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WEB別冊文藝春秋【無料記事】

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#エッセイ

『淀川八景』(藤野恵美・著)の装画が完成するまで【テーマソングリスト付き!】

大阪生まれ・大阪育ちの小説家が 大阪人の悲喜こもごもを描いた短篇集『淀川八景』。 『別冊文…

【目次】おすすめラインナップ

ピックアップ短篇・中篇小説連載小説【連載完結】 【一部公開】 エッセイ・ルポルタージュ…

浅倉秋成|お茶が「りん」と鳴る

 佐賀県・嬉野温泉にある和多屋別荘で〈ライター・インレジデンス〉を体験中の作家 浅倉秋成…

馬場典子│「先輩アナウンサー」への詫び状──『全力でアナウンサーしています。』を…

 大学3年の冬休み、祖母の家で就職活動のハガキを何通も書いていた私は、舌打ちをした。  バ…

文・宇山圭佑「羞恥心の向こうに」

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文・児玉雨子「キャッチー・コンプレックス」

 アイドルをはじめJ-POPの作詞発注やコンペ募集メールには、必ずといっても過言ではないほど…

綾崎隼「ぼくらに嘘がひとつだけ」 はじまりのことば

 家族の中で、配偶者だけ血が繫がっていない。  子どもの頃から、それを、とても素敵なことだと感じていました。  親も、子どもも、祖父母も、孫も、いとこだって血が繫がっているのに、パートナーだけは永遠に違う。ただ、想いが繫がっているというだけで、ずっと、一緒に暮らしてく。それは何てロマンチックなことなのだろうと思っていました。  昔から、根拠がある絆より、根拠がない絆の方が美しいと、考えていたのかもしれません。  本作には【新生児の取り違え】という主題があります。  

文・木原音瀬「いつまでも終わらない創作の遊び」

 同人誌を作らない人生よりも、同人誌を作っている人生の方が長くなってしまいました。こんに…

冲方丁「マイ・リトル・ジェダイ」 はじまりのことば

 このたび、新作『マイ・リトル・ジェダイ』の連載がスタートいたしました。  編集者と様々…

文・君嶋彼方 「自尊心を筆に乗せて」

 九月二十四日。自分にとって特別な日というのはいくつかあるが、この日付も今年、その仲間入…

今村翔吾「海を破る者」 はじまりのことば

 世界の長い歴史において最も大きな版図を築いた国はどこか。面積ならば第1位は大英帝国で、…

朝倉かすみ「よむよむかたる」 はじまりのことば

 わたしが物心ついたときには、母はもう「ちいさな集まり」の参加者だった。  近所の主婦た…

三上延「シネマバー・ソラリスと探し物」 はじまりのことば

 映画という題材で小説を書きませんか、というお話をいただいたのはかなり昔。少なくとも五年…

藤井太洋「オーグメンテッド・スカイ」 はじまりのことば

 iPhoneのミュージックライブラリには、絶対に起きなければいけない時に鳴らすために、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」が入っている。  イントロの、深いリバーブのかかった「アイラブユー」を聞けば、私は二秒で覚醒できるからだ。十五歳の春、奄美大島から鹿児島市の外れにある高校に入学した私は、寮に入り、本作の生徒たちと同じように、集団生活と縦社会を叩き込まれた。「ダンシング・ヒーロー」は、入寮してから一ヶ月の間、十五歳の少年たちを再プログラミングするために使われた、起床の曲