高田大介〈異邦人の虫眼鏡〉 Vol.2「自炊者の告白」
連載初回のリード文で「食事もすべて自炊」であるとか「自然と向き合い」などと書かれてしまった。これでは私が、言うところの「丁寧な暮らし」を旨としているみたいではないか。実情に反するとまでは言わないがどうも認識に齟齬がある。「雑な暮らし」をおくっている自覚なら無くもない。ここのところ頓に自然と向き合っているのは、昨今の情勢から向き合う相手が庭の地面ぐらいしかなかったからであって、これは自然派というよりは単に怠惰な引き籠もりである。
自炊についても主義主張に基づくものでは毛頭