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白石直人「世界を見渡すためのブックガイド」

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新進気鋭の物理学者・白石直人さんが、いまの時代をどんな眼差しで見つめているのか。その琴線に触れた書籍を通して、現代社会の「力学」を読み解きます。
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記事一覧

ブックレビュー:科学とは何なのか~科学哲学の世界|白石直人

 科学哲学は、哲学の中でも特に「科学とは何か」といった問題や、生物学などの個々の科学にま…

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ブックレビュー:源氏物語と平安貴族の時代〈後篇〉|白石直人

▼前篇から読む 平安中期:摂関政治 藤原道長をその頂点とする摂関政治の時代を一望するなら…

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ブックレビュー:源氏物語と平安貴族の時代〈前篇〉|白石直人

 2024年1月からのNHK大河ドラマ「光る君へ」は、紫式部と藤原道長を描き出す。彼ら・彼女らが…

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ブックガイド——援助と開発経済~どうすれば貧しい国は発展するか|白石直人

■最底辺の国の状況 発展途上国とされてきた国々が次々と発展を遂げている一方、そうした発展…

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ブックガイド——中央ユーラシアから見る歴史|白石直人

 従来の歴史記述の多くは、ヨーロッパ諸国や中国の歴代王朝の視点から書かれたものが多い。そ…

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ブックガイドーー宇宙を知る~ビッグバンから太陽系まで|白石直人

 子供の頃、宇宙にロマンを感じ心躍らせた人は少なくないだろう。宇宙の実像は科学によって明…

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ブックガイドーー日本語と英語の不思議|白石直人

 日本語は私たちが普段当たり前に使っているものだが、いざ落ち着いて考えてみると案外不思議な面も少なくない。逆に英語を習い始めたときには、英語の奇妙さに頭を悩ませた人も多いだろう。この記事では、英語と日本語の身近な疑問を、歴史や考え方から解き明かす本をいくつか紹介したい。 ◆身近な日本語の再発見 柴田武、國廣哲彌、長嶋善郎、山田進・著『ことばの意味1──辞書に書いてないこと』(平凡社ライブラリー)は、普段当たり前のように使っていることばの意味の微妙な違いを、多数の例文を取り上

ブックガイドーー民主主義を巡って〈後篇〉~各国の実態~|白石直人

前回の記事では、民主主義を巡る思想と民主化の歴史を見た。今回は、民主主義を実現させていく…

ブックガイドーー民主主義を巡って〈前篇〉~思想と歴史~|白石直人

 ポピュリズムや権威主義化、民主主義の機能不全など、民主主義を巡る問題が、世界のあちこち…

ブックガイドーー安全保障を考える|白石直人

 昨年はロシアによるウクライナ侵攻が発生した。東アジアでも、北朝鮮のミサイル発射は頻発し…

ブックガイドーー秀吉から家康へ|白石直人

 徳川家康を主人公とする大河ドラマ「どうする家康」が、来年の1月8日から始まる。当の家康の…

人体という小宇宙|白石直人

 人体は、我々にとって最も身近でありながら、同時にあまりにも複雑で未知の事柄ばかりの存在…

「ソ連」という国があった|白石直人

 冷戦時代のソ連は、アメリカと並び立つ超大国とみなされていた。ソ連崩壊後のロシアでも、ロ…

白石直人|ロシアとウクライナの歴史を紐解く

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。ロシア政府の内部からは、ウクライナの主権を否定するような主張も漏れ聞こえてくる(※1)。こうした主張は現代の国際社会においては全く受け入れられるものではないが、しかしそうした発想が生じる背景を見ておくことは、ロシア政府やロシア国民の行動を理解するうえで有意義なものであろう。実際、ウクライナとロシア、その周辺を巡る歴史はなかなか複雑なものである。 ◆ロシア通史  ロシアの通史を知るための本として、ジョン・チャノン、ロバート・ハドソン・