イナダシュンスケ|千切りキャベツの成長譚
第18回
千切りキャベツの成長譚 僕が小学生の頃「放送教育」というものがありました。これはNHK教育テレビでやっていた小学生向けの学科の番組を授業中にみんなで観るというもの。例えば週に一回の「道徳」の時間には、15分ほどの道徳の番組を観る、という感じです。もちろんすごく面白いというわけではないのですが、一応ドラマ仕立てで、普段の退屈な授業よりは幾分マシでした。そして僕はこの「道徳」のドラマに、なぜかじわじわとハマっていったのです。
自分たちと同じ小学生を主人公とするそれは、