ブックガイド——援助と開発経済~どうすれば貧しい国は発展するか|白石直人
■最底辺の国の状況 発展途上国とされてきた国々が次々と発展を遂げている一方、そうした発展の流れから取り残されている最底辺の国もまた少なからず存在する。ポール・コリアー・著『最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?』(中谷和男訳、日経BP社)は[1]、アフリカ諸国を中心とした最底辺の国々はどのような問題を抱えているのか、そうした国々が発展するには何が必要なのか、を考えた本である。援助や開発経済学を考える際の基本書であり、平易に書かれているので問題状況を