世界的写真展が京都で開催中!――KYOTOGRAPHIE 注目展示7選│透明ランナー
京都を訪れた回数を数えたら33回でしたが、そのうち13回がKYOTOGRAPHIEでした。今年もKYOTOGRAPHIEの季節がやってきました。
KYOTOGRAPHIEは例年4月から5月にかけて京都で行われる国際的な写真展です。2013年に始まり、今年で第11回を迎えます。写真を主に取り扱う国際芸術祭は、日本ではもちろん最大規模ですし、世界を見渡しても有数のものです。コロナ禍で存続の危機を迎えたこともありますが、一時的に開催時期を秋にずらしたり、クラウドファンディングで資金を集めたりして継続しています。
伝統ある京都の街並みを存分に活かし、毎年あっと驚くような場所を展示会場に使い、場所と作品とのコラボレーションが行われているのも魅力のひとつです「KG+」というサテライトプログラムも同時開催され、京都市内で100以上の展覧会が一斉に花開きます。GW前後の京都はまさに「写真の街」になります。
KYOTOGRAPHIEのTIPS
① 会場ごとに休館日や開館時間が違うので注意してください! 休館日は月曜、火曜、水曜、木曜、無休とバラバラです。毎年「えっ今日ここ開いてないの」という来場者を目にします。多様なプログラムが同時展開されるのがKYOTOGRAPHIEです。
② 終了時間は早いところで16時30分、遅いところで21時です。終了時間を見ながら回るルートを決めるのがおすすめです。
③ 入場料について、すべての有料会場に入場できるパスポート(一般6000円)と、会場ごとの単館チケット(一般800円~1200円)があります。無料の会場もあります。KG+は無料のところが多いです。
④ 毎年さまざまな場所が展示会場になります。空間あってのKYOTOGRAPHIEです。雰囲気を味わってほしいので写真は引きで撮っています。同じ会場の過去の展示の様子も載せています。(写真は透明ランナー撮影)
ジョアナ・シュマリ
KYOTOGRAPHIEといえばここ! 建仁寺両足院です!
普段は一般公開されていない場所ですが、副住職の伊藤東凌(いとう とうりょう、1980-)がアートに造詣が深く、2015年以降毎年KYOTOGRAPHIEの会場となっています。美しい庭園が広がっています。
展示されるのはコートジボワールを拠点に活動するアーティスト、ジョアナ・シュマリ(1974-)。写真にとどまらず、コラージュ、刺繍、フォトモンタージュを組み合わせた作品を制作しています。今回は木製の箱に1枚1枚入れて眺めたり、掛け軸の形にしたりと、空間に呼応したインスタレーションを出品しました。
こちらは2018年のKYOTOGRAPHIEで、華道家の中川幸夫(なかがわ ゆきお、1918-2012)の写真作品が展示されていたときの様子です。同じ会場でも作品の配置・構成によって印象ががらっと変わります。
高木由利子
世界遺産・二条城にある二の丸御殿 台所・御清所には、高木由利子(たかぎ ゆりこ、1951-)の2mほどもあるプリントが大胆に展示されています。
彼女はアジア、アフリカ、南米、中近東を旅しながら撮影を続け、近年は軽井沢を拠点に活動しています。さまざまな衣裳をまとった人たちの営みが会場いっぱいに広がります。
裏側から見ると障子の骨組みで構成されていることが分かります。
いや~すごい。この会場は特に外国人観光客が多かったのですが(KYOTOGRAPHIEとは関係なく二条城に来て知った人も多いのでしょう)、世界的なキャリアのある彼女の作品は見ごたえがあり、皆満足そうでした。
高木は東京都現代美術館「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展のポスター・会場写真を担当しています(5月28日(日)まで!)。ディオールは今回のKYOTOGRAPHIEの展示で特別協力にも名を連ねています。
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