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門井慶喜「天下の値段 享保のデリバティブ」(*小説)

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かつて経済の中心には「米」があり、それは「証券」や「先物」に姿を変え、金融派生取引(デリバティブ)を発生させた。つまり、「金融市場(マーケット)」である――大坂堂島に実在した「米… もっと読む
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門井慶喜が「江戸時代の金融市場」に挑む!――〈はじまりのことば〉

 以下、金融の話である。なるべくわかりやすく説明したい。  江戸時代には、たとえば旗本の…

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門井慶喜「天下の値段 享保のデリバティブ」#004

第3章 1年後、江戸。  享保10年(1725)秋。府下は黄色い霞に覆われていた。上州方面…

門井慶喜「天下の値段 享保のデリバティブ」#003

第2章(承前) 全体に、堂島の米市場は、まず2種類の建物がある。  ひとつは米会所である…

門井慶喜「天下の値段 享保のデリバティブ」#002

第1章(承前)「あんたら」  と、口をはさんだのは松右衛門だった。周囲へさっと目をやって…

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門井慶喜・新連載スタート!!「天下の値段 享保のデリバティブ」#001

序 紀州和歌山城中、二ノ丸御殿の一室でごろごろしていた新之助のもとに使いが来て、 「本丸…

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