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WEB別冊文藝春秋【無料記事】

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#別冊エッセイ

一穂ミチが描く「愛」のかたち――〈はじまりのことば〉

 二年半ぶりに「はじまりのことば」を書くことになった。前作(『光のとこにいてね』)のスタ…

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料理家・今井真実さんのエッセイ連載がスタート! 第1回「心置きなくスパイスラーメ…

 第1回 心置きなくスパイスラーメン  数ヶ月に一度のヘアカット。行きつけの下北沢の美…

『パーマネント・ブルー』を読んで――EXILE TETSUYAさんからのメッセージ✉

 みなさんこんにちは、鉄平です。  と、自己紹介してもきっとケンチに怒られない、  EXILE …

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志村貴子先生が描く結珠と果遠――『光のとこにいてね』応援イラスト

 第168回直木賞候補、「キノベス!2023」第2位、2023年本屋大賞ノミネート! 一穂ミチ・著『…

『淀川八景』(藤野恵美・著)の装画が完成するまで【テーマソングリスト付き!】

大阪生まれ・大阪育ちの小説家が 大阪人の悲喜こもごもを描いた短篇集『淀川八景』。 『別冊文…

「映画の日」に観たい! 『スタッフロール』の深緑野分がおすすめする、SFX・VFX映画…

 12月1日は「映画の日」です。この「映画の日」は、100年以上前、明治時代に日本で初めて映画…

櫻木みわ|湖をわたって

 大型冷蔵庫、最新のドラム式洗濯機、本棚にフロアランプにワーキングデスク。プロフェッショナルの運び屋たちが、梱包された家具や家電を手ぎわ良く、そして慎重に運び入れる。「◯◯丸」と書かれた漁船の上に。 「完了です。行きましょう!」  そういわれ、私も船に飛び乗った。  ひとつの場所をたいせつに整えて、長く、落ち着いて暮らしたい。わりと真剣にそう考えているのに、みえない星の運命帳にどでかい移住の刻印でも押されているのか、海外でも国内でも、引っ越しばかりしている。  雪の舞う去年

浅倉秋成|お茶が「りん」と鳴る

 佐賀県・嬉野温泉にある和多屋別荘で〈ライター・インレジデンス〉を体験中の作家 浅倉秋成…

Bar California ダイキリ/西山健太郎

第四夜 ダイキリ 「マスター、明日はよろしくな」  山口青果店の店主・ノブさんがお釣りと領…

【無料公開中】高田大介〈異邦人の虫眼鏡〉Vol.6「フランス中西部の奇妙な地名」

 8月18日(木)、「図書館の魔女」シリーズの高田大介さんのオンラインイベントが開催されま…

【無料公開中】高田大介〈異邦人の虫眼鏡〉Vol.5「すべての道に名前がある」

道に名前のないところ アイルランドの、というか世界的なロックバンドのU2に「道に名前のな…

馬場典子│「先輩アナウンサー」への詫び状──『全力でアナウンサーしています。』を…

 大学3年の冬休み、祖母の家で就職活動のハガキを何通も書いていた私は、舌打ちをした。  バ…

Bar California スイカのソルティドッグ/西山健太郎

第三夜 スイカのソルティドッグ 那珂川の河畔に立ち並ぶ屋台の暖簾が薫風に吹かれ、気持ちよ…

Bar California 雨とマルガリータ/  西山健太郎

第二夜 マルガリータ    中洲川端駅で地下鉄を降り地上に出ると、菜種梅雨特有の、暖かさを感じる雨が路面を静かに叩いていた。  住まいのある西新から中洲の店まで、普段は運動を兼ねて自転車で30分ほどかけて通っているが、雨の日は地下鉄やタクシーを利用している。  中洲は雨が似合う町、というのが私の持論だ。  雨で濡れた路面にきらびやかなネオンサインが映り込み、中洲大通りやそこから枝分かれする細い路地に様々な色彩があふれ、この町の情緒をより煽る。  衣服や靴が濡れるのは気持ち