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矢月秀作「桜虎の道」(*小説)

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司法書士事務所で見習いとして働く桜田哲。“特殊な経歴”を持つ彼のもとに奇妙な依頼が舞い込む。それは不動産王・木下義人が作成した《秘密証書遺言》の預かり証を、身内ではなく桜田に預か…
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記事一覧

矢月秀作「桜虎の道」#007(最終回)

第6章1  春人は中目黒に来ていた。車で十分ほど南に行った場所でタクシーを停める。降りて…

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矢月秀作「桜虎の道」#006

第5章1  桜田は一睡もしないまま、事務所に出勤した。自席につき、息を吐くと、そのまま机…

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矢月秀作「桜虎の道」#005

第4章1  村瀬はその日も、目ぼしいスナックやバーを覗いては、レインボーギャングと平尾に…

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矢月秀作「桜虎の道」#004

第3章1  池田孝蔵は西新宿の高層ビルを訪れていた。五十階のワンフロアを貸し切っているの…

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矢月秀作「桜虎の道」#003

第2章1  桜田は翌朝、何事もなかったように出勤した。通常通りみんなより少し早めに出勤し…

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【第1話無料公開中‼】矢月秀作「桜虎の道」#002

3 木下邸から戻ると、小夜から連絡を受けた尾見、荒金、有坂が待ち構えていた。 「おかえり…

苛烈な人生に翻弄される一人の男… 矢月秀作、新連載スタート!「桜虎の道」#001

プロローグ「今日もこの時間か……」  桜田は、街灯の明かりの下で腕時計に目を落とし、ため息をついた。  桜田哲が勤務する尾見司法書士事務所を出たのは、午前一時を回った頃だった。  任されていた不動産登記がなかなか仕上がらず、仕方なく残業していた。  ようやく一案件は書き終えたものの、まだ抱えている作成途中の書類は山積みだ。  まだまだ残業が続くのかと思い、再び、大きなため息がこぼれた。  鼻をずり落ちてきたメガネを指先で押し上げ、猫背でとぼとぼと夜道を歩く。  司法書士事務所