藤井太洋「オーグメンテッド・スカイ」 #009
「お客さん?」
雪田は頷いた。
「もう一人校外の人を呼んだんです。ビヨンドのことで相談したくて」
「そうなんだ。呼ぶ方が楽なの?」
「市内に出るには、面会予定表を出さなきゃいけないんですよ。相手が男子だけだとインタビューがついてくるし」
マモルは学校に赴いた方がいいと助言してくれた梓に感謝した。このハウスには、蒼空寮とは一味違う苦労がありそうだ。
「ちょうど重なるようにしたかったんだけど」
窓の向こうにいたのは、見覚えのある男子だった。くるぶしの見えるショート丈のチノパ