“偶然”に出会う力|透明ランナー

川内倫子展&野口里佳展――カメラを通じて世界の“偶然”に出会う力|透明ランナー

 現在時期を同じくしてふたりの写真家の大規模個展が開催されています。
 東京オペラシティ アートギャラリーで開かれている「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」展は、柔らかな色調を特徴とする写真家・川内倫子(かわうち りんこ、1972-)の個展です。自然の風景を陰影をもって描き出す作品で知られていますが、本展ではこれまでの印象と違った大胆なイメージが並んでいます。
 前回の記事「世界最大級の現

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世界最大級の現代写真の祭典「Paris Photo」&「Photo Days」 花の都パリから撮り下ろしレポート!|透明ランナー

世界最大級の現代写真の祭典「Paris Photo」&「Photo Days」 花の都パリから撮り下ろしレポート!|透明ランナー

▼ 透明ランナーによるイベントはこちら
◎ 【11/30までアーカイブ動画公開中】 ローカル芸術祭・徹底ガイド|透明ランナー
◎ ドラフト2022 最速レビュー!by透明ランナー

 前回の記事「ヴェネチア・ビエンナーレ――世界最高峰の現代アートが集う2年に1度の祭典」に続き、今回も海外からお届けします。

 本連載「透明ランナーのアート&シネマレビュー」でよく写真や映像を取り上げている私にとって

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透明ランナー|「写真新世紀30年の軌跡展」――若手作家の登竜門、30年の歴史を振り返る

透明ランナー|「写真新世紀30年の軌跡展」――若手作家の登竜門、30年の歴史を振り返る

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◎ 【11/30までアーカイブ動画公開中】 ローカル芸術祭・徹底ガイド|透明ランナー
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 2021年2月、ひとつの公募展の終了が発表されました。

 「写真新世紀」。1991年に始まった、新人写真家の発掘・育成・支援を目的とした公募展です。経験(プロ、アマチュア)、国籍、年齢、性別は一切不問。それまでの

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透明ランナー|「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」展――広がり続ける写真芸術の自由な可能性

透明ランナー|「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」展――広がり続ける写真芸術の自由な可能性

 こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。

 今回紹介するのは、東京都写真美術館で開かれている「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」展です。「日本の新進作家」展は2002年から東京都写真美術館で定期的に行われている企画展で、新たな写真・映像表現に挑戦している若手作家の作品をピックアップして紹介するものです。私は2008年の「vol.7」以降毎回訪れ、どんな作品と出会えるのか

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透明ランナー|「ルートヴィヒ美術館」展――ドイツ表現主義から現代美術まで、“市民が創った”豪華なコレクション

透明ランナー|「ルートヴィヒ美術館」展――ドイツ表現主義から現代美術まで、“市民が創った”豪華なコレクション

 こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。
 あれは2010年10月のこと。東西ドイツ統一20周年を記念して各地で行われる式典にあわせて私はジャーマンレイルパスでドイツ全土を旅行していました。フランクフルトからハンブルクに向かう途中ケルン中央駅で3時間の乗換時間があり、駅から目と鼻の先にある美術館に寄る計画を立てていました。コレクションや美術館の歴史などを調べてウキウキでその日を待っ

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透明ランナー|「アレック・ソス Gathered Leaves」展――“アメリカが誇る最も完璧な写真家”の魅力に迫る

透明ランナー|「アレック・ソス Gathered Leaves」展――“アメリカが誇る最も完璧な写真家”の魅力に迫る

 こんにちは。あなたの代わりに観てくる透明ランナーです。
 マリンスポーツが盛んで御用邸があることでも知られる風光明媚な神奈川県三浦郡葉山町。JR逗子駅から相模湾に沿ってバスで20分ほど走ると見えてくるのが「神奈川県立近代美術館 葉山」です。美術館の裏手は夏には海の家が立ち並ぶ海水浴場となっており、入口に「水着でのご入館はご遠慮ください。砂を落としてからご入館ください」と注意書きがあるほど海が間近

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