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東洋哲学に人生を変えられた男の〝読書ルール〟|『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』しんめいPの愛読書

「やりたいことってなんだろう?」そんな人類の悩みには、東洋哲学が既に答えていた!?  17万部を突破し、大ヒットしている東洋哲学の超訳本『自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学』を上梓した、しんめいPさん。
東大卒→一流IT企業勤め→ニート→出版と激動の人生を送る著者の「本選びのルール」とは?

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「ぼくのこと誰も知らないですよね?」
「知らんひとが、知らん本を紹介して、誰が読むんでしょうか……?」

と、編集者さんにお伝えしたんですが。

ほんとに誰が読んでくださってるんでしょうか。
ありがとうございます。


好きな本。

「やっぱ太宰ですかね。」
「ベタかもしれませんが三島由紀夫です。」

と、イキりたいところですが、語れないので、やめました。

自分の心に正直になって、「好きな本」を考えてみる。

のですが。

結論、「とくにねぇ」でした。

本、読み返さないので、愛読書にならない。
内容も覚えてないし。

この原稿どうしよう……。
ということで、編集者さんと相談して、ちがう切り口にしました。

地味に、自分なりの「本選びのルール」があるので、語ってみます。

知らん人のマイルールなんて、誰得の情報か不安ですが。
ほんとにすいません。

ルール: 
「この本、だれが読むねん」と思った本は、絶対買う

いつからか忘れたけど、このルールに従っていきてます。

本屋ってすごいですよね。
すんごい数のジャンルの、すんごい数の本がある。
本屋は宇宙。

そして、ひとりの人が興味があるジャンルの数って、たかがしれている。
本屋の宇宙のなかの、1%くらい。

だから、自分が興味のあるエリア以外、99%の本は、
「この本だれが読むねん」枠に入るわけですね。

でも、そんな中で「目がとまってしまう」本ってあると思うんです。

「目がとまってしまう」ということは、緊急事態です。

「こんな本を好きだと認めてしまったら、自分は終わりだ」

という、いわば「自分」という器のギリギリをせめてくる本。
それが「この本だれが読むねん」と思った本です。


そう思ったら、「買う」がルールです。

では、このルールにのっとって、
ぼくが「買ってしまった」本を3冊紹介してみます。

(こんな紹介のしかたで著者・関係者の方に申し訳ないですが……)


1.女の不幸人生 vol.56(まんがグリム童話 2020年7月号増刊)


「この本、だれが読むねん」

と、声がでたので、買いました。
家の近くのローソンで。

Amazonから紹介文を引用します。

【内容紹介】
特集:女たちのブス差別
・小さな頃から罵られ、虐められ…整形の道を選んだこじらせブス!
・モテ自慢して周囲のママ友を下に見ちゃう勘違いおブス!
・卑屈おブスを陥れて自分の価値を上げようとする性悪ブス!

闇を抱えた病み女が大集合!!

「闇を抱えた病み女が大集合!!」じゃねぇよ。

いわゆる「レディコミ」というジャンルになるんでしょうか。
謎ルールがなければ、一生手にとることがなかった本です。

でも「気になっちゃった」んですよね。
つまり「認めたくないけど、興味がある」ということです。

「他人の不幸をたのしみてぇ」
「誰かの人生をめちゃくちゃにしてやりてぇ」

とか。

「進歩的な」「令和の人間」のフリをしてる自分にも、
そんな黒い感情があるということです。しゃーない!

じっさい読んでみて、そんなに心がザワついたわけでもなかったですが。
この買い物は印象にのこってますね。


2.祝・ご就職記念 愛子さまの日々


うおおおお!?
ほんとに買っちゃうのか!?
おれが!?

と思いながら購入。

たしか京都の大垣書店さんで。

自分の本の発売日に、「本屋に置いてるとこみにいくで〜!」とワクワクしながら書店に入ったら、普通に置いてなかった。凹みました。

ガッカリして書店を去ろうとしたときに、こちらに手をふっていらっしゃる愛子内親王のお姿が。

この本の表紙でした。

Amazonから紹介文を引用します。

2001年12月の祝福に満ちたご誕生から、健やかなご成長、そして成人皇族として歩まれる愛子さまのこれまでの日々を、美麗カットで振り返る1冊。
いつも愛子さまの隣にいるペットたちも、仲良く掲載。

皇室ライター2名による特別寄稿には初耳情報も。必読です。

祝福に満ちたご誕生…!
健やかなご成長…!

小さい頃、おばあちゃんの家で、「皇室アルバム」というテレビ番組が流れていました。

皇室の様子が、独特のもったりとした空気感で流れていました。
刺激的な戦闘シーンがウリのロボットアニメ好きだった僕には、「皇室アルバム」が番組として成立していることが謎でした。

皇室は、僕としては、別世界の存在くらいに思っていたわけです。
王室ですが、タイのプミポン国王が2016年に崩御されたときも、「王様がいるってどんな気持ちなんやろ」と素朴に思っていました。

そんな自分が、愛子さまのフォトブックをゲットするとは。

手に取るときは、率直にいってしまうと、葛藤があったわけです。


店員さんに

「このひとめちゃくちゃ皇室好きなんかな」
「ちょっとした右翼なのかな」

とおもわれるか、正直にいうと、心配でした。
手に汗握りながらレジを通しました。

しかしですね、ページをめくってみると、「敬慕」のきもちが湧いてくる自分に気づいてしまったのです。

なんなんですかね、この気持ちは。

子どものときとくらべて、大人になった自分は、いろいろ不安があるから、よりどころを求めてるんだろうか?

小学校では「君が代」はあまり歌ってはいけない歌だ、という空気感もあるなかで育ってきたので、いろいろな感情がぶつかります。

そんな感じでした。

個人的には、「認めたくない自分との出会い」が読書の一番おもしろいところかな、とおもっています。


3.龍樹


南インド、大乗仏教の高僧、「龍樹りゅうじゅ」についての本です。
渋すぎる。

ぼくは大学に入るまで全然本を読まなくて、
国語ででてくる論説文なんて「だれが読むねん」と友達とケラケラ笑っていたことを思い出します。

そんなぼくが大学に入って、どこかの書店でみつけたんですね。
『龍樹』を。

渋すぎる。

「この本、だれが読むねん」

と思ったことが、しっかり記憶にあります。

買っただけで読まずに、実家送りになりました。

それから13年。

無職になり、離婚して実家ににげかえってふとんにくるまっていた時に、
この『龍樹』本とまさかの再会をはたします(!)

大人になってから読むと、沁みました。
面白かったので、note をかきました。

で、出版社さんから連絡がきて、本になってしまいました。


100ページぐらい、「龍樹」について書いてます。
一番重要な参考文献のひとつになりました。

結果的に、人生を変えた本になりました。
こんなことあるんですね。

買ってよかった〜


「この本、だれが読むねん」と思った本は、絶対買う


よかったら試してみてください!

そもそもこの記事こそ、「だれが読むねん」感がありますが、読んでくださってありがとうございました!

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