高田大介〈異邦人の虫眼鏡〉 Vol.1「フランスの悪い草」
豊かな自然と向き合い、自分の手で生活を整える。在仏十五年、『図書館の魔女』の著者が郷村生活で見つけたもの
この夏は毎日のように庭にいた。宵っ張りの朝寝坊で、これまで午前中はだいたいお茶を片手に漫然としているのが常だったが、最近では大家の来訪から庭を守るという勤めが生じたのだ。
そもそも拠ん所ない事情があって、住み慣れたリモージュの中心街を離れ、トゥールという街の郊外の小村に引っ越したのがこの春のこと。トゥール郊外……というよりは一番近い地方都市はトゥールだ、というぐら